二つの文字
悠side
「はあはあ…もう時間ね。戻りましょ]
ということになり、朝練は終了した。
しかしリエは凄い、俺に合わせてバトンを渡してくれた。
本当に凄い。
「俺と剛はクラブの更衣室で着替えてくる」
と言って航平と剛は部室へ向かった。
「悠、戻りましょう」
と言って俺たちは教室へ。
*********
千砂side
突然だが、私は留学することになった。お父さんの友達から留学の話が来たらしい。色々考えた結果、留学することにした。
もともと外国には興味があったし、いい機会だと思う。
でも1つ自分の中で片付けておきたいことがあった。
悠君のことだ。
私は悠君が好き。
その気持ちを伝えておきたい。
すっきりしてから留学しようと思う。
そして今日。
意を決して告白する。
…でも
「あっちぃちゃん。おはよう」
「おはようございます」
「おはようございます佐々木さん。あれ?体操服?朝から練習ですか」
「まあ。リエに付き合わされて…」
「……」
やっぱり…
「ちぃちゃん?」
「あっいえ、何でもないです。お疲れ様です。」
「ありがとう」
「まっ悠は100m走しっただけだけど」
「っさいな」
悠君はずっとずっと佐々木さんといた。
多分私のことは幼馴染としか思っていないと思う。
悔しいけれど…
「悠君」
「ん?」
「一時間目の終わった後の休み時間にお話があります。」
「分かった」
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朝礼
「えっと朝礼を始めます!えっと今日は一時間目と二時間目は通常授業ですがその後は先生達研修で学校が終わりです。今日も1日頑張りましょう!」
「ふぅ。一時間目は英語か…寝よう。朝練キツかったし」
そこから記憶はない。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
「悠君」
「ん…」
「授業終わりましたよ」
「あの場所変えて話しませんか?」
「あっうん」
千砂side
体育館前
「珍しく静かですね」
「そうだな。で?話とは?」
「……」
「?」
言葉が詰まる。
「私…」
「?」
深呼吸して、自分を落着かせる。
そしてあなたに伝える。
たった二文字の言葉。
「…きです」
「え?」
「悠君が…好きです!」
「え…えぇ~~~~!!」
「大声出さないで下さい…」
「ごめん。あっえと返事は…」
「どうぞ。」
「俺は…ちぃちゃんが好きだった。でもそれは友達としてで…今は…」
「言わないで!その先は…言わないで下さい」
そう言って私は身を翻し、その場を走り去った。
分かってたのに…
叶わない恋だって…
分かっていたのに…
どうして…こんなに涙が出るの?
屋上
授業に出たくない…というかもう間に合わないな…私らしくないけど、保健室行って適当な理由つけて休ませてもらおう。頭を冷やしたい
*****
悠side
「ちぃちゃん…」
次の授業にちぃちゃんは出席しなかった。よほどショックだったのだろう。
「ごめん」
一人呟いた。
「悠?どうしたの?」
隣りの席のリエは心配そうに声をかけてきた。
「何も」
「嘘。何があったの?言いなさい」
「嫌だ」
「言いなさい」
「嫌だ」
「言いなさい」
「…分かった」
俺がリエを好きなこと以外全て話した。
本当は話したくなかったんだけどリエが強引に…な
「ちぃちゃん。大丈夫かな?」
「大丈夫、あたしが保障する。あの子ならすぐ立ち直るわよ」
「…そうか。リエが言うなら大丈夫だな」
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
「えっとチャイムが鳴りました。授業を終わります。続いてHRを始めます」
教科書類を直しているとちぃちゃんが帰ってきた。自分の席へ行き準備を始める前に俺の方を向き、微笑んで口をパクパクしてこう言った。
『もう大丈夫』
でもその笑みは、とても悲しく寂しい笑みに見えた。




