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第329話 まさかクレセントメンバーで争奪戦になるとは

評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございます。

日間ランキングに載り、総合評価が9000を超えました!


 兄貴さん達は、まだ信じられないのか、茫然としていたので実際に<激運>スキルオーブを見て貰う事にした。



「はい、これが<激運>スキルオーブです。お願いを聞いて貰えるなら習得しちゃって下さい」


「何度も言うが本当に本当なんだな・・・」


「あはは、本当に本当です」


「ほらほら、断る選択肢なんて無いでしょ?」


「俺の頭じゃ、幾ら考えても分からねえから悩んでんだよ。あ~ めんどくせえ。クゥシンお前に任せるわ」


「うふふ、私は受けるべきだと思います。


三日月さんが私達を騙すような理由がありません。


まして、こんな素晴らしい物を持っている三日月さん達が、私達にこんなお願いをするメリットがあるとは思えません。


本当に善意だけで、言っておられるのでしょう」


「分かった。お前等ありがたく頂戴しとけ」


「わ、分かりました」



 兄貴さん達は戸惑いながらも、全員<激運>スキルオーブを習得してくれた。


 習得し終わり、何となく<激運>スキルが分かったのだろう、皆笑顔になっていく。



「全くSSランクってのは、とんでもねえ物を持ってやがんな。本当に見返りは何も要らねえのかよ?」


「はい、中国で一番のクランになってくれれば、それで良いですよ。そだそだ。ついでにこれもどうぞ」



 僕は兄貴さんに<虚空庫>スキルオーブ、クゥシンさんに<鑑定>スキルオーブを手渡した。


 とってもアタフタされたが習得して貰うと、2人共目が点になっているのが面白かった。



「これで、これからのダンジョン活動が激的に変わると思いますから、頑張ってくださいね」


「ブハーーー! 呼吸をするのを忘れちまったじゃねーか?」


「うふふ、その気持ちは、良く分かるわ」×シュアン


「シュアン達が、とんでもなく強くなったのが分かる様な気がするよ」


「ええ、日本に行って、ヨウ君に会ってから激動の毎日よ?」


「だろうな。世の中には恐ろしい奴もいたもんだ。


三日月さんよ、本当にありがとな。


俺達に恩が返せるとは思えねえが、何か頼みてえことがあったら何でも言ってくれ」


「いえいえ。僕も目的が果たせて満足です」



 <激運>スキルがあれば初級ダンジョンでも、オーブやスクロールがドロップし易くなることを伝えると、また驚いていた。


 明日にでも僕達で近場の初級や中級ダンジョンで、どんなスキルがドロップするか調べてあげる事にした。


 僕なら確実に調べられるから、シュアンさん達のためにもなるしね。


 兄貴さん達も、明日は今日行った上級ダンジョンの地下1階から、<激運>スキルの効果を試してみるそうだ。


 兄貴さん達との話しが終わる頃、丁度良いタイミングで査定が終わったようだ。


 ヤン部長は宣言通り、かなり高額で買い取ってくれたようだ。


 これなら、オークションに出すのと変わらないかもしれない。


 僕達はヤン部長にお礼を言い、兄貴さん達より先に帰る事にした。


 ギルドの外へ出るまで見送ってくれたので、僕は手をブンブンと振って別れの挨拶をした。



「フゥ~ 限界まで査定を頑張ったが、納得してくれてホッとしてるよ」×ヤン


「わはは! 納得どころか、かなり喜んでたじゃねーか?」×ウェイ


「私の権限が許す限りの査定額を付けたが、それでもオークションに掛けた方が高額になるだろうな。


オーブやスクロールは兎も角、あのレアボス素材とラージオーガの角は査定額が読めなかったよ」


「そりゃそーだろうよ、あのラージオーガの角は馬鹿デカかったからな。


