表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
83/94

定期査定のお時間でぇぇぇぇす!!

「恋愛ギルド定期査定のお時間でぇぇぇぇす!!」


王都の大通り。


その声が響いた瞬間。


千乃たちは、全員同じ反応をした。


「……。」


「……。」


「……。」


沈黙。


真銀はゆっくり空を見上げる。


ララは耳をぺたんと伏せた。


ライは目を閉じる。


アイシィは小さく翼を畳んだ。


そして千乃。


「……あの。」


「ラブリーさん。」


「はい!」


元気よく返事。


金髪にピンクのメッシュ。


ハート型メガネ。


いつもの姿。


恋愛ギルド長、ラブリー・スミス。


「前回の査定って……。」


「確か。」


千乃は指を折る。


「えっと……。」


「八日前じゃなかったですか?」


「その通りです!」


ラブリーは笑顔で頷く。


「だから来ました!」


「なんで!?」


千乃のツッコミが響く。


「普通、数か月ごとじゃないんですか!?」


「普通ならそうです。」


ラブリーは胸を張る。


「ですが!」


「あなたたちは普通ではありません!」


「断言された……。」


真銀が呟く。


ラブリーはどこからともなく大量の書類を取り出した。


「前回査定から八日間。」


「世界修正体討伐後の精神状態。」


「神魔境界覚醒による関係変化。」


「突然の失踪事件。」


「三日間の捜索。」


「再会時の抱擁。」


「そして――」


一枚の紙を掲げる。


「本日のチンピラ撃退事件!」


千乃の顔が引きつる。


「そこまで記録してるんですか!?」


「もちろんです!」


「恋愛観測に不可能はありません!」


「それ恋愛関係あります!?」


ラブリーは真剣な顔で頷く。


「あります。」


「……。」


「心配する気持ち。」


「守りたいという想い。」


「再会した時の感情。」


「全て恋愛要素です。」


真銀が少し視線を逸らす。


「……。」


千乃も少し赤くなる。


「いや、その……。」


ララがぴょんと跳ねた。


「千乃、照れてる!」


「ララ!」


ライが静かに言う。


「事実だ。」


「ライまで!?」


アイシィは小さく笑った。


「仲が良いのは、良いことです。」


---


数分後。


臨時査定会場。


なぜか街の一角にテーブルが用意されていた。


そして。


千乃と真銀の前には。


恋愛ギルドカード。


ラブリーは眼鏡を直す。


「では。」


「第二回、特別観察対象No.001査定を開始します。」


真銀がため息をつく。


「本当にやるのか……。」


「もちろんです。」


ラブリーはカードを見る。


「まず。」


「好感度変化。」


ぺら。


「前回より上昇。」


「……。」


「信頼度。」


ぺら。


「限界突破。」


「……。」


「相性。」


ぺら。


「測定不能。」


「……。」


真銀が眉を寄せる。


「測定不能って前も言ってなかったか?」


「はい。」


ラブリーは頷く。


「ですが。」


「今回は理由が追加されました。」


「理由?」


ラブリーは新しい欄を見る。


そこには。


**世界を救った後も変わらない関係性**


と書かれていた。


「普通なら。」


「英雄になったり。」


「力を得たり。」


「立場が変わったり。」


「関係性にも変化が出ます。」


「しかし。」


ラブリーは千乃を見る。


「あなたたちは。」


「何も変わっていません。」


千乃は少し驚く。


「……。」


真銀も黙る。


「それが一番すごいことです。」


ラブリーは笑った。


「だから。」


「今回の査定結果。」


カードをめくる。


「発表します!」


千乃が少し身構える。


ララも興味津々。


ライも耳を動かす。


アイシィも覗き込む。


そして。


ラブリーが大声で叫んだ。


「特別観察対象No.001!」


「千羽千乃さん!」


「夜坂真銀さん!」


「進展率――」


間。


「前回より……」


「0.1%上昇!!」


「えっ!?」


千乃が驚く。


真銀も目を見開く。


「0.1だけ!?」


ラブリーは真剣な顔で頷いた。


「はい。」


「ですが。」


「重要な0.1%です。」


「なぜなら。」


「この二人の場合。」


「0.1%でも奇跡です。」


その場にいた全員が妙に納得してしまった。


そして。


ラブリーは最後に一枚の紙を取り出す。


「ちなみに。」


「今回の特別項目があります。」


「……嫌な予感がする。」


真銀が呟く。


紙には大きく書かれていた。


**神魔境界覚醒後も恋愛進展が遅い理由調査**


千乃は頭を抱えた。


「そこ調べるんですか!?」


王都の人々は笑う。


世界を救った少女。


世界を守った仲間たち。


そして。


彼女たちの日常は、今日も少しだけ騒がしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