第336話 新たな専属職人さんが出来ました
ウェイさん達と遅くまで飲んでいたので、今日は中国に用意した部屋に帰る事にした。
メイドさん達にも、今日は遅くなりそうだから中国の部屋に泊ると早めに伝えておいた。
ちゃんと伝えておかないと、僕達が帰るまでずっと待っててくれるんだよね。
毎日送り迎えしているソフィアさん達とアリーシャさん達も、僕達が遅くなることを伝えると、久しぶりに母国で泊るそうだ。
そして翌朝、目が覚めると<亜空界>に創った温泉の休憩室だった。
そう言えば昨日は皆で温泉に入ってから、そのまま此処で寝ちゃったんだった。
辺りを見渡すと、アヤメさん達とシュアンさん達も一緒に寝ていた。
昨日は皆も結構飲んじゃってたからな~ 今日はゆっくりと寝かせて上げようと思っていると、隣に寝ていたアヤメさんとバッチリ目が合った。
少し驚きつつも朝の挨拶をする。
「おはようさんです」
「あれっ? 私バスローブ着てる?」
「ブッ!? 不思議そうに言わないで下さい?」
「んふふ、服着て寝るの久しぶりだったからさ♪ 昨日は久しぶりに酔っちゃったな~」
「楽しかったですからね~」
「んふふ、皆まだ寝てるみたいだしさ、朝から優雅に温泉に入る?」
「それは名案ですね?」
「あはは♪」
僕はアヤメさんと二人で温泉に浸かると、あまりの気持ち良さに表情が緩む。
それにしても、やっぱりアヤメさんって綺麗だなと改めて見惚れてしまう。
長い髪が濡れないように、器用にタオルで巻いている。
「あによ?」
「いや器用だなっと思って?」
「あ~ 別に<クリーン>で直ぐに乾くから良いんだけどね、癖ってやつかな?」
「色っぽくて良いですよ?」
「んふふ、ありがと♪ それにしても気持ちい良いわね~」
「はい、最高ですね」
「こんなに毎日幸せで良いのかしら?」
「それは僕のセリフですよ?」
「全部、ヨウ君のお陰じゃない?」
「アヤメさんのお陰でもあるんですよ?」
「私はヨウ君に貰ってばっかりなんだけど?」
「僕もですよ?」
「んふふ、これからの、ヨウ君の野望ってなに?」
「そこは、せめて予定って言って下さい」
「一緒じゃない?」
「ニュアンスが違うんですー」
「あはは、やっぱりあるんだ?」
「一杯ありますけど、まだ内緒です!」
「もう、本当に人を驚かすの好きなんだからー」
「そこも、サプライズ好きと言って下さい?」
「一緒じゃない?」
「微妙に違うんですー」
「あはは♪」
久しぶりにアヤメさんと二人で楽しく話をしていると、皆も起きたのか全員で朝から温泉になった。
アヤメさん一人でもドギマギしてたのに、朝から心頭滅却することになった。
そして今日は朝からダンジョンではなく、工芸士のルイさんに会いに行くことにした。
頼んでおいたピンバッチと竹細工の様子を見るためだ。
本当ならルイさんからの連絡を待つか、夕方にしたら良いんだけど待ちきれなかった。
ルイさんに電話連絡すると、殆ど出来ているそうなので受け取りにいくことにした。
ルイさんの家に着くと、外で待っていてくれたようで笑顔で出迎えてくれた。
「おはようございます、ルイさん」
「おはようございます皆さん。取りに来て貰ってすみません」
「いえいえ、早く欲しくて待ちきれなかっただけですから」
「ごめんね、大人数で押し掛けちゃってさ」×アヤメ
「こちらこそ、すみません狭くて申し訳ないです。
コーヒーでもと思ったんですけどカップがないので、ペットボトルのお茶で良いですか?」
「そんなに気を使わなくても良いですよ?」
「そう言って貰えると、ありがたいです。とても、お客さんを迎えれるとこじゃないんで」
「ところで、幾つぐらい出来ましたか?」
「はい、ピンバッチの方は210個出来ました。竹細工は20個しか出来てないんですよ」
「おお~~~♪」×全員
「ありがとうございます、急かしちゃってすみません」
