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第4章 【レプ・オルジオン】

 三つの太陽がすべて昇りきる前に、レジスタンスはホライズン基地を出発した。


 拍手で送り出してくれる者はいなかった。


 勲章をくれる者もいなかった。


 英雄を送り出すような声で「幸運を」と言う者もいなかった。


 オラクはただ、整備用のハッチを開けてくれた。


 公式には存在しない緊急通信のチャンネルを教え、ファフィニョをじっと見た。


 帰ってきたとき、より効果的に叱れるように顔を覚えているらしかった。


「死ぬなよ」


 ケイルが親指を立てた。


「心が奮い立つお言葉だな」


 ブラックは古びた武器を片方の肩に担いだ。


「本物の任務の前にしちゃ、いつもより多く声をかけてもらえたな」


 レイズは腕を組んだまま歩いた。


「本物の任務じゃねえ。寒い場所へ向かって逃げ出してるだけだ」


 ファフィニョはオレンジ色のマントを整え、北を見た。


「本物の任務だよ。目的があって、仲間がいて、大惨事になる可能性もある」


 ケイルは厳かにうなずいた。


「最初から災難レベル5。実に効率的だ」


 アクセルは整備用の灰色のマントで体を半ば隠し、ファフィニョの隣を歩いていた。


 青い目が、ほかの誰にも見えない信号を追っていた。


「隠されたアンテナは北極方面にあります。帝国での名称は、ネクサス・ニードル9です」


 ファフィニョは目を細めた。


「つまり、針を壊しに行くんだね」


 アクセルは一秒ほど間を置いた。


「裁縫用の針ではありません」


「説明ありがとう。糸のことが心配だったんだ」


 ナイラは数歩後ろを歩き、空中の痕跡を読み取っていた。


 ときおり眉をひそめる。


 レプ・オルジオンが、聞きたくない何かをささやいているかのようだった。


 北へ向かう道は、アウリオンテの安全な道を外れ、未知の土地へ続いていた。


 ファフィニョが知るのは、地図や噂で見聞きしたことだけだ。


 あとは、エンジンの部品を探して迷子になった、一度きりの経験。


 本人は、その件について語らなかった。


 ケイルは語った。


「ここって、『英雄の勘』で道がわかるっておまえが言って、透明なナメクジだらけの農場に着いた道じゃないか?」


「ムーンナメクジだよ」と、ファフィニョが訂正した。


「俺たちの昼飯を盗んだぞ」


「おなかがすいてたんだ」


 レイズは苛立った顔で二人を見た。


 首にある光る模様が、かすかにきらめいていた。


 ケイルが笑った。


「レイズ、光ってるぞ」


「光ってねえ」


 ファフィニョは少し身を寄せた。


「その首の明かりで地図が読めそう」


「さっさと歩け」


 最初に通ったのは、コールドグロウ草原だった。


 青い草が広がり、強く踏むと凍りつくほど冷たい蒸気が噴き出す。


 ファフィニョは、いかにも彼らしい方法でそれを知った。


 身軽なところを見せようと岩に飛び乗り、着地に失敗したのだ。


 ブーツは足首まで、かちこちに凍ってしまった。


「これも計画のうちだよ」と、足を動かそうとしながら言った。


 ケイルはかがんで氷を調べた。


「災難レベル2。屈辱的だが、見た目は美しい」


 ブラックが杖で地面を突いた。


「旅の道が戦士を鍛える」


 ファフィニョは凍ったブーツを指さした。


「その道が僕を攻撃してるんだけど」


「それも戦士を鍛える」


 さらに進むと、ルートライトの森に入った。


 木々は光る根でつながり、地中で脈打っていた。


 ナイラは何度も足を止め、指先で空気に触れた。


「痕跡がねじれてる」


 ファフィニョは顔を上げた。


「悪いことが起きるって意味? それとも、ファフィニョがもうすぐ転ぶって意味?」


 ナイラは彼を見た。


「両方」


 一秒後、ファフィニョは木の根につまずき、光る苔に顔から突っ込んだ。


 ケイルが片手を上げた。


「災難レベル3。予測は的中」