それはそうと、彼奴等の尾行を外しといて良かったな」


「な、何かあったのか?」


「ああ、今日6人ほど尾行が付いていたが、全員彼奴等に揶揄われたよ。


尾行してた奴等は震え上がっただろうな。


何時でも始末できますよって、警告されてたようなもんだったからな」


「・・・何をしたのか分からないが、あんなに可愛い顔して恐ろしいな?」


「ああ、本気で彼奴等は危険過ぎる。何が怖いかって、全くそう見えないとこだ」


「ウェイ達は大丈夫だったのか?」


「大丈夫どころか、かなり気に入られたようだ。何の冗談か分からねえが、俺のファンらしい?」


「フフフ、何故か男からは人気があるじゃないか?」


「馬鹿野郎! 俺は女にモテたいんだよ。まあ、あれだけ慕ってくれたら悪い気はしないけどな」


「お前のとこが潰されなくて良かったよ」


「あ~ 『ドーシー』みたいにか?」


「私がどれだけ焦ったか分かるか?」


「わはは! ありがとな。一応礼を言っておくわ。


彼奴等以外にも厄介なクランはあるが、警告してやる義理はねえからな」


「それはギルドも同じだが、クレセントに迷惑が掛かりそうなら、先にギルドが動かないとな」


「それが良い。そん時は俺にも教えてくれや」


「お前も、お友達作戦か?」


「いいや、俺達は神様みてえに崇める事にした」


「おいおい、洗脳とかされてないよな?」


「わはは! たぶんな♪」


「止めてくれ・・・私から見たら神か悪魔ってレベルなんだからな?」


「両方だ!」


「なに?」


「彼奴等には、いや、彼奴には両方住んでるんだよ。


その証拠にシュアン達も、俺達では絶対に勝てないぐらい強くなってやがったからな」


「・・・あまり、私を虐めないでくれよ?」


「しょーがねえだろ? 本当の事なんだからよ」


「分かった。私も見習う事にするよ」


「わはは! それが良い♪」


◇    ◇    ◇    ◇    ◇


 僕達はシュアンさん達と共に中国の拠点に戻り寛いでいたが、そろそろ日本へ帰ろうかとしてると工芸士であるルイさんから連絡が入った。


 話しを聞くと大急ぎで1つ作ったから、僕達の所まで渡しに来てくれると言う内容だった。


 せっかくなので、それを貰ってから日本に帰る事にした。


 天安門広場の入り口で待ち合わせをし、部屋に招待するとペコペコとお辞儀をして遠慮しまくっているのが可愛らしい。



「んふふ、そんなに遠慮しなくても良いわよ?」


「す、すみません、女性が多すぎて・・・」


「それに皆さん。とても綺麗って言うか、綺麗過ぎませんか?」


「あはは、手を出したら殺しますよ?」


「ええっ?」


「こらこら、ヨウ君そんな怖い冗談言わないの」


「ちゃんと言っておかないと、分からないじゃ無いですか?」


「うふふ、でも、ようやく私達も視界に入ったって事じゃない?」×シュアン


「そういや、ヨウ君と素材しか見てなかったよな」×ソヒョン


「すみません。素材を譲ってくれるまで必死だったから」


「フフ、職人さんは、どこの国でも一緒ですね」


「あっそうだ! 渡しておきますね。大急ぎで作りましたけど、間違いなく僕の最高傑作です」



 ルイ君が持ってきてくれた作品は、綺麗なハンカチに包まれていた。


 それを丁寧に開いてくれ中を見ると、可愛らしい猫が彫られたピンバッチだった。


 ラージオーガの角から作ってくれたので、色は黒っぽく落ち着いた感じの作品だ。


 可愛いな~っと思いながらも、<鑑定>スキルを使い性能も見てみる事にした。


 次の瞬間、僕と同じタイミングで<鑑定>をしたのか、全員立ち上がった。



「「「「「「「「「「「「「買った!」」」」」」」」」」」」


「私が買うわ!」×アヤメ


「駄目よ? 私が買うんだから」×ナギサ


「駄目だよ。これは僕が買う」×ツドイ