「いえいえ、とても楽しかったです。やっぱりダンジョン素材は最高ですね♪」
「じゃ、先に代金の方を払っておきますね。希望した個数より少し多いから竹細工と一緒に50万元で如何ですか?」
「ええっ! そんな貰い過ぎですよ。手付金で10万元貰ってますし?」
「そこは、急がせたから色を付けときます」
ゴクッ! 「ほ、本当にこんなに貰っちゃって良いんですか?」
「もちろんです。正当な報酬ですから遠慮なくどうぞ」
「ありがとうございます。正直、凄く助かります♪」
「それとですねー、この作品を作った時、何か感じませんでしたか?」
「えっ? そう言えば、何となくですけど効果みたいなのを感じましたけど?」
「やっぱり、腕の良い職人さんね?」×ナギサ
「そ、そんな事ないですよー」
「あはは、本物の職人さんって自覚がないものなんですよ。
ルイさんにも、ちゃんと説明しておきますね。
えとですね~ ダンジョン素材で何らかの作品を作ると、付与効果が付く事があるんですよ」
「へえ~ そうなんですか。って、まさか?」
「そのまさかです! ルイさんが作ってくれたピンバッチには猫科の動物に好かれる付与効果がついてます。竹細工は癒し効果ですね」
「ええっ? それじゃあ、本当に気のせいじゃなかったんだ」
「フフ、でもそれは、腕の良い職人さんに限られる事なのです」
「<鑑定>スキルがなかったら分かり難い事なんですけど、ルイさんって天才職人なのは間違いないですね」
「あはは、冗談ですよね?」
ルイさんは全然信じてくれないので、全員で本当に冗談じゃない事を説明することになった。
「嘘なら、こんなに高額で買い取る訳がないでしょ?」×アヤメ
「ほ、本当に本当なんだ・・・」
「理解してくれたところで、僕と本契約を結びませんか?」
「それって、今回だけじゃないって事ですか?」
「はい、僕達の専属職人になってくれるなら、ダンジョン素材も提供しますし特典も付けますよ?」
「なります!」
「ククッ! 即答だね?」×ツドイ
「これからダンジョン素材で作品を作ったら、飛ぶように売れるんだよ? 分かってる?」×ナギサ
「はい、でも三日月さんから最高のダンジョン素材を提供して貰えるなら、考える必要なんてありませんよ」
「あはは、条件として守秘義務だけは守って貰いたいんですけど、大丈夫ですか?」
「もちろんです。絶対に家族にも言いません!」
「それじゃあ、契約成立ですね?」
「はい、これから宜しくお願いします」
「こちらこそ、色々と細かい事も決めときましょうか」
「ヨウ様、先にセキュリティの高い、工房兼自宅を用意した方が宜しいかと」×リラ
「そうですね~ どうしよっかな」
「それならさ、ヤン部長に相談してみたらどうかな?」×アヤメ
「なるほど、ギルド所有のマンションなら安心ですからね」
「うふふ、ルイさんもこれから大変になりそうですね、私達も手伝いますよ?」×シュアン
「どもども、自衛出来るぐらいまで鍛えて貰おっかな」
「あ、あの、さっきから何の話をしてるんですか?」×ルイ
「フフ、私の方から説明致しますね」×リラ
それからルイさんは、僕達の専属職人特典を説明して貰い、数々のスキルから工房兼自宅を用意すると伝えると、メチャクチャ驚いていた。
何時もの事なんだけど、驚き戸惑うルイさんに皆、笑顔になっていた。
早速ルイさんを連れてギルドへ行くと、忙しいにも関わらずヤン部長が来てくれた。
「おはようございます、三日月様」×ヤン部長
「おはようございます。何時もすみません」
「いえ、昨日の査定も終わっておりますので、ギルドカードへ振り込ませていただきますね」
「ありがとうございます」
「それと、大変申し上げにくいのですが、今日も素材を卸していただけるなら支払いは少し待って貰わないといけなくて・・・」
「フフ、ギルド資金が底を付きましたか?」×リラ
「お恥ずかしい限りです、本来ならばオークションに出すような高額品を立て替えるにはギルドであっても厳しくて」
