新しい出会い
そして。
数日後。
朝。
星氷神城。
「……」
千乃は。
ベッドの上で。
ぼんやりと。
目を開けた。
「……ん」
隣では。
真銀が。
まだ眠っている。
「……」
千乃は。
ゆっくり。
お腹へ。
手を当てる。
「……」
とん。
「……?」
もう一度。
とん。
「……」
いつもの動き。
けれど。
「……なんか」
千乃が。
少しだけ。
眉をひそめる。
「……いつもと違う」
そのとき。
きゅっ。
「……!」
千乃が。
息を止めた。
「……真銀」
「……ん」
「真銀」
「……?」
真銀が。
眠そうに。
目を開ける。
「どうした?」
「……ちょっと」
「うん」
「……来たかも」
「……」
真銀。
数秒。
固まる。
「……え?」
「たぶん」
「……」
「出産」
「……!」
真銀。
一瞬で。
目が覚めた。
「医者を呼ぶ!」
「うん!」
真銀が。
部屋を飛び出す。
「先生!!」
「真銀!?」
「千乃が!」
「え!?」
「生まれるかもしれない!!」
廊下。
「「「ええっ!?」」」
ララ。
「赤ちゃん!?」
ライ。
「ついにか」
アイシィ。
「準備を!」
カミル。
「……」
静かに。
「来たか」
クオン。
「お姉ちゃん……!」
全員が。
一斉に。
動き始めた。
しばらくして。
千乃の部屋には。
医師。
ラブリー。
そして。
必要な準備を整えたスタッフが。
集まっていた。
「千乃さん」
医師が。
落ち着いた声で。
「もう少しです」
「……うん」
千乃は。
ベッドの上で。
ゆっくり。
息を整える。
「レオン……」
「シオン……」
お腹へ。
手を当てる。
「もうすぐ」
「会えるね」
「……」
とん。
とん。
小さな動き。
「……」
千乃が。
少しだけ。
笑った。
「返事した」
真銀が。
その隣で。
「……ああ」
手を握る。
「もうすぐだ」
医師が。
「では」
「始めましょう」
部屋の空気が。
静かに変わった。
そして。
時間が。
ゆっくりと。
流れていく。
「……千乃」
「……」
「大丈夫か?」
「うん」
真銀。
何度も。
千乃の手を握る。
「俺がいる」
「……うん」
「ずっといる」
「……分かってる」
その頃。
部屋の外。
ララ。
「……」
そわそわ。
「……」
ライ。
「落ち着け」
「無理!」
「……」
「だって!」
「赤ちゃんだよ!?」
「分かってる」
アイシィも。
「大丈夫でしょうか……」
「医師がいる」
ライ。
「心配する必要はない」
「でも……」
カミル。
静かに。
「二人とも」
「元気に生まれるだろう」
「……」
クオン。
小さな手を。
ぎゅっと。
握る。
「……」
「僕」
「お兄ちゃんになるんだ」
ララ。
「私もお姉ちゃん!」
ライ。
「お前は従魔だろ」
「お姉ちゃん!」
「……」
「……まあ」
「好きにしろ」
「やった!」
そして。
しばらくして。
部屋の中から。
「……!」
小さな。
泣き声が。
響いた。
「……!」
真銀。
息を呑む。
「……生まれた?」
医師。
「はい」
「まず」
「一人目です」
真銀。
「……!」
千乃。
「……レオン?」
医師。
微笑む。
「男の子です」
「……!」
真銀。
「レオン……」
千乃。
目を閉じる。
「……こんにちは」
そして。
もう一度。
小さな泣き声。
今度は。
少し。
高い声。
「……」
千乃。
「……もう一人」
医師。
「はい」
「続いて」
「女の子です」
「……シオン」
千乃が。
小さく。
名前を呼ぶ。
「こんにちは」
真銀。
「……」
目が。
潤む。
「……」
千乃。
「真銀」
「……」
「泣く?」
「……」
ぽろ。
「泣いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「……無理だ」
「また!?」
真銀。
涙を拭いながら。
「だって」
「……」
「レオンと」
「シオンが」
「本当に」