「フフ、これは譲れませんね」×リラ


「リラ姉でも駄目~ 私が貰うんだから」×ノノ


「姉さん達だけで狡いわ、私も欲しいです」×シュアン


「ここは、公平にジャンケンにしようよー」×テユン


「それが良いわ」×フィ


「アヤメ姉さん達には、ジャンケンでも勝てる訳ないでしょ?」×ギュリ


「ああ、そうだった。アミダクジにしよっか?」×ソンイ


「・・・私も欲しいかも」×ソヒョン


「み、皆さん駄目ですよー、これは僕がルイさんに頼んだ物なんですからー」


「ヨウ君狡いわ。独り占めする気?」


「僕が試してみますから♪」


「ブーブー、狡いー」×シュアン達


「横暴だー」×アヤメ達


「あはは、何を言われても譲りませんよ? リーダーさん特権です♪」


「み、皆さん何を?」


「フフ、ヨウ様。とりあえず、仮契約を取りませんか?」


「『仮』じゃなくても良いかもしれませんが、そうですね。他の作品も見せて貰わないと」


「それだーーーーー♪」×全員


「ヨウ君。天才!」


「ルイさん、ルイさん」


「は、はい」


「他の作品も見せて貰いたいんですけど、良いですか?」


「それは良いですけど、そうだ! 竹細工も作って来たんですけど、見て貰えますか?」


「もちろんです」


「下手くそで恥ずかしいんですけど・・・どうぞ見て下さい」



 ルイさんが照れながら出してくれた竹細工は、竹を細く切りソフトボールぐらいの大きさに編み込まれた置物だった。


 下手とは言っているが綺麗に編み込まれており、僕ではどうやって作ったのが分からないぐらい見事な出来栄えだった。


 そして、驚く事に<鑑定>してみると、この竹細工の置物には癒しの効果が付与されており、見ているだけでも和やかな気分になる。


 これは、もう間違いないなと思い、全員でルイさんの作品を見に行くことにした。


 ルイさんは自宅と言うか一人で工房に住んでいるらしい、そこに今まで作った物が置いてあるようだ。


 此処から結構離れた所になんだけど、自転車で持ってきてくれたのが嬉しい限りだ。


 僕はルイさんの自転車を<虚空界>へ収納し、ツドイさんのマイクロバスで行くことにした。


 ルイさんの自宅兼工房へ着くと、早速作品を見せて貰う事にした。


 ルイさんは狭くて散らかっているので恥ずかしいと言っていたが、そんなの気にしないと伝え工房へ入らせて貰う。


 そこには色々な作品が置かれており、若いのに大したもんだなと皆で感心した。


 しかし、全ての作品を見せて貰ったが僕が期待した付与効果は、どれにも付いていなかった。


 何故だろうと考えていると、リラさんが答えを教えてくれた。



「ヨウ様、此処にある作品は、ダンジョン素材では無いのではありませんか?」


「それだーーー! そっか、それでかー! ルイさん、ルイさん」


「はい?」


「ひょっとして、ダンジョン素材で作品を作るのは、初めてだったりします?」


「はい、ダンジョン素材はどれも高いんです。


僕、ずっとお金を溜めてて、ようやく買えそうなお金が溜まったので、今日買いに行ったんです。


全然、足りませんでしたけど・・・三日月さんには感謝しかありません」


「んふふ、なーるほどね」


「後は、交渉あるのみね」


「はい」


「ルイさん。良かったら僕達から無料でダンジョン素材を提供しますから、出来た作品は、全て僕達に売ってくれませんか?」


「ええっ!」


「とりあえず仮契約って事で、あの猫のピンバッチと、竹細工は買い取らせて貰いますから」


「リラさん値段の方は、どれぐらいが良いでしょう?」


「あの大きさのピンバッチなら、1本の角から200個程作成できるとして」


「原価が1つ1万5千円ぐらいになりますので、3万~5万でどうでしょう?」


「じゃ、1つ5万円として、200個で1000万円か」


「元なら50万元ぐらいかな?」


