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問題発生

 翌朝。


 星氷神城アストラルグレイシア


 医務室。


「……」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 全員。


 静かだった。


 理由は。


 一つ。


「……寝不足」


 カイルが。


 ベッドの上で呟いた。


 千乃。


「誰のせい?」


 カイル。


「ラブリー」


 真銀。


「正解」


 ララ。


「ラブリー!」


 カイル。


「だから何だよ」


 ララ。


「うるさい!」


 カイル。


「俺もそう思う!」


 柚乃。


「……ふふ」


 カイル。


「笑うなって」


 千乃。


「でも」


「昨日より元気そうだね」


 カイル。


「……」


 少し。


 黙る。


「……まあ」


「寝不足だけど」


「元気ではある」


 真銀。


「ならよかった」


 カイル。


「……」


 そして。


 ふと。


 柚乃を見る。


 柚乃。


「……?」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「何?」


 カイル。


「いや」


「別に」


 柚乃。


「?」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 千乃。


「何?」


 カイル。


「何でもない!」


 千乃。


「怪しい」


 カイル。


「怪しくない!」


 その時。


 コン。


 コン。


 扉が。


 ノックされた。


「失礼いたします」


 使用人だった。


 千乃。


「どうしたの?」


「それが……」


 使用人。


 少しだけ。


 困った顔をしていた。


「昨夜」


「恋愛ギルド長様が」


 カイル。


「嫌な予感しかしない」


 使用人。


「廊下に」


「何かを置いていかれまして」


 全員。


「……」


 千乃。


「……何を?」


 使用人。


「こちらです」


 使用人が。


 一枚の紙を差し出した。


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 柚乃。


「……」


 カイル。


「……」


 紙。


 そこには。


 大きな文字。


『カイル様♡柚乃様』


 カイル。


「破れ」


 柚乃。


「早い」


 使用人。


「その下に」


「まだ続きがございます」


 カイル。


「読むな」


 千乃。


「読むね」


 カイル。


「読むなよ!?」


 千乃。


 紙を。


 ゆっくり。


 読み上げる。


「『恋愛ギルド特別観察対象』」


 カイル。


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


 ララ。


「対象!」


 カイル。


「喜ぶな!」


 千乃。


「まだある」


 カイル。


「燃やせ」


 真銀。


「それは城の中でやるな」


 千乃。


「冷静だな!?」


 千乃。


「『今後の進展を楽しみにしています♡』」


 カイル。


「帰れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 柚乃。


「もう帰ってるよ」


 カイル。


「じゃあ戻ってくるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 千乃。


「昨日も言ったね」


 カイル。


「昨日から俺の睡眠が!」


 ララ。


「なくなった!」


 カイル。


「お前まで言うな!」


 その時。


 柚乃が。


 紙を見る。


「……」


 そして。


 小さく。


 笑った。


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……」


 カイル。


「……何?」


 柚乃。


「別に」


 カイル。


「絶対何か思ってる」


 柚乃。


「……」


「ちょっとだけ」


 カイル。


「うん」


 柚乃。


「昨日」


「ずっとそばにいたって」


「言ったでしょ」


 カイル。


「……言ったな」


 柚乃。


「それを」


「恋愛ギルドに聞かれたの」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「ちょっと」


「恥ずかしいなって」


 カイル。


「……!」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 全員。


 静かになる。


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……?」


 カイル。


「……」


 千乃。


「……カイル?」


 カイル。


「……」


 真銀。


「また泣くか?」


 カイル。


「泣かない!」


 ララ。


「危ない!」


 カイル。


「危なくない!」


 ライ。


「顔が赤いぞ」


 カイル。


「うるさい!」


 柚乃。


「……」


 少し。


 笑う。


 カイル。


「……」


 そして。


 ベッドから。


