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約束だよ  作者: Small・Bear
本編
59/131

ひなた

ひなたside

川田橋の橋の下…

「…来てくれて、ありがと」

和也が来た。

急いで自転車を漕いで来たせいか、少し息が切れている。

「…っで…はぁはぁっ話って?」

「あ…えっと…息が整ってからで…あっうん…」







「じゃあ…本題の話をするね。」低い声のトーンで話を始める。

「…突然なんだけど…実はあたし…病気にかかってるの…病気の名前は、“てんかん”」

「はっ?病気…?嘘だろ?」

「嘘じゃないよ」

だってそう、私は今まで…ずっと…ずっと…


隠してたんだから…


「病気って…今までそんなの…!」

「ずっと…隠してたの…」

「馬鹿!!なんで!」

「心配、かけたくなかった…」

そう言うと和也は何も言わなかった。


「でもね。もう治りかけなの」

「そうか…良かった…」

「でも…たまに…ね。」


「え?」

「たまに…発作ほっさが起きるの」

発作ほっさ?」

「そう。変な気分になるの」

「変な気分?どんな?」


「口じゃ表現出来ない…

私、発作ほっさが起きている間の記憶がとびとびであんまりおぼえてないの。それに…周りが何が何だか分からなくなる…

今私は何をやっているのか、どうしてここにいるのか何もかも」

「何もかも…」


「でもねっ!それは重い発作ほっさの時で

軽い発作ほっさのときは記憶がとびとびっていうことはまずないよ。」

「それは、ひなたのかかっている“てんかん”っていう病気の症状か?」

「そう。私は頭が痛くなったり、しんどくなったりするの。

“てんかん”って病気にも色んな種類があるんだよ。

ガンはガンでも肺ガンや胃ガンのように、色んな種類があるようにね。

私の“てんかん”の種類はよく分からないの母さん達は知ってるけどあまり私に教えてくれないし、

ほんと、やんなるよ…

発作ほっさを起きにくくする為の薬を毎日…そして通院に、たまにする血液検査に脳波の検査…」


「ひなた…」

私はずっと抱えてきたものを全て吐き出すように話を続けた。


「重い発作ほっさが起きたときの感覚…

あたしね、中学生の時授業中に重い発作ほっさが起きたことあるの…

何があったなんかなんて覚えてないよ。

後でクラスメイトに何があったか聞いたり…本当に何も分かんないの」


「ひなた」

「それに…友達の…クラスメイト前で重い発作ほっさが起きたことがあるの…

何にも覚えてないよ…

もう嫌だ…!!

重い発作ほっさが起きてるときのみんなの冷たい目線!」


「ひなた!もういい!!」和也は止めるが私は続ける。

「思い出すだけで嫌になるよ!本当に何なの!嫌!

こんなの…どうして…あたしなの?どうして…!」私はその場で泣き崩れた。


「ひなた…もう何も言うな」

「嫌だよ…」

「…ひなた」

と優しい声で私を呼ぶと、優しく私を抱きしめた。


「かず…や…」

「泣いて、いいんだよ」

そして私は和也の腕の中で今まで溜めていた。

寂しさや苦しさや悲しみを吐き出すように…思いっきり…泣いた…

「ひなた…」小さい子をあやす様に頭を軽くポンポンと叩きながら…。


「ひなたは、ずっと…独りで抱えてたんだな」

「うん。苦しかった、悲しかった、寂しかった。ずっと…!ずっと…!」

「そっか…ひなたは昔から独りでよく抱え込むからな」

「ほんと…和也は、何でも…私のこと…お見通しだね。ありがとう…すぅ」

「いや俺は…」


「かず…や…だい…す…き…」


「泣きつかれて寝たか…大好きか…さりげない告白…それとも小さい頃の夢…どっちだろうな

なぁひなた、俺は…小さいときからずっとひなたのことが大好きだよ。」


そのとき、ひなたが小さく微笑んだ気がした。



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