「生まれた……」
「……」
千乃。
小さく。
笑う。
「……うん」
「私たち」
「お父さんと」
「お母さんに」
「なったね」
真銀。
「……ああ」
そして。
医師が。
「おめでとうございます」
その言葉。
二人の間に。
静かに。
響いた。
部屋の外。
「……」
ララ。
「……」
ライ。
「……」
アイシィ。
「……」
カミル。
「……」
クオン。
「……」
誰も。
しばらく。
言葉が出なかった。
そのとき。
部屋の扉が。
開いた。
「おめでとうございます」
医師が。
笑う。
「二人とも」
「無事です」
「……!」
クオン。
「……!」
「お姉ちゃんは!?」
「千乃さんも」
「大丈夫です」
「……!」
クオン。
ほっと。
息を吐いた。
「……よかった」
ララ。
「赤ちゃん!」
「見られる!?」
「少しだけですよ」
「やったぁ!」
ララが。
飛び跳ねる。
「ライ!」
「何だ」
「お姉ちゃん!」
「……誰が」
「赤ちゃんのお姉ちゃん!」
「……」
「……まあ」
「そういうことにしておこう」
「やった!」
そして。
クオン。
小さな声で。
「……僕も」
「お兄ちゃん」
アイシィ。
優しく。
「はい」
「立派なお兄ちゃんですね」
「……」
クオンは。
少しだけ。
笑った。
部屋の中。
千乃。
腕の中に。
小さな二人。
一人は。
レオン。
もう一人は。
シオン。
「……」
千乃。
ゆっくり。
二人を見る。
「……かわいい」
真銀。
「……ああ」
「……」
「俺たちの子だ」
「……うん」
千乃。
小さく。
笑う。
「レオン」
「シオン」
「これから」
「よろしくね」
真銀も。
「父さんだ」
「……」
「母さんと」
「みんなと」
「一緒に」
「幸せに暮らそう」
小さな二人。
すやすや。
静かに。
眠っている。
千乃。
その二人を見ながら。
「……」
少しだけ。
目を細める。
「……本当に」
「家族が」
「増えたね」
真銀。
「……ああ」
そして。
扉の向こうから。
「千乃ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「!?」
カイルの声。
「おめでとうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「なんでお前が泣いてるの!?」
「感動したんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「まだ見てないでしょ!?」
「声だけで分かるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「分かるかっ!?」
その横。
ララ。
「カイルうるさい!」
「ごめん!」
ぽろ。
「また泣いた!」
「だってぇぇぇぇぇぇ!!」
千乃。
「……」
真銀。
「……」
二人は。
顔を見合わせる。
そして。
同時に。
「……いつも通りだな」
「……うん」
星氷神城。
この日。
新しい家族。
レオンとシオンを迎えた。
そして。
千乃と真銀は。
本当の意味で。
お父さんとお母さんになった。
それから。
数日が経った。
星氷神城。
千乃の部屋。
「……」
ベッドの上。
千乃は。
二人の赤ちゃんを。
静かに見ていた。
一人は。
メタルパープルの髪。
右目が金色。
左目が空色。
男の子。
レオン。
そして。
もう一人は。
同じく。
メタルパープルの髪。
右目が空色。
左目がピンク。
女の子。
シオン。
「……」
千乃。
「かわいい……」
真銀も。
隣から。
二人を見る。
「……ああ」
「髪の色」
「俺たちとも違うな」
「うん」
そのとき。
レオンの小さな手が。
ふわっ。
紫色に。
光った。
「……?」
千乃。
「え?」
真銀。
「……魔力?」
レオンの周囲に。
小さな紫の光が。
ぽわぽわ。
浮かぶ。
「……」
そして。
シオンも。