 ゆっくり。


 立ち上がった。


「……もう大丈夫」


 千乃。


「本当に?」


 カイル。


「今度は本当に」


 柚乃。


「無理しないでね」


 カイル。


「うん」


 その返事は。


 昨日までとは違って。


 少しだけ。


 落ち着いていた。


 千乃。


「じゃあ」


「朝ご飯にしようか」


 ララ。


「ごはん!」


 アイシィ。


「行きましょう」


 カミル。


「うむ」


 真銀。


「カイルも来るか?」


 カイル。


「行く」


 そして。


 柚乃を見る。


「……一緒に」


 柚乃。


「うん」


 カイル。


「……」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 カイル。


「何だよ」


 千乃。


「いや」


 ララ。


「恋!」


 カイル。


「違う!」


 柚乃。


「……」


 全員。


「……」


 ララ。


「間!」


 柚乃。


「うるさい!」


 カイル。


「俺も言った!」


 その頃。


 遠く。


 恋愛ギルド。


 ラブリー・スミス。


「……ふふふ」


 ハート型サングラスを。


 きらり。


 と。


 光らせる。


「恋は」


 腕を広げる。


「これからですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 恋愛ギルド。


 職員たち。


「……」


 一人。


「ギルド長」


「朝からうるさいです」


 ラブリー。


「失礼しました」


 その日の昼。


 星氷神城アストラルグレイシア


 中庭。


 千乃たちは。


 久しぶりに。


 のんびりしていた。


 ララ。


「主ー!」


 千乃。


「なに?」


 ララ。


「おなかすいた!」


 千乃。


「さっき食べたよね?」


 ララ。


「食べた!」


「でも、おなかすいた!」


 千乃。


「元気だねぇ……」


 アイシィ。


「ララさんは、いつも元気ですよね」


 ララ。


「うん!」


 ライ。


「自信満々に言うことでもない」


 カミル。


「平和だな」


 真銀。


「……その言葉」


 千乃。


「言っちゃダメなやつ?」


 真銀。


「最近はな」


 カイル。


「俺もそう思う」


 柚乃。


「カイルさんが言うと」


「何か起きそう」


 カイル。


「何で俺!?」


 千乃。


「主人公補正?」


 カイル。


「やっぱりあるのか!?」


 真銀。


「ない」


 カイル。


「即答!?」


 その時だった。


 城門のほうから。


「た、大変です!!」


 全員。


「?」


 一人の使用人が。


 慌てて走ってきた。


 千乃。


「どうしたの?」


「そ、それが……!」


 使用人は。


 息を整える。


 そして。


「ユミナリア皇国の!」


「パイライト殿下が!」


 全員。


「……」


 千乃。


「帰って」


 使用人。


「まだ何も言ってません!?」


 真銀。


「千乃と同意見だ」


 カイル。


「俺も」


 ララ。


「ララも!」


 ライ。


「俺もだ」


 アイシィ。


「私もです」


 カミル。


「我も」


 柚乃。


「……私も」


 使用人。


「満場一致ですね!?」


 千乃。


「で?」


 使用人。


「現在」


「城門の前に」


「いらっしゃいます」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 千乃。


「……」


「帰ってもらおう」


 全員。


「賛成」


 その瞬間。


「千乃様あああああああああああああああああああ!!」


 千乃。


「声でかい!」


 城門のほうから。


 パイライトの声が響く。


「会いに来ましたああああああああああああああああああ!!」


 真銀。


「会わせるな」


 千乃。


「うん」


 しかし。


「千乃様!」


「私!」


「ようやく!」


「決心しました!!」


 千乃。


「何を?」


 パイライト。


「……」


 しばらく。


 沈黙。


 そして。


「千乃様を!」


「諦めます!!」


 全員。


「…………は?」


 千乃。


「え?」


 真銀。


「……?」


 カイル。


「何だ?」


 ララ。


「諦める?」


 ライ。


「……急にどうした」


 アイシィ。


「珍しいですね」


 カミル。


「何か企んでおるのではないか?」


 千乃。


「私もそう思う」


 パイライト。


「失礼な!?」


 千乃。


「今までの行いを考えて」


 パイライト。


「……」


 何も。


 言い返せない。


 千乃。


「で?」


 パイライト。


「……」


「……その」


 少しだけ。


 もじもじする。


 全員。


「?」


 そして。


 パイライトは。


 ゆっくりと。


 千乃の隣にいる人物を。


 指差した。


「……そちらの」


 柚乃。


「私?」


 パイライト。


「はい」


 柚乃。


「……」


 パイライト。


「千乃様は!」


「もう諦めました!」


 千乃。


「うん」


