幼馴染のカン
悠side
明日の朝、体育祭朝練があるらしい。(璃気情報)
まっ俺には関係ないけどな、騎馬戦がメインとか言ってたし。
俺リレーだし。
晩飯を食い終わって部屋でゆっくりしていると、リエは突然こんなことを言い出した。
「明日、アンタも朝練に来なさい」
「何で俺も朝練に行かないといけないんだよ!!」
「何でもいいでしょ」
「何でもって…俺全く関係ないし、後面倒くさいし…」
「朝練よ!体育祭負けたくないのよ!!」
「はいはい分かりました」
「じゃっあたし帰るね」
ベランダをまたいで帰っていった。
次の日の朝
「ゆうぅ~起きろー!!」
カーテンを開ける音と共に起床した。
「朝練行くよーはい制服」
制服は綺麗な弧を描いて俺の元へと届いた。
「何も投げなくても」
「着替えて」
睨みつけられた。
「…はい」
その後も「着替えたなら早く食べる!」とか言われた…。
「はーい」
俺、なんか…小学生みたい。
ひなたside
マンションの前
「遅いよ和也。迎えに行くって自分から行ったのに」
「はぁはぁはぁはぁ…ごめん」
「とにかく早く朝練行こっ」
駅へ向かった。
悠side
「ゆうぅ~行くよ~」
「今行くー!」
「全く…」
と言って呆れていた。まぁいつもと同じことなんだけど…
ひなたside
「「「「え…」」」」
駅のホームでばったり悠とリエに会った。
「何で悠達がこんな朝早くから…」
と私。
「朝練よ!」
「朝…練…?」
朝練なんの!?
えっリエ何かクラブ入ってたっけ…?
「リエが体育祭に向けての朝練するんだと」悠が説明をしてくれた。どうやら嫌々行かされているようだ。悠の表情を見ればすぐ分かる。
可哀想に…(笑)
『電車が参ります。白線の後ろ側にお下がり下さい。』
「うわぁ何か今日の電車混んでる…ねぇ和也、乗れるかな?」
「いや、乗れるかなじゃない。乗らないと主将にペナルティーとしてトレーニング2セット+される…絶対乗る!」
「うん」
「こっちだって絶対乗る!」
「別に乗らなくても…」
「何か言った?」
悪魔の微笑発動!
「いっいえ」
リエのあの微笑は誰も勝てないよね。だって今まで勝った人見たことないもん。
『扉が開きます。ご注意下さい』
「悠!行くわよ!」
「はーい←(棒読み)」
「ひなた。手、出して」
「うん」
和也の手を力強く握った。
「…和也!」
「分かってる!」
人が一気に出てきた。ナニコレ…
「行くよ!」
「はーい←(棒読み)」
私達は何とか電車に頑張って乗れた。
「何とか乗れたよ点これで私達、ペナルティーは逃れた…良かったー」
「でも今のでどっと疲れた…」
と手を離す。いつもだったらこんなに混んでないのに…何で今日はしかも車内は加齢臭や香水の臭いが混ざってヘンな臭いがする。
「…っ」
「ひなた大丈夫?」
「うん。何かヘンな臭いが…それに人が多いから…ちょっと…」
「我慢だな」
「うん」
今私達は車内の左端にいた。やっぱり息苦しい…
とある中年サラリーマンはウォークマンで音楽を聞いている。
だけど物凄く音漏れしていて、明らか回りの人の迷惑だ。
「…息苦しい」
「我慢」
「でも…」
「我慢」
「…うん」
『次は品川、品川です。』
車内にアナウンスが響いた。
「また乗ってくる…」
『間もなく品川、品川です。左側の扉が開きます。扉にご注意下さい』
「う…」
『品川、品川です。足元にご注意下さい』
ピロロンピロロン
という音とともに扉が開いた。
少し冷たい風が車内に入ってきて、ちょっとだけ息苦しさが和らいだ。
のはいいんだけど…
「乗る人多い…大丈夫なの?」
「…多分」
そして一斉に…
「きゃっ…」
強く誰かに押された。
「ひなた大丈夫?」
「うん。なんとか…」
一瞬怖かった。和也から離れて行くんじゃないかなと思った。
怖かった…
ぎゅっ
「大丈夫、離れないよ。俺はひなたから離れない。一人にしない。
だから迷子にもならない。大丈夫、大丈夫だから。」
手を優しく握ってくれた。
「どうして…分かったの…」
「ひなたには癖があるからすぐ分かるよ」
「癖?」
「うん」
「どんな?」
「ん~なんて言えばいいだろ…?ん~と…なんというか…」
「?」
「幼馴染のカン?」
「カン?」
「そう。カン、分かるんだよ何でなのか分かんないんだけど…」
「そっか…」
「うん」
「…ありがとう」
「えっ?」
「ありがとう」
「よく分からないけど…どういたしまして」
その頃
悠side
「あーもう!乗れなかった!」
「うるさいな。別にちょっとだけ練習時間が削れるだけだろ?」
「ちょっとぉ?ちょっとじゃないわよ!もっと時間を大切にしなさい!」
「はぁ」
『電車が参ります』
「リエ来たぞ。あっ空いてる」
「………行くわよ」
「へいへい」
だるい。ただその一言。
電車内
「やっと乗れたぁ…。ふぅ…リエ拗ねるな」
「拗ねてなんかないもん」
頬を膨らますリエ、俺は頭を撫でた。リエの機嫌を直すにはこれが一番いい。
「拗ねてる。」
「何でそんなにハッキリ言えるの?」
「なんか分かる。拗ねてるなぁって…」
「ふぅん。なんかって?」
「分かんない…幼馴染のカン?」
「…ばっかみたい」と小さく笑った。