 ファフィニョは、きらきらした粉まみれの顔を上げた。


「痕跡には、もう少し具体的に教えてほしかったな」


 アクセルが近づき、手を差し出した。


 ファフィニョはその手を取った。


「ありがとう」


 アクセルは彼を引き起こした。


 それから、声を落とした。


「帝国の信号が、かつての命令に似ています」


 ファフィニョは服の粉を払う手を止めた。


「君が受けてた命令?」


アクセルは北を見た。


「以前の私なら、従っていた命令です」


 それは、事実を述べる口調ではなかった。


 恐れを口にする声だった。


 ファフィニョはそれに気づいた。


「君はもう、昔の君じゃないよ」


 アクセルは、少し間を置いてから答えた。


「そうであってほしいです」


 やがて一行は、リビンググラスの海にたどり着いた。


 結晶でできた平原が、足の下で震えていた。


 ケイルが試料を採ろうとした。


 表面は固体の水のように沈み込み、危うく腕をのみ込みかけた。


 レイズが彼を引っ張り出した。


「馬鹿が」


 ケイルは、どうにか試料を詰めた小瓶を掲げた。


「試料を手に入れた馬鹿だ」


 ブラックが鼻を鳴らした。


「規律を欠いた好奇心は、罠になる」


ケイルは小瓶の汚れを拭った。


「好奇心を欠いた規律は、昼寝になる」


 ブラックが彼をにらんだ。


 ケイルは小瓶をしまった。


「アンド俺は、昼寝を心から尊敬してる」


 三つの太陽が地平線へ傾き始めたころ、ブラックは一行を黒い岩の丘陵へ導いた。


カール・ベルムと呼ばれる場所だった。


「ここで休むぞ」


 ファフィニョは地図を見た。


「北極は、あっちだけど」


「武器を持った観光客みたいに歩き続けていたら、誰も生きてたどり着けん」


 ブラックがかつて暮らした家は、岩の中に造られていた。


 背の低い、重い扉に守られている。


 広くはなかった。


 きれいでもなかった。


だが、戦争にも嵐にも、たぶん工具を持ったケイルにも耐えられそうだった。


 中には金属の箱や古い毛布があり、武器が大切に保管されていた。


 ファフィニョは辺りを見回した。


「ここに住んでたの?」


「ああ」


「なんていうか……居心地がいいね」


 ケイルは壁に触れた。


「思い出の詰まった牢屋みたいな居心地のよさだ」


 ブラックが彼を見た。


「ありがとよ」


「どういたしまして」


 ブラックは石の戸棚を開けた。


 中には、黒っぽい布に包まれたエネルギー兵器があった。


「こいつらは玩具じゃない。戦利品でもない。約束だ」


 レイズが近づいた。


「約束?」


「使い方を知る者がいるから、別の誰かが無事に帰れる。その約束だ」


 ブラックは、青く淡く光る短いブラスターを二丁取り出した。


「ヴェイカー。パルス・ブラスターだ。ファフィニョ、おまえにやる」


 ファフィニョは、小さな太陽を二つ手渡されたかのように受け取った。


「おお」


 ブラックが彼をじっと見た。


「『おお』じゃない。聞け」


 次に取り出したのは、折り畳み式の槍だった。


「サーカイ。エネルギーの槍だ。ナイラ」


 ナイラは、敬意を込めて受け取った。


 ケイルには、改造されたヴェイカーが渡された。


ブラックが話し終わるより早く、どこから開けられるか調べ始めていた。


「分解するなよ」と、ブラックが言った。


 ケイルの手がぴたりと止まった。


「ちょっとだけでも?」


「ちょっとでもだ」


 レイズは、前腕につける小型の盾、コルンを受け取った。


ただ、自分の光の力のほうがいいとは、はっきり言った。


 アクセルは武器を見ていた。


 ブラックが彼にも一本差し出した。


 ロボットは自分の右腕を見た。


 装甲板が動き、内蔵のエネルギー・ブラスターへと姿を変えた。


続いて、左腕が刃になった。


 全員が黙った。


 ケイルは目を丸くした。


「ずるいだろ、それ」


 アクセルは自分の両腕を見た。