 パイライト。


「ですが!」


 柚乃。


「?」


 パイライト。


「私は!」


 大きく。


 胸を張った。


「新たな運命を!」


「見つけたのです!!」


 カイル。


「嫌な予感しかしない」


 パイライト。


 びしっ。


 柚乃を指差す。


「柚乃様!!」


 柚乃。


「はい」


 パイライト。


「あなたです!!」


 全員。


「…………」


 数秒。


 完全な。


 沈黙。


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 そして。


 カイル。


「は?」


 パイライト。


「柚乃様!」


「千乃様の双子の妹!」


「つまり!」


 腕を広げる。


「千乃様と同じくらい!」


「素晴らしい可能性を秘めている!」


 千乃。


「何その判断基準」


 柚乃。


「私、戦えないけど」


 パイライト。


「問題ありません!」


 柚乃。


「早い」


 パイライト。


「私が守ります!」


 カイル。


「……」


 パイライト。


「私は!」


「次期皇王!」


「そして!」


「最強!」


 カイル。


「……」


 パイライト。


「何だ」


 カイル。


「今」


「最強って言った?」


 パイライト。


「言ったが?」


 カイル。


「……」


 千乃。


「カイル?」


 カイル。


 ゆっくり。


 立ち上がる。


「柚乃」


 柚乃。


「なに?」


 カイル。


「ちょっと」


「後ろにいて」


 柚乃。


「……?」


 パイライト。


「何をする気だ?」


 カイル。


「何もしない」


 真銀。


「その顔で言うな」


 カイル。


「……」


 そして。


 カイルは。


 パイライトの前へ進む。


「お前」


 パイライト。


「何だ」


 カイル。


「柚乃を」


「何だと思ってる」


 パイライト。


「……?」


 カイル。


「千乃を諦めたから」


「代わりに柚乃?」


 パイライト。


「違う!」


 カイル。


「じゃあ何だよ」


 パイライト。


「私は!」


「柚乃様自身に!」


「興味を持ったのだ!」


 カイル。


「昨日まで」


「名前も知らなかったくせに?」


 パイライト。


「……」


 カイル。


「……」


 パイライト。


「……知った」


 カイル。


「いつ」


 パイライト。


「さっき」


 カイル。


「浅い!」


 千乃。


「浅いねぇ」


 ララ。


「浅い!」


 ライ。


「浅いな」


 アイシィ。


「浅いです」


 カミル。


「浅い」


 パイライト。


「なぜ全員参加する!?」


 カイル。


「とにかく」


「柚乃に近づくなら」


「俺が相手になる」


 パイライト。


「何だと?」


 カイル。


「文句あるか」


 パイライト。


「……」


 カイル。


「……」


 パイライト。


「……お前」


 カイル。


「何だ」


 パイライト。


「柚乃様の」


「何だ?」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 全員。


 カイルを見る。


 カイル。


「……」


「……」


「……」


 パイライト。


「答えられないのか?」


 カイル。


「……」


 柚乃。


「……」


 カイル。


 少しだけ。


 顔を赤くする。


「……」


 そして。


「……大切な人だ」


 柚乃。


「……!」


 パイライト。


「……」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 パイライト。


「……」


 そして。


 千乃。


「ラブリー呼ぶ?」


 カイル。


「呼ぶな!!」


 柚乃。


「……ふふ」


 パイライト。


「笑っている場合ではない!」


 カイル。


「お前が言うな!」


 パイライト。


「とにかく!」


 再び。


 柚乃を見る。


「私は諦めない!」


 カイル。


「何を!?」


 パイライト。


「柚乃様への!」


「アプローチを!」


 カイル。


「始める!!」


 千乃。


「却下」


 真銀。


「却下」


 ララ。


「却下!」


 ライ。


「却下」


 アイシィ。


「却下です」


 カミル。


「却下」


 柚乃。


「……却下」


 パイライト。


「なぜぇ!?」


 カイル。


「満場一致だ」


 パイライト。


「……」


 その瞬間。


 遠くから。


「恋愛案件ですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 全員。


「来た!?」


 千乃が叫んだ。


 次の瞬間。


 中庭の上空から。


「失礼しまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!」


 ピンク色の何かが。


 ものすごい勢いで。


 降ってきた。


 ララ。


「落ちてきた!」


 真銀。


「避けろ」


 全員が。


 一歩。


 横へ移動する。


 そして。


 ドォォォォン!!


