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ええええええええええええ?!だれ!?

 皆さん、こんにちはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


 ラブリー・スミスです!!


 誰ですか!?今「名前が濃すぎる」といったのは!!今更ですし、文句は作者に言ってください!


 皆さん大好きな恋愛ギルド長ですよ!!


 はい、拍手!! 盛大な拍手をお願いします!! ……えっ、誰もいない? 観客ゼロ!? ちょっと待ってください、私の人生の重要な転換点ですよ!? ここはせめて効果音くらい鳴ってもよくないですか!? パァァァン!! とか、キラキラキラキラァァァ!! とか!! こう、人生の新章が始まる感じの演出がほしいんですよ!! せめてリアクションください!! コメントでもいいです!! お願いします!!


 ……こほん、失礼しました。


 ついテンションが上がってしまいましたね!


 でも仕方ないんです!! なにしろ今回お話しするのは、私がどうしてこの世界にいるのか、どうして恋愛ギルドのギルド長なんていう立場になったのか、そしてなぜ私が記録というものにここまで執着しているのか、その全ての始まりなのですから!!


 まずは自己紹介からいきましょう!!


 私の名前は、ラブリー・スミス!!


 恋愛ギルドのギルド長にして、尊い人間関係を観測し、素晴らしい出来事を記録し、後世に伝えることを生きがいとする女です!!


 ……え? 生まれたときからそんな人間だったのかって?


 いいえ!!


 断じて違います!!


 少なくとも、前世の私は、今ほど四六時中テンションが振り切れていたわけではありませんでした!! たぶん!! おそらく!! 記憶を美化している可能性はありますが!!


 では、私の前世についてお話ししましょう。


 私が生まれ育ったのは、日本です。


 電車が走り、コンビニがあり、スマートフォンがあり、季節限定のお菓子が発売されるたびに「今買わなければ次はないかもしれない!!」と謎の使命感に駆られる、あの日本です!!


 ええ、私も普通に暮らしていました。


 仕事をして、友達と話して、休日には好きなことをして、たまには美味しいものを食べて。特別な能力があったわけでも、世界を救う使命を背負っていたわけでもありません。


 ごく普通の人間でした。


 ……そのはずだったんです。


 人生というものは、予定表に書いていない出来事ほど、容赦なく飛び込んでくるものなのですね!!


 私の人生を大きく変えたのは、ある友達の結婚でした。


 その友達とは、以前から仲がよかったんです。何でも話せる相手で、嬉しいことがあれば一緒に喜び、困ったことがあれば相談に乗る。そういう関係でした。


 ある日、その友達から結婚することになったと報告を受けました。


 私はもちろん大喜び!!


 「おめでとうございますぅぅぅぅ!! 末永く幸せになってくださいねぇぇぇぇ!!」と、心の中で盛大な花火を打ち上げました!!


 いや、実際に叫んだかどうかはさておき、気持ちとしてはそれくらいの勢いでした!!


 友達が幸せになる。


 それは、とても嬉しいことです。


 しかも結婚式となれば、人生の大イベント!! 招待状、衣装、会場、当日の段取り、出席者への連絡、細かな準備……やることは山ほどあります。


 そこで私は、友達のお手伝いをすることにしたんです。


 もちろん、喜んで!!


 招待状の確認を手伝い、式場の準備について相談に乗り、必要なものを一緒に確認して、当日の流れも何度も打ち合わせしました。


 大変でしたよ!!


 ええ、そりゃもう!!


 予定を確認して、忘れ物がないかチェックして、変更があれば連絡して、また確認して……確認の確認をして、確認したことをもう一度確認する!!


 結婚式の準備というものは、幸せなイベントであると同時に、細かな作業の集合体でもあるのです!!


 ですが、友達が幸せそうにしている姿を見ると、疲れなんて吹き飛びました。


 よかったなぁ。


 本当によかったなぁ。


 この人が幸せになれるなら、手伝ってよかったなぁ。


 私は心からそう思っていました。


 ……ところが。


 ここで、私の人生にとんでもない問題が発生します。


 友達の結婚相手には、元カノがいたのです。


 いや、待ってください。


 元カノがいること自体は、別に問題ではありません!!


 誰にだって過去はあります!! 恋愛だってそうです!! 過去に付き合っていた人がいることと、今の相手を大切にすることは、何も矛盾しません!!


 問題は、その元カノが、友達の結婚を受け入れられなかったことでした。


 そして、その怒りがなぜか私にも向けられたのです。


 ……え?


 私ですか?


 私、ですか!?


 いやいやいやいや!! ちょっと待ってください!!


