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episode2-5

「ねー、シアン様!こちらにキノコが生えてますわ!可愛いですわねー!!」


目の前でキノコを手にしつつくるくる回る女の子に少し微笑みを浮かべながらもシアンは不安な表情を隠せないでいた。


「イア様、そろそろ帰りましょう。日も暮れて来ましたし」


「やぁーよ!もっと遊ぶの!」


自分よりあきらかに年下の女の子がこういったことを言えば可愛いと感じるのかもしれないが、シアンとイアは同い年であったので、思わずため息をついてしまった。


こういう時こそ、不安は当たるようで、何やら後ろの茂みでごそごそと人の気配がした。瞬時にシアンはイアの腕を引っ張り自分の腕の中へとその体を収めさせた。


「シアン様ぁ?」


顔を赤らめ、近づけて来た彼女の唇をかわして、耳元で囁く。


「誰かに見られています。多分彼らが山賊だと思われます。俺がまずあなたを馬車までつれていきますので、俺のそばを離れずについてきてください」


「は、はい〜」


シアンはイアの手を引いてゆっくりと歩き出した、数十分後視界に馬車が見えてきたが、何やら様子がおかしい。ティスカの兵士2人と、山賊と思われる輩が3人が向かい合わせで立っていた。すぐにティスカの兵士のもとに合流し、そのまま告げる。


「俺も加勢します」


「は!イア様っ!ご無事でいらっしゃいましたか」


「あんたたち!一体何やってるのよ!こんな奴ら早く倒しちゃいなさいっ!」


急に兵士2人が何やら話し合いをし始めたようで前を見据えながらも口だけが動いている。


「おい、イア様連れてお前は帰れ」


「馬鹿言うな!俺も戦う。それにシアン様はどうするんだ!」


「シアン様も連れて行くんだよ!俺が囮になる」


こそこそ話しているようだが、会話がまるっきりこちらに伝わっている。シアンは囮になるといった方の兵士の肩を叩いて言った。


「とりあえず、イア様だけでも逃して、俺たち2人で戦おう。今はまだ相手が3人しかいないから俺たち2人で倒せる。で、もう1人の方はイア様と一緒に行け。これは……………命令だ」


「ーーっ!…わかりました」


「わたしもわかりました!」


「え、なに?なに、イアはどうすればいいのぉ?」


兵士の1人が失礼しますと言ってイアを担ぎそのまま馬車の中へ押し込む。


「ああ⁉︎逃がさねえぞ?」


その行為を見逃さなかった山賊たちはついに攻撃してきた。シアンは剣を引き抜き、大きく息を吸った。


「いけっ!!」


馬が甲高く鳴いて、馬車が去って行く。その鳴き声を聞いて、新たに山賊たちが何人か集まってきた。こちらは2人。相手は視界に捉えられるだけでも10数人はいるように見える。


「おらあああ!!!」


山賊が剣を思いっきり振り回す。シアンはそれを次々に受け流して、急所を狙いながら峰打ちをして行く。


「うわぁぁぁぁ」


突然、味方の方の兵士が悲鳴をあげた。反射的に目をやると、木の方に追い詰められて切られそうになっている。隙を見た山賊がシアンの腹を刺した。


「ーーっ」


急所は避けたものの、流れ出る血が止まらない。そしてついに兵士に山賊が剣を振り下ろした。シアンは目の前の山賊を剣を振り下ろして殺し、兵士のもとへ走って身を呈して兵士を守った。


「し、シアン様」


「おい、立てるか?あと、たった4人だ。頑張れ、一気に片付けるぞ」


「は、はいっ!」



兵士は驚いた。いつのまにか十数人もいた敵がわずか4人になっているなんて……兵士が倒した敵の数はわずかに2人だけだった。あとの10人以上もの敵をこの人は1人で倒したというのか……背中の傷はあまり良いものと言われないが、自分を守ってくれたシアンに兵士は感激し、尊敬の念を抱いた。


兵士は気合いを入れ直して果敢に山賊と戦った。陽がすっかりくれたころシアンと兵士は互いに背中を合わせながら座った。


倒れている山賊たちに囲まれながら、彼らは互いの拳を合わせた。












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