ぴかっ。
「……!」
こちらも。
紫色。
「二人とも」
「紫だ」
真銀が。
目を丸くする。
千乃。
「……綺麗」
紫の光は。
深く。
穏やかに。
二人の周囲を漂っている。
そして。
レオン。
小さな手を。
ぱっ。
と開く。
ぽんっ。
小さな紫の光が。
一つ。
浮かんだ。
「……」
千乃。
「今」
「魔法使った?」
真銀。
「まだ赤ん坊だぞ」
「そうだけど」
シオンも。
小さな手を。
ぱたぱた。
すると。
こちらにも。
紫色の光。
「……」
千乃。
「二人とも魔力高いね」
その瞬間。
紫の光が。
二人の間で。
ふわっ。
重なった。
小さな。
紫の光球になる。
「……」
真銀。
「息ぴったりだな」
「双子だからかな」
千乃が。
笑う。
「でも」
千乃が。
二人へ。
手を伸ばす。
「この子たち」
「……」
レオンが。
千乃の指を。
ぎゅっ。
と握った。
シオンも。
千乃の服を。
小さな手で。
きゅっ。
と掴む。
「……」
真銀。
「……完全に」
「お母さんっ子だな」
「……」
千乃。
「え?」
レオン。
千乃の指を。
離さない。
シオンも。
千乃から。
離れようとしない。
「……」
千乃。
「お父さんは?」
真銀。
「……」
二人。
「……」
無言。
千乃。
「お父さんだよ?」
「……」
レオン。
ちらっ。
真銀を見る。
シオンも。
ちらっ。
真銀を見る。
「……」
真銀。
「……」
二人。
再び。
千乃を見る。
「……」
真銀。
「……」
「俺」
「負けた?」
「ふふ」
千乃。
「まだ生まれたばっかりだよ?」
「でも」
「明確に」
「千乃を選んだぞ」
「選んだって言い方やめてよ」
すると。
レオンが。
「……」
小さな声を。
出した。
「……ま」
千乃。
「……?」
「今」
真銀。
「喋った?」
「……」
レオン。
「……ま」
「……」
千乃。
目を丸くする。
「お母さん?」
レオン。
「……」
ぎゅっ。
千乃の指を。
さらに。
強く握る。
「……」
シオンも。
「……ま」
「シオンまで!?」
真銀。
「……」
「二人とも」
「お母さんっ子確定だな」
「早いよ!?」
千乃は。
思わず。
笑った。
「ふふ」
「じゃあ」
「お母さん」
「頑張らないとね」
そのとき。
紫の魔力が。
ふわっ。
二人の周囲に。
広がった。
千乃。
「……」
真銀。
「……」
「二人とも」
「魔力は強そうだな」
「うん」
千乃。
「でも」
「……」
真銀。
「神魔境界の力は?」
「……」
千乃は。
静かに。
首を横に振った。
「ないみたい」
「……」
「私の力を」
「そのまま受け継いだわけじゃないんだね」
「そうだな」
千乃。
「それでも」
「この子たちは」
「この子たちだよ」
「……ああ」
真銀。
二人を見る。
「レオン」
「シオン」
「強くなっても」
「ならなくても」
「二人とも」
「大切な子だ」
千乃。
「うん」
レオン。
紫の光を。
ぽわっ。
シオン。
同じように。
ぽわっ。
二つの紫の光。
並んで。
静かに輝く。
その光は。
まだ。
小さい。
けれど。
確かに。
二人の中にある。
千乃とは違う。
二人だけの力。
そして。
何より。
二人は。
千乃のそばにいることが。
一番。
安心するようだった。
「……」
千乃。
「お母さんっ子かぁ」
真銀。
「……俺は」
「お父さんっ子に」
「なってほしいんだが」
「頑張って」
「……」
真銀。
「……努力する」
その直後。
レオン。
千乃へ。
ぴとっ。
シオンも。
ぴとっ。
「……」
真銀。
「……」
「完全敗北だ」
「ふふっ」
千乃は。
二人を。
そっと。
抱き寄せた。
紫色の魔力が。
その腕の中で。
小さく。
きらめいていた。
揺れていた。
それから。
さらに。
時間が経った。
レオンとシオンも。
少しずつ。
大きくなってきた。
まだ。
小さな双子。
けれど。
動くことも。
