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物語絵[イレギュラー]〜浮遊都市ルミナリアの何でも屋『星屑の軌跡』〜  作者: 蒼猫
EPISODE OF 『エリア・ノクス』

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「第二の人生ともう一つの家族を手に入れた少女」

 




 では、引き続き彼女の記録をめくっていきましょう。

 彼女が『ブルームタウン』へやってきて第二の人生を始めるところからどうぞ。





「私、この街がすっごく気に入ったわ!」



 彼女は第二の人生をここ『ブルームタウン』から始めることにした。

 街の人たちも快くエリアがこの街で暮らすことを受け入れてくれたのだった。

 暮らすことになるなら、住む家を探さなくてはならない。

 だが、そんなことを心配する必要性はなさそうであった。



「お嬢ちゃんは家はどうするんだい?」

「野宿するわけにもいかないだろ?」

「そうよ!女の子一人は危ないわ!」



 そんな会話が飛び交う中、先ほどの少女が「ウチに来てよ!!お父さんとお母さんもきっと喜ぶよ!」とエリアに問いかけてきた。

 すると八百屋のおじちゃんが「ウチでいいならどうだい?母さんも娘が二人になって喜ぶと思うよ!」

 どうやら先ほどの少女は八百屋のおじちゃんの娘のようだ。

 住む家がない彼女にとって断る理由がなかった。



「えっ!いいの?是非!よろしくお願いします!」



「やったーー!よろしくね!あっ、まだ名前言ってなかったね。私の名前は『カグヤ』だよ!」



「私はエリア!よろしくねカグヤ♪おじちゃんもよろしくお願いします♪」



「よろしくなエリアちゃん!本当の家族だと思ってくれて構わないからな!」



 彼女は第二の人生と、もう一つの家族を同時に手に入れたのだった。

 おじちゃんとカグヤの後をついて歩くと、レンガで組み立てられた、三角屋根のお家があり、玄関ではランタンが灯っている。



「ここが私たちのお家だよ!」

「お母さん!ただいま〜!」

「おかえりなさい!あらっ?そこの可愛いお嬢さんはどなた?」



 少し緊張した顔つきで、魔女の楽園から旅立ってからのこれまでの経緯を話し、これから家族になることの許しを得たのだった。



「こんなに可愛い娘がもう一人増えるのなら大歓迎よ!!よろしくねエリアちゃん!」



 家のキッチンからはオーブンで何かを焼いてるのだろうか、美味しそうな香りが温かくて優しい家族と一緒に彼女を包んだ。

 外の世界へ出て初めて誰かと一緒に食卓を囲むエリアは、人の優しさに触れ更に『ブルームタウン』という街が好きになったのだった。



「二人ともお風呂に入ってきなさい!」

「「はーい!!」」



 湯船に浸かる二人。

「ふうー。気持ちいいね!」

「だね!」



「……エリアちゃんはさ、なんで外の世界に出たいと思ったの?私だったら魔法の世界から出たくないって思っちゃうかも!」



「うーん……。魔女の楽園は全てが魔女の魔法によって作られた世界なのね、水や火。花や作物もそう、それに会う人たちも変わらない。みんないい人たちだけど、知らない外の世界への好奇心が抑えられなかったのかも……。」



「どう?出てよかったと思う?」



「うん!この街とこの街の人たちに出会えたことは、『奇跡』なんだと思う!えへへ♪」



 お風呂での二人の時間は、ゆっくりとじんわり温まるのと同時に、エリアとカグヤの心の繋がりも優しく温めていた。

 お風呂から上がると、甘〜いココアの香りが脱衣所までほんのり漂っている。



「うちのお風呂はどうだった?気持ちよかったかい?」



「うん!最高だったよ、おばちゃん!えへへ♪」



「ホットココアあるけど飲むかい?」



「はい!飲みます!」

「やっぱりお風呂上がりはホットココアだよねエリア!」

「ホットミルクもあり!」

「あり!」

「えへへ♪」「あはは!」

 二人の笑い声が家中に響くのだった。



「エリアちゃん明日はどうするんだい?」



「なにか手伝うことあるかな?みんなの役に立ちたい!」



「じゃあ……、明日、畑で野菜と果物の収穫があるからお父さんの手伝いをするといい!カグヤも一緒にね!!」



 明日のやることを手に入れた彼女は、カグヤの部屋で寝床につく準備をする。

「いつも寝る時一人だったからエリアが来てくれて本当によかった!」

「私も友達と一緒に寝るの初めてよ!」







 ……………。「おやすみ。エリア。」

 ……………。「おやすみ。カグヤ。」





 ――――彼女は目を閉じる。

 今日、魔女の楽園『Elia Gardenエリアガーデン』から旅立ち、草原と森の遊歩道を抜け、抜けた先で『ブルームタウン』に辿り着き、そこで出会った人たちはとても温かくて、優しく、急にやって来た魔女をすんなり受け入れてくれた。

 そして第二の人生がここ『ブルームタウン』から始まり、新しい家族もできた。

 旅立ちの日としては、完璧な1日目だった。

 これから彼女は沢山の新しい経験や思い出を『記憶』していくのだろう……。




 






 だが、彼女の時の歯車は音もなく狂い。

 ――――『ブルームタウン』での月日は流れ、周期は『第一星期・始星』に移り変わっていた……。





 [次の記録へ]





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引き続き


物語絵[イレギュラー]〜浮遊都市ルミナリアの何でも屋『星屑の軌跡』〜

を宜しくお願いします!


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