「失った『時』を取り戻す為に禁断の魔術に手を出す少女」
今回の話は少し痛々しい描写があるので、痛々しい描写が苦手な方はお気をつけください!
EPISODE OF 『エリア・ノクス』シリーズ後半一発目です!
彼女の覚悟のお話です!
どうぞ!
ここからの彼女の『記録』は壮絶な物語絵になります。
彼女の隠された『記録』をどうぞご覧ください。
「ホーホー。ホーホー。」
「さらさら」
「うっ、う〜ん、うっ?」
鳥の地鳴きと風に揺れる木々の葉の音で、エリアが目を覚ますと、そこは森の中。
「……えっ?……どこ?」
ことの状況に混乱し、彼女は動けずにいた。
まだ夢の中なのかと疑いたくもあるが、目の前の状況は現実であり、現実を理解した時の彼女のことを思うと心が痛い。
「……なんで森にいるの?」
「……カグヤ?……おじちゃん?……おばちゃん?」
彼女の声に返ってくるのは、鳥の地鳴きと風に揺れる葉の音だけだった。
混乱は変わらず解けずにいる彼女だが、この場所が何処なのかを知る為に森を歩き探索に足を運ぶのだった。
森の中を歩いていると、昨日、通ったであろう遊歩道に辿り着き、気づけば駆け足になっていた。
「……ハァハァ。……ハァハァ。」
遊歩道を抜けると目の前には、中央広場の時計台に活気溢れる街の人たち、『ブルームタウン』の街があった。
彼女は街を姿を見るや否や、石畳みを駆け抜けカグヤの家に向かったが、そこにはあるはずの家が跡形もなく消え去り。
噴水のある公園になっていた。
「えっ?なんで?……なんで、家がないの?」
訳が分からず、中央広場の方へ戻り八百屋を探すが、おじちゃんの姿が何処にもない。
エリアがキョロキョロ街を走り続けてると、「お嬢ちゃん、どうしたんだい?さっきから誰か探してるみたいだが?」と街の男性が話しかけてきた。
「あの、すいません。この街で八百屋をやってるお店は何処にありますか?」
「八百屋だったらあっちの方あるよ!」
「ありがとうございます!」
彼女は八百屋がある方へ向かったが、八百屋にいる店主らしき人は、彼女の知るおじちゃんではなかった。
「あの!すいません……。この街の八百屋さんってここだけですか?」
「いらっしゃい!!見ない顔だねお嬢ちゃん!『ブルームタウン』で八百屋といえばウチしかないな〜」
「分かりました。ありがとうございます……。」
この瞬間、彼女はこの街が彼女の知る街とは違うことを理解すると同時に、空虚感の波が容赦なく押し寄せてきたのだった。
それでも彼女は、少しでも今の状況を更に理解する為に、街の人たちに聞き取り調査を始めたのだった。
「あの!すみません!この街は『ブルームタウン』であってますか?」
「そうだよ!『ブルームタウン』だよ!」
「お嬢ちゃん見ない顔だね?何処から来てたんだい?」
彼女は昨日も同じことを聞かれたのを思い出した。
「魔女の楽園『Elia Garden』から来ました!」
だが、街の人たちの反応は昨日とは違ったものだった。
「魔女の楽園?初めて聞いたところだな〜?」
「私も初めて聞いたわ!」
「魔女って本当にいるの?」
「いるなら会ってみたいな」
魔女の楽園のことを知らない街の人たち。
魔女の存在自体も半信半疑のようだった。
余計に訳が分からなくなった彼女は、魔女の楽園に帰ることにするのだが、彼女を待ち受けてるのは、とても残酷な現実であった。
「うそ……どうして……魔女の楽園が『Elia Garden』が無いの?」
「どうしてなのよ……どうして……」
「私は何処にいるの?教えてよ……」
「誰か……教えてよ……」
これまでなんとか耐えてきた心のダムが、完全に欠壊し、目の前が真っ白になり、顔をくしゃくしゃにしながら、泣き叫ぶことしか出来なかった。
彼女の涙に反応するかのように、冷たい雨が彼女に降り注ぎ続けるのだった。
「…………。」
「………。」
「……。」
「…。」
「(……会いたい。……みんなに会いたい。)」
彼女が立ち尽くしていると、夜空の深い青と、きらめく星図をそのまま形にしたような、一枚の『羽』がひらひらと舞って、目の前へ落ちてきた。
