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常闇の箱庭大戦(ディストピア・ゲーム)3

最近更新してなくて本当にすみません。

私情により、投稿を一時お休みさせていただいております。

本当にごめんなさい。

ストックは山ほどあるので、また更新できるようになったら爆速で投稿するので待っててください!

また、展開としては同じだけど、言動が少し変わったお話もあるので探してみてください!

例:1話 2話

ではまた244話でお会いしましょう!

 そのとき。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


 白い世界の向こうから、やたらとうるさい声が響いた。


「戦争だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「…………」


 千乃が振り返る。


 真銀も振り返る。


 ララ、ライ、アイシィ、カミルまで、一斉にそちらを見る。


 そして。


 白い世界の彼方から。


 てってけてってけ。


 妙に元気よく走ってくる少年が一人。


 頭には、テントウムシを模した帽子。


 背中には、小さなリュック。


 そして何より。


 目が。


 ものすごく輝いていた。


「戦争だぁぁぁぁぁ!! 戦争してるぅぅぅぅぅ!!」


 少年は嬉しそうに叫ぶ。


「最高だぁぁぁぁぁ!!」


「…………」


 千乃が目を細める。


「誰?」


 少年は胸を張った。


「俺か!?」


「うん」


「俺は!」


 びしっ、と自分を指差す。


「ガーデス・テントウ!!」


「……テントウ?」


「そう!! ガーデス・テントウ!!」


 テントウムシ帽子が、ぴょこんと揺れる。


「戦争が大好きな男だぁぁぁぁぁ!!」


「うるさいね」


「褒め言葉か!?」


「違うよ」


「そうか!!」


 全然気にしていない。


 むしろ嬉しそうだった。


 ガーデスは白い戦場を見渡す。


 倒れた兵士。


 飛び交う魔法。


 戦い続ける千乃たち。


 そして。


 追いかけっこをしているエリシアとメルト。


「うおおおおおおおおお!!」


 ガーデスの目がさらに輝いた。


「最高じゃねぇか!!」


「何が!?」


 エリシアが叫ぶ。


「こっちはそれどころじゃないんですよぉぉぉ!!」


 ててててててててててて。


「来ないでぇぇぇぇぇ!!」


「なんだあれ!?」


 ガーデスがメルトを指差す。


「スライムが人を追いかけてるぞ!?」


「ぷる」


「すげぇ!!」


「ぷるぷる」


「戦争最高!!」


「どこが!?」


 エリシアの叫びが白い世界に響き渡る。


 そんな中。


 ガーデスの背後から、別の男が歩いてきた。


「……相変わらず騒がしいな、ガーデス」


 落ち着いた声。


 ガーデスとは正反対に、妙に余裕のある男だった。


「クローバー!」


 ガーデスが振り返る。


「お前も来たのか!」


「当然だろう」


 クローバー・チーフ。


 彼は自信満々に周囲を見回した。


「俺が欲しいものは、俺の手に入る」


「すごい自信だね」


 千乃が言う。


「当然だ」


 クローバーは即答した。


「俺だからな」


「…………」


 真銀が無言で千乃を見る。


 千乃も無言で真銀を見る。


 二人とも、同じことを考えていた。


 面倒そうなのが増えた。


「で?」


 千乃が尋ねる。


「何しに来たの?」


「欲しいものを取りに来た」


「何を?」


 クローバーは笑った。


「それは、これから決める」


 その瞬間。


 クローバーの手元に、黒い魔力が集まった。


「俺の能力は、奪って手に入れる《プランダー》」


 指先に魔力が絡みつく。


「対象に触れれば、その相手が持つものを奪える」


「能力を?」


「それもできる」


「へぇ」


「そして、もう一つ」


 クローバーが笑う。


「相手の恋心を、俺へ向けさせることもできる」


「…………」


 千乃の表情が、すっと変わった。


「それは」


 紅い瞳がクローバーを捉える。


「人の気持ちを勝手に変えるってこと?」


「そういうことだ」


「じゃあ」


 千乃が一歩前へ出る。


「私たちには触らないほうがいいよ」


 クローバーが眉を上げる。


「なぜだ?」


「ろくなことにならないから」


「面白い」


 クローバーは笑った。


「なら、試してみよう」


 その瞬間。


 クローバーが千乃へ向かって駆け出した。


 しかし。


「……遅い」


 千乃が一瞬で消える。


「なっ!?」


 次の瞬間。


 クローバーの目の前に千乃がいた。


「触る前に」


 千乃が指を立てる。


「戦闘不能にすればいいんだよね?」


「……!」


 クローバーが後退する。


 だが。


「うおおおおおおおお!!」


 横からガーデスが突っ込んできた。


「俺も混ぜろぉぉぉぉぉ!!」


 ドォンッ!!


 千乃が横へ跳ぶ。


「危なっ!」


 ガーデスは着地すると、リュックを下ろした。


「よーし!」


 リュックの中から、黒い何かが溢れ出す。


 どろり。


「…………」


 千乃の目が細くなる。


「ダークマター?」


「そうだ!!」


 ガーデスが嬉しそうに叫ぶ。


「俺はこいつを完全に制御できる!!」


 黒い物質が、ガーデスの周囲を渦巻く。


「そして俺には、もう一つの力がある!」


 ガーデスの瞳が怪しく光った。


「洗脳だぁぁぁぁぁ!!」


「…………」


 真銀が前へ出る。


「厄介だな」


「そうだろう!?」


 ガーデスは得意げに胸を張る。


「ただし!」


 指を一本立てる。


「俺より強いやつは操れない!」


「なるほど」


 千乃が笑う。


「じゃあ」


 紅い瞳が輝いた。


「私を操れるか、試してみる?」


「おう!!」


 ガーデスが叫ぶ。


「やってやる!!」


 ガーデスの目が光る。


 洗脳の力が千乃へ向かって放たれた。


 しかし。


 千乃は。


 動かない。


「…………」


「…………」


「…………」


 何も起こらない。


 ガーデスが固まった。


「…………あれ?」


 千乃が首を傾げる。


「終わり?」


「いや!」


 ガーデスが叫ぶ。


「今のは準備運動だ!!」


「負け惜しみ?」


「違う!!」


 ガーデスが再び叫ぶ。


「もう一回だぁぁぁぁぁ!!」


 白い世界に、また新たな混沌が生まれた。


 千乃たちと四人の敵。


 そこへ乱入したガーデス・テントウ。


 さらにクローバー・チーフ。


 そして。


 そのすぐ横では。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 エリシアが逃げる。


 ててててててててててて。


「来ないでぇぇぇぇぇぇ!!」


 メルトが追う。


 ててててててててててて。


「…………」


 クローバーがそちらを見る。


「何をしているんだ?」


「鬼ごっこだよ」


 千乃が答える。


「そうか」


 クローバーは納得した。


「平和だな」


「どこが!?」


 エリシアの絶叫が響き渡った。


 ガーデスは笑う。


 クローバーも笑う。


 千乃も笑う。


 真銀はため息をつく。


 そして白い世界はまた一段と、騒がしくなった。

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