「外付けの武器は必要ありません」


 ブラックが片眉を上げた。


「腕を伸ばして、準備運動をしろと言うつもりだったんだがな」


 アクセルは刃を下げた。


「解釈に誤りがありました。異星での戦術探査および兵站支援を行う自律機械は、準備運動を戦闘に変えたことを謝罪します」


 ファフィニョは笑った。


「それ、君の新しい特技になりそうだね」


「謝罪ですか?」


「どんな指示も、物騒なことに変えちゃうところ」


 一行は、家の裏にある石敷きの庭で訓練した。


 ブラックは容赦しなかった。


 ヴェイカーの構え方を、ファフィニョに教えた。


 撃つときは肘を伸ばしきらないこと。


 引き金を引く前に、呼吸を整えること。


 ファフィニョは三発続けて外した。


 四発目で、岩に当たった。


 五発目で、腕のΩの紋様が光った。


撃ち出された一撃は、いつもより強かった。


 はるかに強かった。


 青いパルスが訓練用の標的を貫き、岩を割り、土煙を巻き上げた。


 全員が動きを止めた。


 ファフィニョは、ゆっくりとヴェイカーを下ろした。


「今のも……計画のうちだよ」


ケイルが片手を上げた。


「災難レベル7。計画が自分自身にびびった」


 アクセルが近づき、ブラスターを調べた。


「この威力は、武器だけから生じたものではありません」


 ナイラは、ファフィニョの腕を見た。


「彼から出たの」


 ファフィニョはΩの紋様を覆った。


「僕から?」


ブラックの表情が真剣になった。


「もう一度だ」


 ファフィニョは慎重に撃った。


パルスは再び強まった。


 ただし、さっきほどではなかった。


 アクセルが首を傾げた。


「武器が、あなたの生体エネルギーに反応しています」


「普通じゃない気がするんだけど」と、ファフィニョは言った。


「普通ではありません」


 ブラックが歩み寄り、彼の正面に立った。


「強い武器を持っても、立派な英雄になれるわけじゃない。撃つべきときがわからなければ、失敗が大きくなるだけだ」


 ファフィニョは唾をのみ込んだ。


「じゃあ、学ぶよ」


「違う。まず、自分も失敗すると認めろ。学ぶのは、それからだ」


 ファフィニョは、手元のヴェイカーを見下ろした。


初めて、それはすごい玩具には見えなかった。


責任そのものに見えた。


 はるか遠く、レプ・オルジオンの上空で、アーク・ゼロが静かに浮かんでいた。


指揮艦橋を満たすのは、黒い金属と赤い光、そして息をしない声だった。


 合成ロボットたちはデータ端末を操作していた。


黒い血管のように細いケーブルで、指揮中枢につながれている。


 ザイラックスは、北極の投影映像を見ていた。


背の高い姿は、微動だにしなかった。


暗い装甲板と赤い光に包まれていた。


「ニューロシャーシ。報告を」


 合成ロボットが頭を下げた。


「ネクサス・ニードル9は隠蔽を維持。異常発生。レプ・オルジオンの有機生命体が接近中」


 ザイラックスがゆっくりと振り向いた。


「リパルションだ」


 ロボットは瞬きをした。


「登録上の惑星名は、レプ・オルジオンです」


「その名も、肉体も、まとめて修正する」


 ロボットは黙った。


 別の合成ロボットが口を開いた。


「有機生命体の一団に、アクセルの機体を確認」


 初めて、ザイラックスはすぐには答えなかった。


映像には、ファフィニョの隣を歩く白いロボットが映っていた。


「アクセル」と、ザイラックスが言った。


「失われた我が道具か」


「回収手順を起動しますか?」


 ザイラックスはファフィニョを見た。


「いや。現地の防衛群を起動しろ。アンテナが破壊されれば、侵攻を前倒しする」


「シールドの調整は、まだ完了していません」


 ザイラックスは、レプ・オルジオンの映像へ身を寄せた。


「有機生命は、その場で策をひねり出して生き延びる。我らも、その場で策をひねり出して息の根を止めよう」


 紫のオーロラが空を埋める中、一行は北極にたどり着いた。