真っ白になった視線の先に映し出された『羽』は、彼女にとって、この世界に残された希望の光だと錯覚させるほどのオーラを纏い、彼女は咄嗟に手を伸ばし、『羽』に触れると、「ーードクンッ」彼女の脳内に断片的だが、魔女の楽園が消えさる姿と時空が渦を巻いて歪む姿が残像のように流れ込んできた。
「えっ?」
「今の……なに?」
「楽園が消えてた?」
「それに歪んでるようにも見えた?」
「これが、世界がおかしくなった原因なの?」
手に触れた『羽』に再び触れるが、なにも起きることはない。
だが、彼女は脳裏に流れた残像が自分自身に残された唯一の希望の光だと、思わずにはいられなかった。
「まだ、希望は残ってる……。私の人生を賭けてでも取り戻す!!!」
今、この瞬間。
時を操り。時空の壁を超える。
禁断とされる魔法にたった15歳の少女が己の人生を捧げる覚悟を決めた瞬間であった。
「お母さん。楽園のみんな。カグヤ。おじちゃん。おばちゃん。街のみんなも、待ってて……。今、行くから!!」
15歳の彼女の指が、時空の壁を破りその先の終着点への鍵となる『羽』を限界まで力強く握る。
「お願い……時よ、戻って……。」
「(世界を書き換えるなら……最初のページへ)」
『ページ・ゼロ』
呪文を放つと、彼女の周りの至る所に時間を表す数字が無数に浮かび上がり、世界の理を乱す者への拒絶反応が、容赦なく肉体を襲った。
黒くヒビ割れたような痕が身体中に広がり、彼女の肉体を蝕む。
「っ、あぁぁぁぉぁぁーーーーーッッ!!!」
ひび割れは、徐々に空間にも「パキパキ」と音の立てながら広がり続け、彼女の肉体からは「バキバキ」「メリメリ」と骨と肉が砕け散るような凄まじい音が体内で鳴り響く。
時空を超えるということは、今ある世界の『彼女の存在』から肉体を無理矢理引き裂かれるということ。
灼熱と極寒が同時に押し寄せる激痛が彼女を苛む。
「(痛い、痛い、痛い……っ!体が、バラバラになっちゃうーー)」
あまりの苦痛に指先が震え、意識が引きちぎられそうになる。
だが、彼女は倒れなかった。
「……う、あ、あああぁぁぁっ! ……負け、ない……っ!!」
ひび割れは顔にまで到達し、美しかった彼女の肌がボロボロと砂のように崩れていく。
だが、黒いひび割れの隙間から溢れ出す光は黄金と輝きだし、彼女の『希望』と『意思』の表れであった。
ーーーーパキィンッ!!!
割れた時空の隙間から『時の渦』が吹き荒れ、彼女の身体を強引に引きずり込んでいく。
それは色のない超次元の世界だった。
肉体が引き裂かれるような痛みは、時空の向こうから溢れるエネルギーによって相殺され、奇妙な浮遊感へと変わっていく。
バラバラに砕け散る寸前だった彼女の存在は、世界の境界線を完全に踏み越えた。
無数の『時間の記憶』が流れ、次元の壁の破片が『星屑』のように弾け飛ぶ中、彼女の身体は光の矢となって、時空を何処までも真っ直ぐ貫いていった。
一際煌めく『軌跡』。
彼女は視界の端に映るその光へ向かって、強く、強く手を伸ばした。
次の瞬間、目の前が真っ白になり、瞼を閉じ再び瞼を開くとそこには、消え去っていた筈の魔女の楽園『Elia Garden』の姿がしっかりと彼女の瞳に映し出された。
時空の壁を超えることに成功したのである。
『WARNING 』『WARNING 』『WARNING』
『WARNING』『WARNING』『WARNING』
『イレギュラー発生』『イレギュラー発生』
『イレギュラー発生』『イレギュラー発生』
『イレギュラー』の存在が観測されました。
[次の記録へ]
彼女の覚悟が、時空の壁を超えることに繋がったと思います!
警告と『イレギュラー』
彼女は、この後どうなるのでしょうか。
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引き続き
物語絵[イレギュラー]〜浮遊都市ルミナリアの何でも屋『星屑の軌跡』〜
を宜しくお願いします!




