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約束だよ  作者: Small・Bear
本編
48/131

幼馴染のカン

悠side


明日の朝、体育祭朝練があるらしい。(璃気情報)

まっ俺には関係ないけどな、騎馬戦がメインとか言ってたし。

俺リレーだし。


晩飯を食い終わって部屋でゆっくりしていると、リエは突然こんなことを言い出した。

「明日、アンタも朝練に来なさい」

「何で俺も朝練に行かないといけないんだよ!!」

「何でもいいでしょ」

「何でもって…俺全く関係ないし、後面倒くさいし…」

「朝練よ!体育祭負けたくないのよ!!」

「はいはい分かりました」

「じゃっあたし帰るね」

ベランダをまたいで帰っていった。


次の日の朝

「ゆうぅ~起きろー!!」

カーテンを開ける音と共に起床した。

「朝練行くよーはい制服」

制服は綺麗な()(えが)いて俺の元へと届いた。

「何も投げなくても」

「着替えて」

睨みつけられた。

「…はい」



その後も「着替えたなら早く食べる!」とか言われた…。

「はーい」

俺、なんか…小学生みたい。



ひなたside


マンションの前

「遅いよ和也。迎えに行くって自分から行ったのに」

「はぁはぁはぁはぁ…ごめん」

「とにかく早く朝練行こっ」

駅へ向かった。


悠side

「ゆうぅ~行くよ~」

「今行くー!」

「全く…」

と言って呆れていた。まぁいつもと同じことなんだけど…


ひなたside


「「「「え…」」」」

駅のホームでばったり悠とリエに会った。

「何で悠達がこんな朝早くから…」

と私。

「朝練よ!」

「朝…練…?」

朝練なんの!?

えっリエ何かクラブ入ってたっけ…?


「リエが体育祭に向けての朝練するんだと」悠が説明をしてくれた。どうやら嫌々行かされているようだ。悠の表情を見ればすぐ分かる。

可哀想(かわいそう)に…(笑)


『電車が参ります。白線の後ろ側にお下がり下さい。』


「うわぁ何か今日の電車混()んでる…ねぇ和也、乗れるかな?」

「いや、乗れるかなじゃない。乗らないと主将(キャプテン)にペナルティーとしてトレーニング2セット+される…絶対乗る!」

「うん」


「こっちだって絶対乗る!」

「別に乗らなくても…」

「何か言った?」

悪魔の微笑発動!

「いっいえ」


リエのあの微笑は誰も勝てないよね。だって今まで勝った人見たことないもん。


『扉が開きます。ご注意下さい』


「悠!行くわよ!」

「はーい←(棒読み)」


「ひなた。手、出して」

「うん」

和也の手を力強く握った。

「…和也!」

「分かってる!」


人が一気に出てきた。ナニコレ…


「行くよ!」

「はーい←(棒読み)」



私達は何とか電車に頑張って乗れた。

「何とか乗れたよ点これで私達、ペナルティーは逃れた…良かったー」

「でも今のでどっと疲れた…」

と手を離す。いつもだったらこんなに混んでないのに…何で今日はしかも車内は加齢臭(かれいしゅう)や香水の臭いが混ざってヘンな臭いがする。


「…っ」

「ひなた大丈夫?」

「うん。何かヘンな臭いが…それに人が多いから…ちょっと…」

「我慢だな」

「うん」

今私達は車内の左端にいた。やっぱり息苦しい…

とある中年サラリーマンはウォークマンで音楽を聞いている。

だけど物凄く音漏れしていて、明らか回りの人の迷惑だ。


「…息苦しい」

「我慢」

「でも…」

「我慢」

「…うん」


『次は品川、品川です。』


車内にアナウンスが響いた。

「また乗ってくる…」


『間もなく品川、品川です。左側の扉が開きます。扉にご注意下さい』


「う…」


『品川、品川です。足元にご注意下さい』


ピロロンピロロン

という音とともに扉が開いた。

少し冷たい風が車内に入ってきて、ちょっとだけ息苦しさが(やわ)らいだ。

のはいいんだけど…


「乗る人多い…大丈夫なの?」

「…多分」

そして一斉に…

「きゃっ…」

強く誰かに押された。

「ひなた大丈夫?」

「うん。なんとか…」

一瞬怖かった。和也から離れて行くんじゃないかなと思った。

怖かった…


ぎゅっ

「大丈夫、離れないよ。俺はひなたから離れない。一人にしない。

だから迷子にもならない。大丈夫、大丈夫だから。」

手を優しく握ってくれた。


「どうして…分かったの…」

「ひなたには(くせ)があるからすぐ分かるよ」

(くせ)?」

「うん」

「どんな?」

「ん~なんて言えばいいだろ…?ん~と…なんというか…」

「?」


幼馴染(おさななじみ)のカン?」

「カン?」

「そう。カン、分かるんだよ何でなのか分かんないんだけど…」

「そっか…」

「うん」

「…ありがとう」

「えっ?」

「ありがとう」

「よく分からないけど…どういたしまして」


その頃

悠side


「あーもう!乗れなかった!」

「うるさいな。別にちょっとだけ練習時間が削れるだけだろ?」

「ちょっとぉ?ちょっとじゃないわよ!もっと時間を大切にしなさい!」

「はぁ」


『電車が参ります』


「リエ来たぞ。あっ()いてる」

「………行くわよ」

「へいへい」

だるい。ただその一言。


電車内


「やっと乗れたぁ…。ふぅ…リエ()ねるな」

()ねてなんかないもん」

頬を膨らますリエ、俺は頭を撫でた。リエの機嫌を直すにはこれが一番いい。


()ねてる。」

「何でそんなにハッキリ言えるの?」

「なんか分かる。()ねてるなぁって…」

「ふぅん。なんかって?」

「分かんない…幼馴染(おさななじみ)のカン?」


「…ばっかみたい」と小さく笑った。



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