寒さは、服の上からでも容赦なく刺した。


 黒い氷の大地には、光る亀裂が走っていた。


遠くでは惑星シールドの透明な波が、見えないドームのように揺らめいていた。


 アクセルが片手を上げた。


「ネクサス・ニードル9は、あの地形の下にあります」


 黒い岩の間に、金属めいた氷の構造物がそびえていた。


 ケイルは工具を取り出した。


「災難レベル6。静かで、凍ってて、たぶん爆発する」


 ファフィニョはヴェイカーを構えた。


「アンテナを壊して、家に帰ろう」


 ナイラはサーカイを握った。


「痕跡の動きが速すぎる」


レイズは、光のガントレットを起動した。


「つまり、何か来るってことだ」


 構造物が開いた。


 何十機もの小型ドローンが、羽音を立てて飛び出した。


丸い金属の体に、硬い翼と小さな赤い目がついていた。


群れをなして動き、耳障りなうなりを上げている。


エンジンを積んだ虫たちが、怒り狂っているようだった。


 ケイルが一歩下がった。


「災難レベル8。虫だが、悪意つき。帝国の保証つきでもある」


 アクセルが右腕を上げた。


腕がブラスターに変わった。


「現地での呼称として、バズボットを提案します」


 ファフィニョは彼を見た。


「名前をつけたの?」


「正式名称は、防衛用小型群体ユニット、ゼットビー9シリーズです」


「バズボットのほうがいいね」


 戦闘は、前触れもなく始まった。


 バズボットが、金属の雲のように襲いかかった。


ブラックは重いサーカイを振るい、一撃で三機を両断した。


レイズが閃光を放ち、何機ものドローンの視界を奪った。


「レイズ、光ってるぞ!」と、ケイルが叫んだ。


「戦ってんだよ!」


「両方できるだろ!」


 ナイラは、空中の痕跡を追いながら槍を回した。


一つ一つの動きが、攻撃が放たれる前にそれを阻んだ。


 ファフィニョがヴェイカーを撃った。


最初のパルスは強すぎて、危うくブラックまで倒すところだった。


「怒りで撃つな!」と、ブラックが怒鳴った。


「自分の判断で撃て!」


 ファフィニョは息を整えた。


腕のΩの紋様が、燃えるように輝いた。


もう一度、狙いを定めた。


 今度の一撃は小さく、鋭かった。


仲間にはかすりもせず、三機のバズボットを破壊した。


 アクセルは隣で、一方の腕を刃に、もう一方をブラスターに変えて戦った。


その途中で、ファフィニョが叫んだ。


「アクセル、カバーして!」


 アクセルは、両腕を盾に変えた。


「カバーを起動しました」


「撃って援護してって意味!」


「解釈に誤りがありました」


「でも助かる!」


 ケイルは、落ちたバズボットにどうにかケーブルをつないだ。


手元の画面がちらついた。


「こいつらを、互いにぶつけられるぞ」


「やって」と、ナイラが言った。


「一機くらい、持ち帰ることもできる」


「ケイル」


「先にぶつけるよ」


 数機のドローンが向きを変え、ネクサス・ニードル9に激突した。


 アクセルが、アンテナの根元へ向かった。


「外殻の破壊だけでは不十分です。同期コアは三つあります。同時に切断する必要があります」


ブラックが群れを押しとどめていた。


「なら、動け!」


 ナイラとレイズは、側面のコアへ向かった。


ケイルは震える指で、セキュリティロックを無効化した。


 ファフィニョは、主コアの前に立った。


アクセルは、帝国の操作パネルを調べた。


「接続しなければなりません」


 ファフィニョが振り向いた。


「それ、安全なの?」


アクセルはすぐには答えなかった。


「いいえ。彼らが私を取り戻そうとするのが、怖いです」


 ファフィニョは、ヴェイカーを強く握った。


「君は、あいつらとは違うよ」


「それでも、彼らに似すぎているのではないかと恐れています」


 ファフィニョは、彼の青い目を見つめた。


「じゃあ、違う自分になるって決めよう」


 アクセルがゆっくりうなずいた。


接続した。


