箱の中の城
別の短編作品で「AIで作ってるんじゃないか」ってコメントに入っていました。
正直、自分の作品を否定されたようですごく悲しいです。
「わぁ……。」
ララが思わず声を漏らした。
目の前にそびえ立つ氷の城は、近くで見るとさらに大きい。
壁も柱も、すべて透き通るような氷でできている。
太陽はないはずなのに、城全体が淡い真紅と青白い光を反射し、幻想的な輝きを放っていた。
「きれい……。」
アイシィも思わず見上げる。
同じ氷ででてるのに、自分の住んでいた場所とはまったく違う。
冷たさよりも、どこか温かさを感じる不思議な城だった。
ライは周囲を見回しながら感心したように呟く。
「……広すぎる。」
視界の先には草原。
森。
湖。
小さな川まで流れている。
そして、その中心に建つ巨大な氷城。
とても「空間収納」と呼べる規模ではなかった。
真銀も城を見上げる。
「……収納っていうより、一つの世界じゃねぇか。」
千乃は少し照れくさそうに笑う。
「昔から、こういう場所があったらいいなって思って作ったの。」
「作った……?」
真銀が聞き返す。
「これを?」
「うん。」
あまりにもあっさりした返事だった。
ララは城へ向かって駆け出す。
「入ってみよー!」
「ララ。」
ライが呼び止める。
「まず安全確認だ。」
「あっ。」
ララはぴたりと止まった。
「忘れてた。」
「お前は毎回忘れる。」
ライは苦笑しながら前へ出る。
周囲に魔力を巡らせる。
しばらく無言で調べたあと、小さく頷いた。
「問題ない。」
「外部から侵入した形跡もない。」
アイシィも目を閉じる。
ドラゴン特有の感覚で空間全体を探る。
「……誰もいない。」
「静か。」
真銀はようやく肩の力を抜いた。
「なら、少し休むか。」
「うん。」
千乃もほっとしたように頷く。
とはいえ、まだ歩ける状態ではない。
真銀は迷わず車椅子へ千乃を座らせる。
「ほら。」
「ありがと。」
車椅子に座り直した千乃は、氷の城を見上げて少しだけ微笑んだ。
「ただいま。」
その一言に、真銀が首を傾げる。
「……ただいま?」
「ここね。」
千乃は城を見つめたまま続ける。
「一人で魔法の練習をするときとか、疲れたときとか、よく来てた場所なの。」
「だから、私にとっては帰る場所。」
真銀は少し驚いた表情を浮かべる。
「そんな大事な場所だったのか。」
「うん。」
ララは城の大きな扉の前でぴょんぴょん跳ねている。
「ねぇねぇ!早く入ろうよ!」
「中も絶対すごいよ!」
ライが笑う。
「子どもみたいだな。」
「えへへ。」
アイシィも扉を見上げる。
「……楽しみ。」
その様子を見た千乃は、小さく息を吸う。
「じゃあ。」
「みんな、ようこそ。」
「私の『星の箱』へ。」
その言葉とともに、巨大な氷の扉がゆっくりと音を立てて開き始めた。
ギギギ……。
冷たい空気ではなく、どこか心地よい風が城の中から流れ出す。
その先には、誰もまだ見たことのない景色が待っていた。
アドバイス等の温かいコメント、お待ちしています。