 私は新郎の元カノではありません!! 新郎と恋愛関係にあったこともありません!! 友達の結婚を邪魔したわけでも、元カノさんと新郎の仲を引き裂いたわけでもありません!!


 ただの友人です!!


 結婚式のお手伝い係です!!


 招待状を確認していた人間です!!


 なぜ私が敵認定されているんですかぁぁぁぁぁ!!


 ……と、今なら声を大にして言えます。


 当時も、当然ながら困惑しました。


 元カノは、私が結婚の準備を手伝っていることを快く思っていなかったようでした。友達の幸せを支えているだけなのに、それすら許せなかったのでしょう。


 私は何度も、誤解を解こうとしました。


 私は友達を祝福しているだけだということ。二人の関係に割り込むつもりなどないこと。誰かの恋愛を奪おうとしたこともないこと。


 けれど、相手の怒りは収まりませんでした。


 私の言葉が届かなかったのか、それとも、最初から聞くつもりがなかったのか。


 今となっては、もう分かりません。


 そして、ある日。


 その元カノに恨まれた私は、命を落としました。


 ……はい。


 ここは、笑い話にするつもりはありません。


 誰かを恨む気持ちがどれほど強くなっても、それを理由に他人の人生を奪っていいわけがありません。私は友達を祝福したかっただけでした。それなのに、その気持ちを最後まで理解してもらえなかったことは、今でも悲しいと思います。


 もっとも。


 悲しいからといって、私は友達の結婚を手伝ったことを後悔してはいません。


 あのとき、友達が幸せになることを願った気持ちは本物でした。


 誰かの幸せを願ったことまで、間違いだったことにしたくはありませんから。


 ……さて!!


 ここまで聞くと、しんみりした空気になってしまいますね!!


 しかし、私の人生はここで終わりませんでした!!


 というより、ここからが本当の意味での大問題だったのです!!


 だって!!


 死んだはずの私が!!


 次に目を開けたとき!!


 知らない世界にいたんですからぁぁっっっっっっっ!!


 しかもですよ!!


 しかも!!


 私の姿が、とんでもないことになっていたんです!!


 まず、目を開けました。


 ……知らない天井。


 見覚えのない部屋。


 見慣れない家具。


 そして、窓の外には、どう見ても日本ではない景色が広がっていました。


 「…………え?」


 最初に出た言葉は、それでした。


 そりゃそうでしょう!!


 さっきまで日本にいた人間が、目を覚ましたら見知らぬ場所にいるんですよ!?


 夢かと思いました!!


 頬をつねりました!!


 痛かったです!!


 夢じゃありませんでした!!


 「……いやいやいやいや、待ってください。ここ、どこですか?」


 当然、返事はありません。


 私はベッドから起き上がり、自分の手を見ました。


 ……手がある。


 よし。


 足もある。


 よし。


 体も動く。


 よし。


 ひとまず、身体はちゃんとあるようです。


 では、鏡を探しましょう!!


 自分の顔を確認すれば、何か分かるかもしれません!!


 そう思って部屋を見回し、壁際にあった鏡へ向かいました。


 そして。


 鏡に映った自分の姿を見た瞬間。


 私は固まりました。


 …………。


 ………………。


 ……………………。


 「誰ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」


 いや、誰ですか!?


 鏡に映っていたのは、蛍光ピンクのツインテール!!


 しかも、髪の色が普通のピンクではありません!!


 目に飛び込んできた瞬間、脳内で警報が鳴り響くほど鮮やかな蛍光ピンク!!


 さらに!!


 顔には!!


 ハート型のサングラス!!


 …………。


 ………………。


 ………………いや、待って。


 何で!?


 何でハート型!?


 何で蛍光ピンクのツインテール!?


 私、前世でこんな格好していました!?


 していませんよね!?


 少なくとも、目を覚ましたら蛍光ピンクのツインテールにハートのサングラスを掛けているような人生は送っていませんでしたよ!!


 鏡に顔を近づけました。


 ハートのサングラスも、ちゃんとついてきます。


 顔を右へ動かしました。


 サングラスも右へ動きます。


 左へ動かしました。


 左です。


 つまり、幻覚ではありません!!


 「…………うそでしょ」


 私はそっとサングラスを外しました。


 鏡の中の人物も、同じ動きをします。


 そこにいたのは、見覚えのない顔でした。


 前世の自分とは違う顔。


 髪も違う。


 服も違う。


 そして、何より。


 この世界には、私の知らない何かがある。


 そのことを、私は直感的に理解しました。


 「……もしかして、これって……」


 異世界転生。


 その言葉が、頭に浮かびました。


 いや、浮かぶでしょう!!


