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第340話 そうだ、良い事思いついちゃった


「凄い人気ですね~」


「フフ、私が一番驚いています。今日ギルドへ来てから私がイー・ヤンだって信じて貰うのに苦労したのですよ?」


「あはは、元から綺麗でしたよ?」


「かなり磨きが掛かったとは思うけどね」×アヤメ


「元々人気が無ければ、こんなことになってないでしょ?」×ナギサ


「ありがとうございます」


「それにしても情報が伝わるのって、早いね~」×テユン


「まあ、それだけ価値がある情報って事だな」×ソヒョン


「お困りですか? ヤン部長」


「ええ、とってもね」


「僕に良い考えがあるんですけど、乗ります?」


「・・・・・・」×アヤメ達


「・・・なんで、そんな目で僕を見るんですか?」


「また、とんでもない事を考えてるんでしょ?」×アヤメ


「個人的には素敵な提案だと思うんですけど?」


「ぜえぇええええったい、私達の考えの斜め上を行くんだから」×ナギサ


「うふふ、お聞きしても?」×ヤン部長


「ちょっと、此処では言えないんですよ?」


「ほら~」×アヤメ達


「あはは、此処に居るヤン部長を慕ってる女性達を連れて、個室をお願いしても良いですか?」


「・・・分かりました」



 僕達はヤン部長に連れられて、50人程入れる会議室に通された。


 驚いた事に集まった女性達は、20人近く居るようだ。



「此処で宜しいですか?」


「はい、十分です」


「何故、女性達も連れて来たんですか?」×シュアン


「それは、もちろん女性達にも関係するからですよ?」


「ん~ 全員が集まれる家を提供するとか?」×テユン


「それだと、面白味に掛けるじゃないですか?」


「ヨウ君の面白味って・・・まさか?」×アヤメ


「私には全く分からないのですが?」×ヤン部長


「ではでは、ヤン部長」


「は、はい」


「ギルドを辞めて、冒険者クランを立ち上げませんか?」


「えええええええええっ!!!!!」×全員


「やっぱり、そっちか~」×ナギサ


「ククッ! ヨウ君らしいね」×ツドイ


「ギルドを辞めて冒険者に? 私がですか?」


「はい、もちろん冒険者は危ない職業なんですけど、そこは僕が全面的にバックアップしますから。


実は冒険者の底上げも各地でやってるんですけど、下手な人には任せられないじゃないですか?


そこで、ヤン部長なら申し分ないし、クラン本部も提供します。


それなら、此処に集った皆さんも一緒に居られるじゃないですか?


どうです? 悪い話しじゃないでしょ?」


「クラン本部って、一体どれほどお金が掛かるか検討も付かないのですが・・・」


「ヤン部長なら、僕の一日の稼ぎも分かるでしょ?」


「た、確かに三日月様なら造作もない事からしれませんが、私にそこまでして貰う訳にはいきませんよ」


「遠慮なんてしなくて良いですよ? ヤン部長だけではなく、ここに集まった女性達も気に入っちゃいましたから」


「私も気に入っちゃったわ、皆同じ悩みを抱えた人達だもんね、信用できるわ」×アヤメ


「それにクラン特典ってのも、ありますから詳しくはリラさん良いですか?」


「畏まりました。全ての特典をお付けして説明致しますか?」


「はい、全部でお願いします」



 リラさんには最低限のスキルセットだけではなく、ゴールドスライムの説明までして貰った。


 これには、ヤン部長だけではなく集まった女性達も驚愕の表情をしていた。


 まあ、行き成りこんな話しをされたら、戸惑うよね。


 リラさんから全ての説明もして貰い、返事は明日まで待つ事にした。



「それでは、ジックリ考えて返事して下さい」


「ヤン部長、こんな良い話しを蹴ったら一生後悔しますよ?」×シュアン


「ええ、頭痛薬を飲んでから、集まってくれた女性達と相談させて貰うよ」


「あはははは♪」×アヤメ達


「では、またですー」



 僕は皆に手をブンブンと振って、別れの挨拶をした。



「・・・ヤンさん、SSランクの方って凄まじいのですね?」


「彼は特別だよ、凄すぎて理解が追い付かないのが困るんだけどな」


「うふふ、私はどんな形であれ、ヤンさんと居られるなら大賛成です」


「私は受付嬢ですけど、喜んで冒険者になります」


「私は拠点をこちらに移すだけだから問題ないよ?」


「あの、大事な事を聞いておきたいんですけど?」


「なんでも、お答えしますよ?」


「彼女にする女性は、一人だけで良いとか言いませんよね?」


「私は、彼女になんて贅沢言いませんから、傍に居させて下さい」


「お願いします!」×女性達


「私の為に恥も外聞も顧みず、集まってくれた女性達を無下にする事なんて私には出来ませんよ?


