嘘だろ…
リエside
「~♪」
鼻歌交じりに歩いていた。特にいいことがあったワケでもないけどね。
今日も練習!
悠には先に行くって言ってある。
部室でマネージャーの道具をちょっと整理しようと思ってて今日は早く出た。
「今日もいい天気だなぁ」
と言い大きく伸びをした。
「もうちょっとで学校!よしっ!今日も一日がんば…」
キィー!!
後ろからブレーキ音。
バン!!
え…?
トラックにぶつかった。
そしてその衝撃で飛ばされ、強く地面に叩きつけられた。
もう何が何だか分からない。
「キャーー!」
…最後に聞こえたのは誰かの悲鳴。
シンside
山田先生遅いな…普段ならもう来て練習メニューを渡してもいいくらいなのに…
それに佐々木も、あの佐々木が寝坊とはあんまり考えられないし…
「職員室に行くか」
直接自分で受け取りに行くために職員室に向かった。
職員室
「失礼しま…」
「佐々木が車に轢かれた!?」
「え…?」
「今は天草総合病院に…」
「佐々木!」
ボクは天草総合病院へ向けて走った。
部活なんてどうでもいい。ただ…今は佐々木キミが…
天草総合病院
「すみません!はぁはぁ…佐々木は!佐々木リエはどこですかっ!」
受付の女性に尋ねた。女性はパソコンで何かを打ち調べた。
そして調べ終わると…
「605号室です」
「ありがとうございます!」
エレベーターに乗って6階へそして605号室を見つけ扉を開けた。
そこにはベッドから起き上がって頭に包帯を巻いている佐々木を見つけた。
605号室
「佐々木…良かった…」
「…?」
「佐々木?」
ずっとキョトンとした顔でこっちを見ている。
そして…キミから帰ってきた言葉は…
「どなたですか?」
「え…」
耳を疑いたくなった。
「すみません…私、記憶喪失になってしまって…えっと自分の名前とかは分かるんですけど、その…」
途切れ途切れに言葉を繋げるキミ。
「…!」
嘘だ…信じられない記憶喪失?
「嘘だよね?冗談だよね?佐々木…?」
「…ごめんなさい」
「!…すまない。しばらくしたら帰ってくる」
「はぁ」
ボクは部屋を出てナースステーションの前の椅子に座り…
「うわぁぁぁ!!嘘だろ!嘘だろ!」
拳を作りベンチを殴る。
涙が止まらない次々と溢れ出てくる。
「佐々木…!佐々木…!記憶喪失なんて…そんな…そんなぁぁ!!」
あぁ神様、どうしてあなたはボクの大切な人から記憶を奪ったのですか?
「こんなの…あんまりだ…あんまりだぁ!!」
数十分後
もううじうじしていても意味がない。今は佐々木の傍に居よう。
もう一度605号室へ向かいノックをする。
コンコン
「はい」
キミの声だ。
「さっきはすまない。えっと隣の椅子に座っていいかい?」
「どうぞ」
「ありがとう。」
座ってから話を切り出した。
「えーまず自己紹介をしよう。ボクは陸上部主将の勝山シン3年だ。」
「どうもあの私にとって勝山さんは…」
「堅苦しい呼び方や敬語はやめよう。タメ口で」
「あっうん。
じゃあ“シン”でいい?冗談だけど」
「構わないよ」
「じゃあシンで、えっと話の続きなんだけど私にとってシンはどうゆう存在だったの?」
「さぁ?それは分からないよ。本人じゃないからね」
「そう…だね」
と残念に。
「でも、ボクにとってキミは初恋の女の子なんだ。」
「え…」
「告白もしたよ。応えはもらっていないけどね。」
「あ…えと…」
「今はその話はいいもっと詳しく話そう。キミは私立朝日高等学校の二年で陸上部のマネージャーだ。」
「私がマネージャーを」
「あぁとても明るくて頼れるマネージャーだ」
「私が…でも何にも分からないの、
分かるのは物の名前と自分の名前…人間関係とか分からなくて…
今分かってることは私とシンだけで…お母さんたちは海外出張らしくって…」
「そうか…佐々木は「リエでいいよ」あ…じゃあリエはいつ退院できるんだ?」
「傷は大したことないから明後日退院。今日と明日は様子見で」
「分かった。学校は行くのかい?」
「うん。でも…」
「ボクが一緒に居よう」
「ありがとう!シン!」
コンコン
ノックだ。