「あはは、急がなくても良いですよ?」
「申し訳ございません。次のオークションではスキルオーブや魔法スクロールを大量に出品する事を、ギルドから大々的に宣伝しておりますので」
「これからは、ダンジョン素材は預ける形にしますので、計画的に捌いてくれたら良いですよ。支払いはシュアンさんに渡しといてくれれば良いですし」
「ええっ? 私に?」×シュアン
「そんなに驚かなくても、シュアンなら何時でも私達に会えるじゃない?」×アヤメ
「そ、それでも金額の桁が違うんだけど?」
「にひひ、そんなの気にしないの♪」
「それと、ヤン部長。今日は、お願い事もあるんですけど?」
「三日月様の頼みなら、何でも致しますが?」
「何でもですか?」
「・・・訂正させていただいても?」
「あはは、実は世界征服のお手伝いをして貰おうかと?」
「ブハッ!? ほ、本気ですか?」
「冗談ですよ?」
「もう、そんな事言っちゃ駄目よ? ヨウ君が言うと冗談にならないんだから」×アヤメ
「まあ、本当に出来るだろうな」×ソヒョン
「人類滅亡も出来るでしょうね」×シュアン
「ハーレム王は簡単そうだし?」×テユン
「・・・何か僕を誤解してませんか?」
「やらないと出来ないは、意味が違うからね?」×ソンイ
「いつか、月に魔法の試し打ちとかしそうだよね?」×ギュリ
「そんな事したら月が無くなっちゃうよ?」×フィ
「月は大事だよ、ヨウ君?」×ツドイ
「なんで、僕が月を破壊する話しになってるんですか?」
「だって、出来そうじゃない?」×アヤメ
「・・・ちょっと、やってみようかな?」
「駄目ーーーーーーーーー!!!!!!!」×全員
「あはは、冗談ですよ?」
「もう、お月見が出来なくなるでしょ?」
「そーいう問題じゃないよーな?」×ノノ
「フフ、月が無くなれば地球の自転が早まるため、1日が6時間程になると考えられますね、気候もメチャクチャになりそうですし?」
「駄目だよ、ヨウ君?」×ツドイ
「だーかーらー! やりませんからね?」
「ククッ! そこは出来ないって言わないとだよ?」×ツドイ
「そっか」
「あはははは♪」×アヤメ達
「いや、そこで笑えるアヤメさん達も怖いからな?」×ソヒョン
「ハハ、頭が痛くなってきたのですが?」×ヤン部長
「それ凄く分かりますよ、ヤン部長」×シュアン
ヤン部長は、なんとも言えない表情をしていたので、ちょっと調子に乗り過ぎたなと反省する。
「すみません、ヤン部長。緊張が解れたらと思ったんですけど、話が変な方向に逸れちゃいましたね」
「ハハ、お見通しでしたか、気を使わせてしまいましたね。私に頼み事と言う話しでしたね?」
「はい、此処に居るルイさんに、セキュリティの高いマンションを紹介して欲しいんですよ」
「それでしたら、ギルドが所有するマンションは如何ですか?」
「ねーねー、ついでにシュアン達も、良い部屋買っといたら?」×ナギサ
「私達もですか?」×シュアン
「それは良いですね。シュアンさん達もセキュリティの高いとこの方が安全ですし」
「確かに今住んでいる所は、セキュリティの高いとは言えませんけど」
「じゃ、僕がプレゼントしちゃいますね」
「ええっ?」×シュアン達
「ヤン部長、そこの一番良い部屋と、そこそこ広さのある一人部屋を段取りして貰っても良いですか?」
「畏まりました」
「三日月さん、僕なんてワンルームで十分ですから」×ルイ
「ん~ 工房部屋もあった方が良いですから、それに作品置き場もいるでしょ?」
「それは、あったほうが便利ですけど・・・」
「まあ、とりあえず見てから決めたら良いじゃない?」×アヤメ
「そうですね、じゃ行きましょうか♪」
僕達はヤン部長の案内の下、ギルド所有の高級マンションに連れて来て貰った。
外観から見渡す限り、以前僕達が住んでいた大阪のギルド所有マンションと遜色がない程、立派なマンションだった。