こんな私で良かったら、全員彼女になって貰いたいぐらいです」


「うふふ、それじゃあハーレムって事になりますね?」


「それでも、良いだろうか?」


「もちろんです♪」


「キャアアアアアアアアアアア♪」×女性達


「うふふ、私は三日月様の話しを受けようと思います、皆さんも本当に良いのですか?」


「当然ですよ? こんな夢みたいな話し一生ないですから」


「私も明日からの生活が、とっても楽しみです」


「明日から忙しくなりそうですね♪」


「ああ、本当に・・・本当に夢のようだ。ありがとう三日月様」


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


<ヨウ視点>


 僕達はシュアンさん達とクレセント本部へ戻ってきた。


 そう言えば、素材を卸すのを忘れていたけど明日に持ち越したら良いか。


 さって、そろそろソフィアさん達を迎えに行こうかと思って、スマホで時間を確認してみるとメールが入っているようだ。


 僕にメールが来るのって珍しいな、クレセントメンバーは皆用事があれば<念話>で伝えてくれるからね。


 誰からのメールだろうと確認してみると、サラリーマンさんからだった。


 そう言えば、メールするって言ってたのを忘れていた。


 内容を見てみると、今日から一週間以内なら何時でも良いので時間をくれと書いてある。


 夕食を御馳走してくれるようだ。サラリーマンも駆り出されたらしく一緒に来るらしい。


 僕は、それなら早い方が良いかと思い、今日でも良いと返信することにした。


 あっ! そうそう、アヤメさん達にも言っておかないとだ。



「えっと、皆さん今朝の話しなんですけど、ちょっとサラリーマンさんとこに行ってきて良いですか?」


「んふふ、そんなに良い店に行きたいんだ?」×アヤメ


「ち、違いますよー! どんなに良いお店でも、此処以上の所なんてある訳ないじゃないですか?」


「にひひ、ヨウ君も口が上手くなってきたじゃない?」×ナギサ


「本当ですよ? クレセントメンバー以上に綺麗な女性なんて居ませんから」


「あーもう、分かったわよリラが照れるから、それぐらいにしといて」


「て、照れているのは皆さんも同じじゃありませんか?」×リラ


「フフ~ 本音が分かるのも考えものね♪」×ノノ


「ヨウ君が気に入った女性を、全員綺麗にしちゃうからだよ?」×ツドイ


「最初から皆さん、とっても綺麗でしたよ?」


「・・・・・・・・・」×全員


「うふふ、ヨウ君にはアヤメさん達でも敵いませんね♪」×シュアン


「あのね~ シュアン達もなんだからね?」


「えっ? あはは、そうでしたね♪」



 ソフィアさん達とアリーシャさん達にも、今日は出掛けることを伝えると、それなら久しぶりに国にある拠点に泊るそうだ。



「ソフィア達もヨウ君が居ないからって、寂しい事言うじゃない?」×アヤメ


「んふふ、こんな時じゃないと、帰る気にならないからね♪」×ナギサ


「それじゃあ、すみません行って来ますね」


「行ってらっしゃいー!」×全員


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


<館元視点>


「なんで俺まで呼ぶんだよ? 紹介してやったんだから、そんで良いだろうが?」


「君が私を脅すからだろ?」


「脅してなんてねえ! 下手に機嫌を損ねたら死ぬぞって言っただけだ!」


「それを脅しと言わないで、なんと言う?」


「忠告だ! 忠告!」


「普通、友人なら生死が掛かっていれば、忠告せずに止めるだろう?」


「お前が気を付ければ良いだけだろ?」


「もう一度確認しときたいんだが、そんなに危ない少年なのか? テレビで見た限り、とてもそうは見えないんだが?」


「だから、危ないんだろうが? 見た目が危なそうなら誰も近づかねえだろ?」


「まあ、普通そうだろうな・・・」


「そういや言い忘れてたが、絶対に嘘なんて付くなよ? 腹の中、全部ぶちまけろ」


「私は政治家だぞ?」


「そうそう、それぐらい正直になれって事だ」


「やれやれ、駆け引きとかあったもんじゃないな?」


「何を頼みたいのか知らねえけど、頼んでみて断られたら諦めろ。それだけだ」