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 千乃。


「ラブリー!?」


 土煙。


 その中心。


 ハート型サングラス。


 ピンクのツインテール。


 地面に。


 頭から突き刺さっている。


 ラブリー・スミス。


「……」


 千乃。


「生きてる?」


 ラブリー。


「……恋は」


 千乃。


「生きてるね」


 ラブリー。


 ゆっくり。


 顔を上げる。


「恋はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 真銀。


「長い」


 ラブリー。


「まだ言い終わってません!」


 千乃。


「言わなくていいよ」


 ラブリー。


「……」


 ラブリーが。


 ゆっくりと。


 周囲を見る。


 そして。


 カイル。


 柚乃。


 パイライト。


「…………」


 ハート型サングラスが。


 きらり。


 と光った。


「……」


 千乃。


「その顔やめて」


 ラブリー。


「新しい」


 カイル。


「言うな」


 ラブリー。


「三角関係」


 全員。


「違う」


 ラブリー。


「まだ分かりませんよ?」


 カイル。


「分かってる!」


 パイライト。


「私は柚乃様を!」


 カイル。


「黙れ」


 パイライト。


「なぜだ!?」


 柚乃。


「……」


 ラブリー。


「なるほど」


 千乃。


「何も分かってないと思う」


 その時だった。


「千乃様!!」


 中庭の入口から。


 再び。


 誰かが走ってくる。


 千乃。


「また?」


 真銀。


「今度は何だ」


 現れたのは。


 先ほどの使用人ではなかった。


 見知らぬ。


 鎧姿の男。


 その鎧には。


 ユミナリア皇国の紋章。


 パイライト。


「……我が国の騎士?」


 騎士。


「殿下!」


 パイライト。


「どうした!」


 騎士。


「緊急事態です!」


 その声。


 さっきまでの。


 騒がしさとは違う。


 千乃たちも。


 表情を変えた。


 パイライト。


「何があった」


 騎士。


「皇国で」


「事件が発生しました」


 千乃。


「事件?」


 騎士。


「はい」


 騎士は。


 息を整える。


「今朝から」


「皇都の各地で」


「住民が」


「次々と消えています」


 全員。


「……は?」


 カイル。


「消えた?」


 騎士。


「はい」


「争った形跡もありません」


「血も」


「叫び声も」


「何も」


 柚乃。


「……突然?」


 騎士。


「はい」


 千乃。


「転移魔法?」


 騎士。


「我々も」


「最初はそう考えました」


 真銀。


「違うのか?」


 騎士。


「……分かりません」


 そして。


 騎士は。


 パイライトを見る。


「殿下」


「皇帝陛下より」


「至急帰国するよう」


「命令が出ています」


 パイライト。


「……」


 さっきまで。


 柚乃へ向けていた。


 自信満々の顔が。


 少しだけ。


 消えた。


「……」


 カイル。


「帰るのか」


 パイライト。


「……当然だ」


 真銀。


「一人で?」


 パイライト。


「皇国の問題だ」


「私が」


「何とかする」


 千乃。


「……」


 ラブリー。


「……」


 柚乃。


「……」


 千乃。


「無理だと思う」


 パイライト。


「何だと?」


 千乃。


「だって」


「状況が分からない」


 パイライト。


「……」


 千乃。


「一人で突っ込むのは」


「いつものパイライトさんっぽいけど」


 パイライト。


「褒めているのか?」


 千乃。


「褒めてない」


 パイライト。


「即答!?」


 しかし。


 千乃の表情は。


 笑っていなかった。


「……人が」


「消えてるんだよね?」


 騎士。


「はい」


 千乃。


「それなら」


「放っておけない」


 パイライト。


「……」


 真銀。


「千乃」


 千乃。


「うん」


 真銀。


「俺も行く」


 カイル。


「俺も」


 ララ。


「ララも!」


 ライ。


「当然だ」


 アイシィ。


「私も行きます」


 カミル。


「我も」


 柚乃。


「……私も」


 千乃。


「柚乃は」


 柚乃。


「……」


 カイル。


「俺が守る」


 パイライト。


「私が守る!」


 カイル。


「お前は黙れ!」


 パイライト。


「何だと!?」


 千乃。


「……」


 真銀。


「……」


 ララ。


「……」


 ライ。


「……」


 アイシィ。


「……」


 カミル。


「……」


 ラブリー。


「……」


 千乃。


「事件だよね?」


 真銀。


「完全にそうだな」


 ラブリー。


「恋愛と事件!」


「最高の組み合わせ!」


 全員。


「帰れ!!」


 ラブリー。


「なぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


 その時。


 千乃。


 ふと。


 空を見る。


「……」


 何か。


 嫌な感じがした。


 理由は。


 分からない。


 けれど。


 この事件。


 ただ。


 人が消えているだけではない。


 そんな。


 予感がした。


 千乃。


「……行こう」


 真銀。


「ああ」


 パイライト。


「……千乃様」


 千乃。


「何?」


 パイライト。


「……今回だけは」


「感謝します」


 千乃。


「……珍しい」


 パイライト。


「何だと?」


 千乃。


「でも」


 少し。


 笑う。


「人を助けるなら」


「協力するよ」


 パイライト。


「……」


 そして。


 パイライトも。


 少しだけ。


 笑った。


「……分かりました」


 しかし。


 その瞬間。


 遠く。


 ユミナリア皇国。


 皇都。


 誰もいない。


 路地裏。


「……」


 一人の。


 黒い影。


 その手には。


 小さな。


 黒い結晶石。


「……」


 影は。


 ゆっくりと。


 笑った。


「予定通り」


 次の瞬間。


 黒い結晶石が。


 淡く。


 光る。


 そして。


 皇都の。


 どこかで。


 また一人。


 姿を消した。

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― 新着の感想 ―
せっかくのラブリー回なのになんで人が消えるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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