 知らない世界で目覚めて、身体が変わっていて、鏡の中の自分が別人になっている!!


 これで異世界転生を疑わない人がいたら、逆に教えてください!!


 「えっ、待って待って待って!! 私、転生したんですか!? 本当に!? えっ、じゃあ、ここは異世界!? 異世界ってことは、魔法があるんですか!? 魔物は!? 冒険者ギルドは!? ステータス画面は!? スキルは!? レベルは!? えっ、ちょっと待って、確認したいことが多すぎるんですけどぉぉぉぉぉ!!」


 私は部屋の中を見回しました。


 ステータス画面は出ません。


 スキル一覧もありません。


 頭の中に神様からの説明書が流れ込んでくることもありません。


 …………。


 「説明なし!? チュートリアルなし!? 運営さぁぁぁぁぁん!! 初心者に優しくしてくださいよぉぉぉぉぉ!!」


 もちろん、運営はいません。


 たぶん。


 いえ、もしかしたらいるのかもしれませんが、少なくともこの部屋にはいませんでした。


 私は深呼吸をしました。


 落ち着きましょう。


 まずは状況確認です。


 第一に、私は生きています。


 第二に、ここは前世の日本ではありません。


 第三に、私の見た目は蛍光ピンクのツインテールにハートのサングラスです。


 第四に、説明がありません。


 …………。


 「第三だけ情報のクセが強すぎませんか!?」


 いや、本当に!!


 もっとこう、普通の姿から始まることはできなかったのでしょうか!!


 せめて黒髪とか、茶髪とか!!


 なぜ蛍光ピンク!?


 なぜツインテール!?


 なぜハートのサングラス!?


 誰がこのキャラクターデザインを考えたんですかぁぁぁぁぁ!!


 ……はい。


 このときの私は、まだ知りませんでした。


 この姿が、後に私の代名詞になることを。


 そして、この世界で出会う人々から、私が「そういう人」として認識されることを。


 人生とは、本当に分からないものですね!!


 さて。


 ここまでが、私の転生直後のお話です。


 前世では友達の幸せを願い、その準備を手伝っていた私。


 その結果、理不尽にも命を落とし、気がつけば知らない世界で、蛍光ピンクのツインテールとハートのサングラスを装備した謎の人物になっていたわけです。


 ……え?


 なぜそんな姿になったのか?


 それは私も知りたいです!!


 神様に会えたら真っ先に聞きます!!


 「この髪色は何ですか!?」って!!


 ただ、一つだけ確かなことがあります。


 私は、前世での人生を失いました。


 けれど、そこで終わりではありませんでした。


 新しい身体。


 新しい世界。


 新しい出会い。


 そして、まだ何も知らない未来。


 怖くなかったと言えば、嘘になります。


 前世の友達のことも、家族のことも、もう会えない人たちのことも、忘れたわけではありません。


 それでも、私は生きていました。


 ならば、この世界で生きていくしかありません。


 どうせなら、自分にできることを探してみよう。


 誰かと出会って、誰かを助けて、誰かの幸せを応援できる人間になろう。


 前世で大切にしていた気持ちを、今度こそ失わずにいよう。


 そう思いました。


 ……その決意を固めた直後、私は鏡をもう一度見ました。


 蛍光ピンクのツインテール。


 ハートのサングラス。


 …………。


 「いや、やっぱり見た目の主張が強すぎるんですよぉぉぉぉぉ!!」


 決意、三秒で吹き飛びかけました。


 こうして私は、異世界での人生を始めることになったのです!!


 恋愛ギルドのギルド長になることも、千乃さんたちと出会うことも、歴史的な戦いを記録することも、この時点では知りませんでした。


 もちろん、自分の詠唱を大声で叫ぶ人々に感動して、記録用紙を抱きしめながら「尊いですねッ!!」と絶叫する未来も知りませんでした。


 ……ええ。


 人生は、何が起きるか分からないものです。


 前世の私は、友達の結婚式を手伝っていました。


 そして今の私は、異世界で人々の縁を見守り、恋愛相談を受け、尊い瞬間を記録しています。


 場所も姿も変わりました。


 けれど、誰かの幸せを願いたいという気持ちは、変わっていません。


 それが、私の転生の始まり。


 ラブリー・スミスという人間の、最初の一ページなのです!!


 ……ただし!!


 この一ページの挿絵には、絶対に蛍光ピンクのツインテールとハートのサングラスを描いてくださいね!!


 そこだけは譲れません!!


 だって、これが私の異世界人生の始まりなんですからぁぁぁぁぁぁぁ!!

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