認めたくない
シンside
「「「「おはようございます」」」」
「おはよう」
さて、話をするか。
「場所を変えて屋上に行こう」
屋上
シンside
「大事な話がある佐々木のことだ」
「「「「「「?」」」」」」
「リエ、言ってもいいかい?」
((((((リエ!?))))))
後ろに隠れている佐々木に確認をとる。
「いいよ、シン」
((((((シン!?))))))
「彼女は記憶を失った…」
「「「「「「はい?」」」」」」
六人は冗談でしょ?という顔をしている。だが、残念ながらこれは冗談ではない。
「さっきも言ったが佐々木は記憶を失った。つまり記憶喪失になったんだ…」
佐々木はまだ後ろに隠れたままで、ボクの着ているTシャツをクシャッと握り顔をボクの背中に埋める。
「佐々木は自分の名前は分かるがそれ以外、何もわからないんだ。だからキミ達のことも…」
「嘘…嘘だよね…リエ」
「ひなた」
優木は日野の手を握った。
「嘘…嘘…!リエ、嘘だよね…?」
「…ごめんなさい」
「!…「嘘」って言ってよぉ言ってよぉ…うわぁぁんうわぁぁ…ねぇ和也!嘘だよね!ねぇ!」
日野は泣き崩れた。
「ひなた」といって抱きしめ頭をポンポンする。優木は歯を噛みしめている。
水野は茫然としている。
「おい、リエそんな面倒くせー冗談やめろよ。なっ?」
「剛、冗談じゃないんだよ」
「…そんなの分かってるよ!でも!認めたくないんだよ!」
「ボクだって…認めたくないよぉ!でもね剛!これは認めないといけないんだよぉ!」
「一樹…クソぉぉ!」
そして秋本は…
「記憶喪失って…それじゃ俺達のことも分からないんだよな。今までのこと全部、全部分かんねぇんだよな?」涙があふれて頬を伝っている。
「今までの思い出も…全部、全部!!クソぉ!!」
あぁ神様どうしてあなたは俺の/私の/大切な/友達に/幼馴染に/こんなを事をするのでしょうか?
日野は優木に抱きしめられたまま涙を流し、優木は歯をかみしめたまま静かに涙を流し、田中も松田も水野も静かに泣いていた。秋本は涙が次から次へと…
この後六人はショックが大きすぎて次の授業に出られなかった。
***
休み時間
ひなたside
「グスッグスッ泣いててもらちがあかないね。私は…私は日野ひなた。リエとは小学校からの友達だったよ改めてよろしくね」
「よろしくお願いします…」
「俺は優木和也リエとは小学校低学年からの友達、ひなたと幼馴染改めてよろしく」
「よろしくお願いします…」
「俺は田中剛リエとは中学からの付き合いで…ひなたや和也や航平や悠と同じ陸上部よろしく」
「よろしくお願いします…」
「えっと次ボクだね。ボクは松田一樹!リエとは中学からの付き合いで陸上部に入ってるよぉよろしくね」
「よろしくお願いします…」
次は…悠、この中でいちばん辛いこの中で辛いと思う。
物心ない時からずっと一緒で二人一組って言ってもいいくらい仲が良かった。
なのに今は…リエが…リエが
「俺は秋本悠。リエとは…」
言葉が詰まった。あぁせっかく止まった涙なのに、悠が、また泣きそう…
止めてそんな顔しないで、そんな顔したら私まで…
「和也!」
もう一度…私は和也の腕の中で静かに泣いた…。
「リエとは…物心ない時からの幼馴染で、家が隣で、俺にとって大切な幼馴染だった。改めてよろしく」
「よろしくお願いします…」
リエside
「シン…」
「大丈夫怖くないよ。
この六人は頼れる人リエが記憶を失う前にもずっと仲が良かったんだよ。だから大丈夫」
「…うん」
「日野、優木、水野、田中、松田、秋本、頼むこれはボクからのお願いだ。
佐々木を頼む…ボクがいない間佐々木を…」
と頭を下げた。
シンが私のために…
「先輩!頭を上げて下さい!私全力でサポートします!だから!」
「すまない頼む」
これでちょっとはマシになるのかな?
「よろしくお願いします。日野さん、優木君、水野君、田中君、松田君、秋本君」
と私は一礼。
(苗字で私達のこと呼ぶんだね。リエ…)
「じゃあ次の時間がもうすぐ始まるよ。教室へ戻ろう。」
やっぱり怖いなこれから…
********
「佐々木さん」
「柊先生どうしたんですか?」とシン。
「佐々木さんは、自習室で授業らしいです」
「分かりました」
(大丈夫だろうか)
「リエ。自習室で授業だって、鞄取りに行こうか」
「うん」
その後、鞄を取りに行き、そのうえ自習室まで送ってもらった。
わたし、今から何するんだろ?
「じゃあ次の休み時間来るから昼休みだし一緒に食べよ。」
「うん!」
「じゃっ」
その数分後、柊先生が来た。
「では、佐々木さんまずこのプリントの問題を解いてください」
と手渡されたプリントは小学生レベルの算数だ。多分先生はどこまで出来るのか知りたいんだと思う。このプリントは楽勝。
次のプリントもそのあと次々と解いていき中学三年生レベルの数学をやっていた。
どうやら私は勉強には支障をきたしていないようだ良かった…。
「では授業を終了します」
「ありがとうございました」
ふぅ片付けっとコンコン
ノックだ。
「失礼するよ」
「シン!私!勉強に影響でてなかった!数学も授業中渡されたプリントも出来たよ!
「そっかよかった。じゃあご飯食べに行こっか」
「うん!でも私、お弁当もお金もない」
「大丈夫」
そういうとシンはカバンから
「ほら、ボクお手製のお弁当だ」
とネコ柄の巾着を取り出した。
「はいお弁当ボク特製だよ」
「ありがとう!」
「じゃあ食べようか」
*******
シンside
中庭のベンチ
「んーおいひー(おいしい)」
「そっかよかった」
姉さんに教えてもらったんだ。
完璧に出来てるハズ…!
実はボク料理はできない方なんだ。
だから今日のお弁当を作るために姉さんに教えてもらったんだ。
喜んでもらってよかった。
…昨日の夜
「姉さん料理教えて」
「料理?いいけどどうしたのいきなり?」
「えっと今度実習で…」
「嘘ね。リエちゃん絡みでしょ?」
「な…」
「ビンゴか…わっかりやすいなー」
「/////」
それから卵焼きとか基本的なことを教えてもらって…今日の朝頑張って作ったんだ。
ひなたside
…屋上
「……」
さっきから沈黙が続いている。
ちょっと気まずい。やっぱりリエのことでみんな何かを話す気がないらしい…。
「…ごちそうさま」
私は食べ終わり、気分転換に屋上のフェンスに右手をかけフェンス越し中庭を見ていた。今日は風が気持ちいいなと涼しげんでいると…
「あれは…リエと先輩?」
中庭のベンチに隣同士で座って笑いあってお弁当を食べているリエと先輩を見つけた。
「…リエ」
と呟きフェンスにかけている右手をぎゅっと強く握りしめた。私の知ってるリエじゃないんんだ…
「リエ…リエ…」
ダメだまた…涙が…
「泣いちゃダメ泣いちゃダメ…」
自分に言い聞かす私、でも涙は止まらない。
「ひなた?」
様子を見に来た和也。下を向いていた顔を上げると…
「ひなた…」
「ごめん…また泣いちゃった」
「そっか」
と抱きしめてくれた。




