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ご飯どうするの?!

 ギルドへ戻る途中。


 一行は街道脇で少し休憩を取っていた。


 ララは木陰でごろごろ。


 ライは静かに座って周囲を警戒している。


 アイシィは体を小さくして伏せていた。


 ドラゴンとは思えないほど大人しい。


---


「そういえば。」


 真銀がふと思い出した。


「この子たちのご飯ってどうするんだ?」


「確かに。」


 千乃も首をかしげる。


「ドラゴンってすごく食べそうだよね。」


 アイシィは小さく首を振った。


「そんなことない。」


「そうなの?」


「うん。」


「たまにお肉を食べられれば十分。」


「へぇ。」


---


 ララも元気よく手を挙げる。


「私も!」


「毎日食べなくても平気!」


「え?」


 千乃は驚く。


「お腹空かないの?」


「空くけど。」


 ララはにこっと笑った。


「千乃の魔力をもらえば元気になるよ!」


「……魔力?」


---


 ライが説明する。


「契約した従魔は。」


「契約主の魔力を少しずつ受け取れる。」


「それが生命力になる。」


「だから。」


「毎日大量の食事は必要ない。」


「肉は嗜好品みたいなものだ。」


「なるほど!」


 真銀も納得する。


---


「じゃあ。」


 千乃は右手を差し出した。


「こう?」


 真紅の魔力がふわりと溢れる。


 すると。


 ララは嬉しそうに飛び込んだ。


「わーい!」


 魔力がきらきらと粒になり、ララの体へ吸い込まれていく。


「おいしい!」


「魔力って味するの!?」


「するよ!」


「千乃のは甘い!」


「甘いんだ!?」


---


 ライも静かに近付く。


「少しだけもらう。」


 真紅の魔力がライの体を包む。


「……十分だ。」


 表情は変わらない。


 だが、尻尾だけがわずかに揺れていた。


 ララはそれを見逃さない。


「ライ、嬉しいんでしょ!」


「違う。」


「尻尾振ってるよ?」


「……。」


 ライは無言で尻尾を押さえた。


---


 最後はアイシィ。


 巨大な頭を千乃へ近付ける。


「私も。」


「いいよ。」


 千乃は優しく額へ手を当てた。


 真紅の魔力がゆっくり流れ込む。


 アイシィは気持ちよさそうに目を細めた。


「落ち着く。」


「ありがとう。」


---


 真銀はその様子を見て笑う。


「餌というより充電みたいだな。」


「充電?」


 ララは首をかしげる。


「そんな感じ。」


「主の魔力があると安心する。」


 ライも静かに頷いた。


「戦いで消耗した魔力も回復しやすい。」


---


「じゃあ。」


 千乃は安心したように笑う。


「毎日いっぱいお肉を用意しなくてもいいんだ。」


「うん!」


 ララが元気よく答える。


「でも!」


「お肉は大好き!」


「そこは変わらないんだ。」


 真銀が苦笑する。


「焼いたお肉!」


「煮たお肉!」


「串焼き!」


「全部好き!」


 ララは目を輝かせる。


 アイシィもこくりと頷いた。


「私も。」


「焼いたお肉。」


「好き。」


 ライも小さく口を開く。


「……塩を少し振ると、さらにうまい。」


「ライまで!」


 千乃は思わず笑い出した。


「結局みんな、お肉好きなんだね。」


 三匹はぴったり息を合わせて頷く。


「「「好き。」」」


 その返事に、千乃と真銀は顔を見合わせて笑った。


 どうやらこれからの旅では、時々豪華なお肉料理の日が、従魔たちにとって一番の楽しみになりそうだった。

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