笑うことも。
少しずつ。
増えてきた。
そんなある日。
千乃の部屋。
「今日は」
千乃が。
二人を見ながら。
「みんなで遊ぼうか」
「……!」
レオン。
「……!」
シオン。
二人とも。
ぱあっ。
紫色の魔力が。
ぽわぽわ。
浮かぶ。
「分かってるのかな?」
真銀が。
「たぶんな」
そこへ。
ぴょんっ。
「主ー!」
白くて。
ふわふわの。
うさぎ。
ララが。
部屋へ入ってきた。
「遊ぶー!」
「ララはうさぎ姿なんだね」
「うん!」
ララは。
ぴょん。
ぴょん。
と。
二人の前へ。
レオン。
「……!」
シオン。
「……!」
二人の目が。
きらきら。
「かわいい……」
千乃。
ララは。
白いふわふわの身体を。
ころん。
と転がす。
「ララだよー!」
「……!」
レオンが。
小さな手を。
伸ばす。
「触ってみる?」
千乃が。
そっと。
レオンの手を。
ララへ近づける。
ふわっ。
「……!」
レオン。
目を丸くする。
シオンも。
そっと。
ララの耳へ。
触れる。
「……!」
ララ。
「くすぐったい!」
ぴょんっ!
「!」
シオンが。
びっくり。
その周囲。
紫色の魔力が。
ぽんっ。
「魔力まで出た!?」
千乃が笑う。
「びっくりしたんだね」
ララ。
「ごめん!」
ぺこっ。
レオン。
「……」
シオン。
「……」
そして。
二人とも。
ララを見て。
にこっ。
「……」
ララ。
「仲良くなった!」
次に。
「俺もいるぞ」
ライ。
人型で。
部屋へ入ってくる。
「……」
レオン。
じっ。
シオンも。
じっ。
ライ。
「……」
「どうした?」
千乃。
「たぶん」
「大きいから見てる」
「なるほど」
ライは。
二人の前へ。
ゆっくり。
しゃがむ。
「怖くない」
「……」
レオン。
じー。
シオン。
じー。
ライ。
「……」
「俺は」
「お前たちの仲間だ」
すると。
レオンが。
小さな手を。
伸ばした。
ライの服へ。
ちょん。
「……」
ライ。
「……!」
シオンも。
ちょん。
「……」
「触ったな」
千乃。
「ふふ」
「ライも嬉しそう」
「……そうか?」
「顔」
「変わってないけど」
「変わってない」
「でも分かるよ」
ライは。
少しだけ。
口元を。
緩めた。
「……そうか」
そして。
「私も」
アイシィ。
人型で。
静かに。
入ってきた。
「こんにちは」
「……!」
二人。
アイシィを見る。
「……」
「私は」
「アイシィですよ」
にこっ。
レオン。
じっ。
シオン。
じっ。
アイシィが。
そっと。
手を差し出す。
「握ってみますか?」
レオン。
ぎゅっ。
小さな手で。
アイシィの指を。
握る。
「……」
アイシィ。
「まあ」
「かわいいですね」
シオンも。
ぎゅっ。
「……」
「二人とも」
「お上手です」
すると。
紫色の魔力が。
ぽわっ。
アイシィの手元へ。
「……」
「綺麗ですね」
アイシィが。
嬉しそうに。
微笑む。
そこへ。
「僕も」
クオン。
とことこ。
やってくる。
白い狐耳。
ふわふわの。
白い尻尾。
そして。
まだ小さな身体。
「遊ぶ?」
「もちろん!」
千乃。
クオン。
「……」
レオンを見る。
「僕」
「お兄ちゃんだよ」
「……!」
レオン。
クオンを見る。
「……」
シオンも。
「……」
クオン。
「レオン、シオン。」
「僕はお兄ちゃんだよ」
千乃。
「ふふ」
「そうだね」
「クオンはお兄ちゃん」
クオン。
「……」
嬉しそう。
「じゃあ」
クオン。
二人の前で。
手を広げる。
「追いかけっこ」
「まだ走れないよ」
千乃。
「……」
クオン。
「……」
「じゃあ」
「転がす」
「何を!?」
ララ。
「私!」
「ララ!?」
ララが。
ぴょん。
と跳ねる。
「ころころする!」
「それは遊びなの?」
「遊び!」
レオン。
「……!」
シオン。
「……!」
二人とも。
楽しそう。
すると。
ばたんっ!