やはり、どこの国でもギルド所有のマンションは、力を入れている様だ。
まずは、ルイさんの工房兼自宅候補である部屋へ案内して貰う事にした。
そこは30階にある一室で、ワンルームどころか屋内プールまである様な部屋だった。
「うわ~ 凄い部屋ですね。流石に中国を代表するような冒険者の部屋って感じですね」×ルイ
「ウフフ、何言ってるんですか? ここってルイさんの部屋ですよ?」×シュアン
「ええっ! だ、だって、いくら工房込みって言っても広すぎるような?」
「広い方が良いじゃない? これから作品も増えていくんだからさ」×テユン
「でも、僕にはとても、こんな良い部屋の家賃なんて払えませんから?」
「家賃なんて要りませんよ? 専属職人になってくれた、特典みたいなものですから」
「そ、それは幾ら何でも?」
「部屋ぐらいで驚いてたら、クレセントの専属職人になんて成れないよ?」×ツドイ
「そそ、ヨウ様の専属職人さんにする待遇って、半端じゃないからね~」×ノノ
「そんなの当たり前ですよ? だって良い物を造って貰いたいじゃないですか」
「んふふ、ヨウ君なら、そう言うと思ったわ♪」×アヤメ
「とりあえず、此処で良いですかルイさん?」
「も、もちろんです! 本当にこんな良い部屋に家賃無しで良いんですか?」
「はい、何か希望があれば言って下さいね?」
「希望なんて、とんでもないですよ? まるで夢みたいです♪」
「気に入って貰えたようで安心しました」×ヤン部長
「じゃ、次はシュアンさん達の部屋を見に行きましょうか」
「畏まりました」
ルイさんは部屋の確認をするために残って貰い、後で迎えに来ることにした。
シュアンさん達の部屋は、最上階のようだ。中に入ってみると、広く豪華な部屋に皆驚いていた。
シュアンさん達の部屋は、クレセント本部にあるんだけど、中国にも拠点は必要だもんね。
「こ、ここが私達の部屋ですか?」×シュアン
「はい、ギルドが所有するマンションで最高の部屋になります」×ヤン部長
「ヤン部長に敬語で喋られると、違和感がありまくりなんだが?」×ソヒョン
「それだけ、ギルドへ貢献してくれたと言う事です」
「中々本気ですね~ ヤン部長?」×テユン
「既に、此処に住んでもおかしくないぐらいの実力を持っていると思っていますからね」
「今だから言えますけど、日本では大変でしたから」×フィ
「初めてヨウ君に会った日なんて、これから一体どうなるかと思ったしね?」×ギュリ
「まさか、何かしたのですか?」
「うふふ、ヨウ君に模擬戦を挑んだの♪ あの時は勝算は高いと思ってたしね」×ソンイ
「なっ・・・よく生きて帰ってこれましたね?」
「あの~ なんか僕の事を誤解してませんか?」
「フフ、すみません」
「まあ当然の様に負けちゃって、あまりの実力の違いに茫然としたわ」×シュアン
「しかも、シュアンが負けたら何でもするって、賭けまでしてたからな~」×ソヒョン
「み、皆も反対しなかったじゃない?」
「ウフフ、今思えば、無謀だったよね~」×テユン
「でも、今では私達を日本へ送り出してくれたヤン部長には、感謝しかないけどね」×シュアン
「・・・何故、私の前で専属職人の話しをするのか疑問に思っていましたが、そう言う事ですか?」
「誤解しないで下さいね? 本当に感謝してますから、恩返しをしたいだけなんです」
「フゥ~ 分かったわ。でっ? 私に何をさせたいの?」
「理解が早くて助かりますね。実はとっても良い話しがあるんですけど?」
「・・・どうせ断る選択肢なんて、ないんでしょ?」
「いえいえ、断ってくれても良いですよ。強制なんてしませんから」
「でも、断ったら絶対に後悔すると思いますよー」×テユン
「とりあえず、話を聞かせて貰えるのかしら?」
「此処からは、本当に秘密の話しになるんですけど良いですか?」
「ええ、嫌になる程分かってるわ」
「では、説明しちゃいますね」