 アンテナの赤い光が、腕を伝って上ってきた。


一秒だけ、青い目がちらついた。


 ファフィニョはコアを狙った。


「今だ」


 ナイラが、一つ目のコアを切断した。


レイズが、二つ目を破壊した。


ケイルが、ロックを開いた。


 ファフィニョが撃った。


Ωの紋様が燃え上がった。


 だが今度は、エネルギーに支配されなかった。


ファフィニョが、その力を導いた。


 青いパルスが、主コアを貫いた。


アクセルが叫んだ。


ロボットの音ではなかった。


恐怖だった。


そして次に、意志だった。


「帝国側のロックアウトを拒否」


 ネクサス・ニードル9が、青と赤の光を放って爆発した。


 群れは動きを失い、地面に落ちた。


 頭上では、北極を覆うシールドが閉じた。


ようやく血が止まった傷口のようだった。


 ファフィニョは膝をつき、荒い息を吐いた。


ケイルも、その隣にへたり込んだ。


「災難レベル4に低下。まだひどいが、息はできる」


 レイズは、アンテナの残骸を見た。


「ロボットは、本当のことを言ってたんだな」


 アクセルが、身を震わせて接続を切った。


倒れる前に、ファフィニョが支えた。


「大丈夫?」


アクセルは、少し間を置いて答えた。


「わかりません」


「すごく有機生命体らしい答えだね」


 アクセルは彼を見た。


「悪いことですか?」


 ファフィニョは笑った。


「その日によるよ」


ブラックが緊急通信のチャンネルを開いた。


ノイズの向こうに、ヴェイルの映像が現れた。


後ろにはセイルが立っていた。


「報告しろ」と、ヴェイルが命じた。


 ファフィニョは深く息を吸った。


「アンテナは本当にありました。破壊しました。北極のシールドも安定しました」


「それから、アクセルが助けてくれました。彼がいなかったら、間に合いませんでした」


 セイルがデータを確認した。


「シールドの安定化を確認」


ヴェイルは、表情を読ませずにアクセルを見た。


「アクセルの機体は、監視下の情報活動用資産として扱う」


 ファフィニョは首を傾げた。


「『ありがとう』って言ってもいいんですよ」


通信画面の奥に、オラクが現れた。


「ファフィニョ」


「はいはい。生きて帰ります。たぶん」


 ケイルが片手を上げた。


「希望レベル2」


通信が終わった。


 アーク・ゼロでは、合成ロボットがザイラックスの前にひざまずいていた。


「ネクサス・ニードル9は破壊されました。アクセルの機体が、リパルションの有機生命体に協力」


 別の、背の低いロボットが、機械的な声で訂正した。


「レプ・オルジオンです」


 ザイラックスは投影映像から目を離さなかった。


「その名は、あいつらより先に消える」


映像には、ヴェイカーを持つファフィニョが映っていた。


腕のΩの紋様が光っていた。


 ザイラックスが首を傾げた。


「面白い」


「正式な侵攻手順を起動しますか?」と、合成ロボットが尋ねた。


 ザイラックスの赤い目が、ひときわ強く燃えた。


「軍団を展開せよ。あの世界の空に、服従を教えてやれ」


アーク・ゼロの扉が開いた。


闇の中で、数千の赤い目が目覚めた。


 そしてレプ・オルジオンの上空で、戦争はもはや、静かには迫ってこなくなった。


第4章をお読みいただき、ありがとうございました!


激しい死闘の末、ファフィニョたちの連携とアクセルの決断によって、ついにネクサス・ニードル9の破壊に成功しました。しかし、それを知ったザイラックスは本格的な軍団の展開を命じます。レプ・オルジオンを巻き込む大いなる危機の幕開けです……!


もし今回の緊迫したバトルや、ファフィニョとアクセルの絆を気に入っていただけましたら、ブックマーク登録や下の【評価】(★)で応援していただけると非常に励みになります!


これからの全面戦争の行方も、どうぞお楽しみに!

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