↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
83/182

定期査定のお時間でぇぇぇぇす!!

「恋愛ギルド定期査定のお時間でぇぇぇぇす!!」


王都の大通り。


その声が響いた瞬間。


千乃たちは、全員同じ反応をした。


「……。」


「……。」


「……。」


沈黙。


真銀はゆっくり空を見上げる。


ララは耳をぺたんと伏せた。


ライは目を閉じる。


アイシィは小さく翼を畳んだ。


そして千乃。


「……あの。」


「ラブリーさん。」


「はい!」


元気よく返事。


金髪にピンクのメッシュ。


ハート型メガネ。


いつもの姿。


恋愛ギルド長、ラブリー・スミス。


「前回の査定って……。」


「確か。」


千乃は指を折る。


「えっと……。」


「八日前じゃなかったですか?」


「その通りです!」


ラブリーは笑顔で頷く。


「だから来ました!」


「なんで!?」


千乃のツッコミが響く。


「普通、数か月ごとじゃないんですか!?」


「普通ならそうです。」


ラブリーは胸を張る。


「ですが!」


「あなたたちは普通ではありません!」


「断言された……。」


真銀が呟く。


ラブリーはどこからともなく大量の書類を取り出した。


「前回査定から八日間。」


「世界修正体討伐後の精神状態。」


「神魔境界覚醒による関係変化。」


「突然の失踪事件。」


「三日間の捜索。」


「再会時の抱擁。」


「そして――」


一枚の紙を掲げる。


「本日のチンピラ撃退事件!」


千乃の顔が引きつる。


「そこまで記録してるんですか!?」


「もちろんです!」


「恋愛観測に不可能はありません!」


「それ恋愛関係あります!?」


ラブリーは真剣な顔で頷く。


「あります。」


「……。」


「心配する気持ち。」


「守りたいという想い。」


「再会した時の感情。」


「全て恋愛要素です。」


真銀が少し視線を逸らす。


「……。」


千乃も少し赤くなる。


「いや、その……。」


ララがぴょんと跳ねた。


「千乃、照れてる!」


「ララ!」


ライが静かに言う。


「事実だ。」


「ライまで!?」


アイシィは小さく笑った。


「仲が良いのは、良いことです。」


---


数分後。


臨時査定会場。


なぜか街の一角にテーブルが用意されていた。


そして。


千乃と真銀の前には。


恋愛ギルドカード。


ラブリーは眼鏡を直す。


「では。」


「第二回、特別観察対象No.001査定を開始します。」


真銀がため息をつく。


「本当にやるのか……。」


「もちろんです。」


ラブリーはカードを見る。


「まず。」


「好感度変化。」


ぺら。


「前回より上昇。」


「……。」


「信頼度。」


ぺら。


「限界突破。」


「……。」


「相性。」


ぺら。


「測定不能。」


「……。」


真銀が眉を寄せる。


「測定不能って前も言ってなかったか?」


「はい。」


ラブリーは頷く。


「ですが。」


「今回は理由が追加されました。」


「理由?」


ラブリーは新しい欄を見る。


そこには。


**世界を救った後も変わらない関係性**


と書かれていた。


「普通なら。」


「英雄になったり。」


「力を得たり。」


「立場が変わったり。」


「関係性にも変化が出ます。」


「しかし。」


ラブリーは千乃を見る。


「あなたたちは。」


「何も変わっていません。」


千乃は少し驚く。


「……。」


真銀も黙る。


「それが一番すごいことです。」


ラブリーは笑った。


「だから。」


「今回の査定結果。」


カードをめくる。


「発表します!」


千乃が少し身構える。


ララも興味津々。


ライも耳を動かす。


アイシィも覗き込む。


そして。


ラブリーが大声で叫んだ。


「特別観察対象No.001!」


「千羽千乃さん!」


「夜坂真銀さん!」


「進展率――」


間。


「前回より……」


「0.1%上昇!!」


「えっ!?」


千乃が驚く。


真銀も目を見開く。


「0.1だけ!?」


ラブリーは真剣な顔で頷いた。


「はい。」


「ですが。」


「重要な0.1%です。」


「なぜなら。」


「この二人の場合。」


「0.1%でも奇跡です。」


その場にいた全員が妙に納得してしまった。


そして。


ラブリーは最後に一枚の紙を取り出す。


「ちなみに。」


「今回の特別項目があります。」


「……嫌な予感がする。」


真銀が呟く。


紙には大きく書かれていた。


**神魔境界覚醒後も恋愛進展が遅い理由調査**


千乃は頭を抱えた。


「そこ調べるんですか!?」


王都の人々は笑う。


世界を救った少女。


世界を守った仲間たち。


そして。


彼女たちの日常は、今日も少しだけ騒がしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。