「シンプル過ぎないか?」


「言っとくが下手を打っても助けられねえからな? 一緒に地獄に落ちるだけだ」


「・・・なんか悪いな?」


「良いさ、ツレだろ?」


「いや、悪友だ」


「類友って言葉を知ってるか?」


「ああ、悪友で良いだろ?」


「自覚してんなら、そんで良いわ♪」


「それにしても、まさか、お前がSSランクの冒険者と知り合いだったなんてな?」


「知り合いじゃねえ、部下だ! それ以上なんも言えねえから察しろよ?」


「ああ、分かった。だが、君が少年に顎で使われてるとこも見てみたいな?」


「お前も彼奴に頼み事すんなら、逆らえない様になるんだからな?」


「元から逆らう気なんてサラサラないさ、頭の痛い問題を解決したいだけだからな」


「そりゃ残念だったな、彼奴と喋ってると頭が痛くなること請け合いだ!」


「なんだそれは?」


「会えば分かる、人から聞いても理解できねえんだよ」


「フゥ~ 聞けば聞く程、不安になるんだが?」


「それぐらいで、丁度良いんじゃねえか?」


「やれやれ、んっ? 雨が降って来たな、どこか移動するか」


「いや、此処が待ち合わせ場所なんだよ」


「そうにしても濡れるだろう?」


「濡れてるか?」


「変な事を言うなよ、そりゃ・・・お、おい、なんだこれは?」


「濡れてねえなら良いだろ?」


「いや、何故濡れない? これだけ雨が降ってるんだぞ?」


「まあ、タバコでもどうだ?」


「・・・最近禁煙してたんだが、1本貰おうか」


「禁煙だと? 政治家ってのはストレスがねえのかよ?」


「逆だよ! タバコを吸ってると波風が強くなるんだ」


「俺に政治家は無理だな」


「そんな事より、早く教えて欲しんだが?」


「言えるなら、とっくに言ってるっての」


「・・・少し、頭が痛くなってきたぞ?」


「そりゃ、お気の毒に。本格的に頭が痛くなるのは、これからだぞ?」


「何が、これからなんですか?」


「おわっ! い、何時から来てたんだよ?」


「今、来たばかりですよ? こんばんはサラリーマンさん」


「相変わらず心臓に悪い登場しやがって・・・でもまあ、ありがとよ」


「いえいえ、でっ! そちらが偉い人ですか?」


「・・・どんな紹介の仕方をしたんだ?」


「間違ってねえだろ?」


「フゥ~ 忙しい中、呼び出してしまってすみません。私は参議院議員の根本亮介と言います」


「へえ~ 政治家さんですか? 本当にサラリーマンさんの友達なんですか?」


「はい、悪友です」


「おい?」


「あはは、結構面白い人だったりして、流石にサラリーマンさんの友人ですね~」


「一体俺の事を、どう思ってやがんだよ?」


「僕、筆頭株主さんですよ? えっへん!」


「へーへー、頭が上がりませんよ」


「フフ、本当に上司の様だな館元?」


「うるせえよ!」


「あっ! そういや忘れてました・・・ほっ!」



 行き成り、三日月から生物なら絶対に見てしまうような、威圧の様なものが溢れ出した。



「ちょ、ちょっと待て、なんだよそりゃ?」


「えっ? ああ、これは初めて会う人用の威厳モードですよ?」


「もう、遅いからな? どうせやんなら最初からしろよ?」


「ん~ 忘れてたんで、今からやろうかなと?」


「いや、周りを見てみろよ目立ってんぞ?」


「おっと、久しぶりだったんで少し強すぎたかな~ 調整が難しいんですよね」


「もう十分、分かったと思うぞ?」


「そうですか・・・なら、解除しときます」



 三日月が威圧、いや威厳モードって言ったか、それを解除すると一気に肩が軽くなった。


 まったく、相変わらず恐ろしい事しやがるな。


 よく見りゃ根本の奴、額に汗を掻いてやがんな、まだ三日月を普通の少年だと思ってやがったのか。


 って、ことは案外、無意味な事でもなかったか。


 ちっとは、三日月への対応を間違えちゃいけねえ事が分かっただろう。



「おい、大丈夫か?」


「ああ、大丈夫だ。今のは?」


「三日月は子供っぽいからな、初めて会う人の前では舐められない様に、やれって言われてんだろ」


「こんな事が、簡単に出来る事なのか?」


