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episode2-4

***


宝石で彩られた重厚なドア。ダイヤモンドにパールに希少な宝石をふんだんにあしらったそれに違和感を感じないほどこの城内は豪華に作られていた。そう、ここはティスカの城である。


ドアに触れながらヴィアは哀しそうに言葉を放った。


「住民の租税が使われているのかしら」


「そうでもしないとこの国にここまでする資金があるとは思えませんね」



隣でフィオラが応じ、シアンたちは謁見の間へ続くドアを押し開けた。衛兵はいたが、どうやら二日酔いのようで酒の匂いがひどく香る上に、なにやらぐらぐらしていて今にも倒れそうだった。


「やあやあ!これは想像以上に美しい姫君だ!」


中に入った瞬間、1人の男がヴィアの手を取ってひざまづいた。


「お久しぶりです。ギャリゴ様」


「覚えていてくださったのですね!さあさあこちらへ。アフタヌーン・ティーなどいかがですか?」



ヴィアの腰に手を回してギャリゴはヴィアの隣に座った。シアンの隣にはギャリゴの妹、イアが座った。こちらはシアンの膝に手を置き、ずっと撫で回している。


「ギャリゴ様、本日は婚約の件の他にお話があってまいりました」


「おお、何なりと言ってくれ。宝石でも鞄でもなんでも買い与えるぞ」


「では、ティスカの民たちにそれらを振舞ってください。それが私の願いです。この提案を実行されたら私は喜んであなたの元に嫁ぎましょう」


「おお!よしわかった!今すぐ手配しよう」


ギャリゴは近くにいる衛兵に命じた。シアンがヴィアに目配せをすると、ヴィアはゆっくり微笑んだ。目の奥にギャリゴに対する怒りが潜んでいて、それに気づかないふりをしながら、ああ、この国はこれから姉様に主導権が渡るのだろうなとティスカの再興が期待された。


「ねー、シアン様。私2人きりになりたいわ!一緒にお話しましょう?」


突然イアがシアンの手を握って森に行こうと誘ってきた。エクルが同行を申し出ると、イアはエクルを睨み申し出を退けた。


「イア、やめておけ。あの辺りには最近山賊が出るという噂がある」


ギャリゴもイアの提案に発言をした。どうやら国のことは考えられなくても妹のことは大事にしているようだ。


「大丈夫よ、兄様。私あの森に何回行ってると思ってらっしゃるの?あそこは可愛いうさぎもいるし、綺麗な泉もあるし、何より誰もいないし、2人きりになるのにはうってつけのところじゃなーい」


ほおを紅潮させながらイアは勢いに任せて話した。


「まあ、お前がいうなら仕方ないか」


この兄は!考えが浅はかすぎる!と言いたいのをシアンは堪えていた。この国ではシアンたちは客ではあるが、次期国王に刃向かうともなれば、反逆罪として罪に問われてしまう。シアンは渋々イアの提案にのって、森へ繰り出すことになった。





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