「千乃さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「……」
全員。
止まった。
「……」
千乃。
「嫌な予感」
扉の向こう。
「お子さんたちと遊んでいると聞きましてぇぇぇぇぇぇ!!」
「……」
ララ。
「ラブリー!」
入ってきたのは。
ラブリー・スミス。
「私も混ぜてくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
「声!」
千乃。
「大きい!」
その瞬間。
レオン。
「……!」
シオン。
「……!」
二人の顔が。
くしゃっ。
「……」
「……」
そして。
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
「泣いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ラブリー。
「えっ!?」
千乃。
「ほらぁ!」
「叫ぶから!」
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃ!」
「もっと大きい!」
「すみません!!」
「また!」
「うぇぇぇぇぇぇぇん!」
「ラブリー!」
「静かに!」
「はい!」
ラブリー。
口を。
両手で。
ぎゅっ。
「……」
部屋。
静か。
「……」
レオン。
じっ。
シオン。
じっ。
ラブリー。
「……」
小声。
「……こんにちは」
二人。
「……」
「……」
泣き止む。
「……!」
ラブリー。
「成功しましたわ!」
「声!」
「……成功しました」
千乃。
「よし」
ラブリーは。
そーっと。
二人へ近づく。
「レオンくん」
「シオンちゃん」
「こんにちは」
レオン。
小さな手を。
伸ばす。
ラブリーの指へ。
ちょん。
「……!」
ラブリー。
「……」
目が。
潤む。
千乃。
「ラブリー」
「……はい」
「泣かないでね」
「努力します」
シオンも。
ラブリーの指を。
ぎゅっ。
「……」
ラブリー。
「……」
「かわ……」
千乃。
「声!」
「かわいい」
小声。
セーフ。
ララ。
「ラブリーも遊ぶ?」
「もちろん!」
ララが。
ぴょん。
レオンの前へ。
シオンの前へ。
そして。
ころん。
「うさぎだよっ!」
レオン。
「……!」
シオン。
「……!」
二人。
笑う。
「……!」
紫色の魔力が。
ぽわぽわ。
広がった。
クオン。
「わあ」
ライ。
「楽しそうだな」
アイシィ。
「ええ」
千乃。
「ふふ」
「みんなで遊ぶの」
「楽しいね」
真銀も。
少し離れたところから。
「……ああ」
二人を見る。
レオン。
シオン。
クオン。
ララ。
ライ。
アイシィ。
そして。
ラブリー。
みんなが。
千乃の周りに。
集まっている。
紫色の魔力が。
ぽわっ。
ぽわっ。
ぽわっ。
小さな光になって。
部屋の中を。
ゆっくり。
飛んでいく。
レオンも。
シオンも。
楽しそうに。
その光を。
追っている。
そして。
千乃へ。
ぴとっ。
二人とも。
同時に。
くっついた。
「……」
千乃。
「やっぱり」
「お母さんっ子だね」
真銀。
「……完全に」
ララ。
「主が一番!」
クオン。
「お姉ちゃんが一番なんだね」
ライ。
「まあ」
アイシィ。
「安心するのでしょうね」
ラブリー。
小声。
「素敵ですわ……」
千乃。
「ラブリー」
「はい」
「今の声量なら大丈夫」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「泣いたぁっ!?」
「ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!」
レオン。
シオン。
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
「ラブリー!」
「また泣かせたぁぁぁぁぁぁぁ!?」
こうして。
その日の遊び時間は。
とても賑やかで。
とても楽しく。
そして。
ラブリーが叫ぶたびに。
双子が泣く。
そんな妙な恒例行事になったのだった。