「だから何度も普通じゃ・・・」


「サラリーマンさん?」


「さって、メシ行くかー」


「むぅ~ 言っときますけど僕は普通ですからね?」


「あはは、面白い冗談だ♪」


「普通ですーーー!」


「根本、案内してくれよ、人が集まってきやがった」


「あ、ああ」



 とりあえず、その場を逃げるように歩きだし根本が段取りした飯屋へ行くことにした。


 SSランク冒険者を呼び出したんだから、さぞや高級な店に案内してくれるんだろうと俺も楽しみになってきた。


 しばらく歩いて行くと、どうやら店に着いたみたいだが、どうみても年季の入った居酒屋にしか見えねえ。



「おい、まさか此処か?」


「ああ、上手い料理が好きだって聞いたからな、此処なら間違いない」


「へええ~ なんて言うか、趣のあるお店ですね~」


「さあ、行こう個室を頼んでおいたんだ」



 根本に付いて店に入って行くと、一応個室と言えば個室だが木の扉に囲まれただけのガヤガヤと煩い店だった。



「・・・まさか、ケチった訳じゃねえよな?」


「どんな店を想像してたんだ? 言っておくが俺は金持ちでもなんでもないぞ?」


「あはは、でもこれだけ流行ってるって事は、味には期待できそうですね?」


「ああ、三日月さんは美味しい物が好きだと聞いたので、それを基準に選ばせて貰いました。


お勧めの料理を頼んでおいたので、是非試していただきたいです。


飲み物はビールで良いだろうか?」


「はい、ありがとうございます」


「俺だけ奢りじゃねえって言わねえよな?」


「何を心配しているんだ? 今は俺より金持ちなんだろ?」


「気持ちの問題なんだよ?」


「分かってるから、心配するな」


「よしっ! じゃ飲むか♪」


「あはは、うわ~ 色々な料理がありますね」



 三日月が言う通り、テーブルには次々と料理が運ばれてくるが、どれもこれも普通の一品なんだよな。



「あ、あの、三日月陽さんですよね?」×店員


「はい、三日月陽です」


「キャーーー♪ 可愛い~♪ あのサインして貰っても良いですか?」


「はい、良いですよー」



 流石にSSランク冒険者ともなると、顔は知れ渡ってるよなサインやら写真やら頼まれまくってやがる。


 まあ、可愛い顔してやがるからな、女が騒ぐのも分かる気もするが。


 それにしても、モテ過ぎだろ? 店員が全員注目してるじゃねーか。



「流石にSSランク冒険者ですね、料理も揃ったようなので、引き戸を閉めておきます」


「そうだな、これじゃあ話も出来ねえわ」


「とりあえず、乾杯といきましょうか」


「はい、乾杯です!」



 ビールを喉へ流し込んでから、料理に手をつけてみると、どれも旨いじゃねえか。


 流石にシオさんの料理には、とても敵わねえけど、どれも文句のつけようがない。


 なるほど、隠れた名店って訳か。



「お、美味しぃです♪」


「喜んでもらえて嬉しいです」



 パクパクパクパクパク! モグモグモグモグモグ!



「お代わり良いですか♪」


「す、直ぐに注文します」



 そういや忘れてたが、とんでもねえ大食漢だった。


 だが、信じられない様な目で見ている根本の顔は面白いな。


 こいつが驚いたとこなんて見た事ねえからな。


 おっと、俺も急いで食っとかねえと店の食材が無くなっちまうな。



「お、おい、館元? こんなに食べるなんて聞いてないぞ?」


「そんな細かい事まで説明できるかよ」


「どこが細かい事なんだ?」


「三日月にとっちゃ、些細な事なんだよ。接待費とかあんだろ?」


「企業と一緒にするな。今日は私の独断で来ているんだ、自腹なんだぞ?」


「あはは、良いじゃねえかクリーンな政治家でよ♪」


「人事だと思いやがって・・・」



 三日月が大方食べ終わる頃、山の様に積み上げられた皿を見て笑いそうになってしまった。


 根本の引き攣った笑みがセットだから、余計面白い♪


 俺も以前同じ思いをしたからな、あん時のソバは痛かったよな~


 三日月相手なら損しねえのが分かってるから、同情はしねえけどな。



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