「はい、竹細工の方は竹1本で、どれぐらい作成できるのか分かりませんので、値段を出すのは難しいですね」


「なるほど。とりあえず、ピンバッチ1つで2500元で如何です?」


「ええっ? もしかして、本当に売値の話しをしてるんですか?」


「あはは、もちろんです」


「嘘ですよね? だって僕、素材も5万元しか払ってないのに・・・」


「そこは、技術料と言う事で?」


「んふふ、200個作ってくれたら50万元だから、45万元の儲けね」


「うはっ! そんなに貰えませんよー」


「でも、皆欲しがるだろうから、是非売って貰いたいんですよ?」


「フフ、では、とりあえず200個出来た時に、再交渉したらどうでしょうか?」


「ふむふむ。ルイさん、あのピンバッチと同じものを200個依頼しても良いですか?」


「同じぐらいの仕上がりなら、1つ2500元で買い取りますから?」


「僕からも是非、お願いしたいぐらいです。


だって、ダンジョン素材で作らせて貰えるだけでも、僕にはメリットがありますから」


「交渉成立ですね。余裕があったら、竹細工の方もお願いしても良いです?」


「はい、3日もあったら200個作れますから、その後なら」


「楽しみにしてますね」


「やたー♪」×全員



 ルイさんの返答に皆は喜びの声をあげた。


 何故ならルイさんが僕にくれたピンバッチの効果は、予想も出来なかった嬉しい効果だったからだ。


 なんと、なんと<鑑定>した結果は『猫科の動物に対し親密度上昇効果、付近にいる猫は対象者の下に集まって来る』と言うものだった。


 アヤメさん達だけではなく猫好きの僕としては、なんとしても欲しい一品だったんだよね。



「ではルイさん。ピンバッチと竹細工それと手付金として、10万元渡しておきますね」


「ええっ! そんなに頂けるんですか?」


「はい、残りの作品も頑張って欲しいですし」


「分かりました。精一杯頑張って作りますね。本当に、ありがとうございました」


「いえいえ、こちらこそ」



 僕はルイさんへの依頼を終えると、そのまま日本へ帰る事にした。


 クレセント本部に到着すると、皆僕が持っている猫ピンバッチが気になるようだった。



「ねーねー、ヨウ君。今から猫喫茶行こーよ」


「猫喫茶って何ですか?」


「ええっ! ヨウ君、猫喫茶知らないの?」


 プルプル! 「聞いた事ないですね」


「んふふ、ヨウ君が住んでたとこには、無いかもだからね」


「えっとね、猫を放し飼いにしてる喫茶店があるのよ」


「へえ~ 都会には、そんな喫茶店もあるんですね~」


「都会じゃ無くても、猫喫茶ぐらいあるわよー」


「でも、もう夕方だよ? お店閉まってるんじゃない」


「んふふ、今すぐ行ったら、間に合う所があるんだよね~ 早く早くー、急がないと閉まっちゃうー」


「あはは、はいはい」



 僕はナギサさんに引っ張られながら、大急ぎで一番近くにある猫喫茶に出掛けることになった。


 なんやかんや言いながら、アヤメさん達とシュアンさん達も一緒に行くことになった。


 急いだ甲斐もあり、お店が閉まる前に到着し、カウンターで飲み物を頼んでから店内に入った。


 店内には10匹ぐらいの可愛らしい猫がいて、皆可愛らしかった。


 猫は見ているだけで癒されるな~ っと思っていると、ニャーニャーと声を出しながら、店内にいた猫が全て僕に集まってきた。


 足の踏み場が無くなってきたので、ソファーへ座ると膝の上や肩にまで乗って来る。


 猫達は頭や体を僕に擦りつけてきて、とっても可愛い。


 僕は思わず笑顔になり猫達を可愛がっていると、皆一斉に僕をジト目で見だした。



「ヨウ君、狡~い」×全員


「あはは、これって凄い効果ですね」


「あ~ん、早く私も欲しい~」


「フフ、慌てなくても、3日後には貰えますよ」


「そう言えばヨウ君にしては、控えめな買い取り価格だったわね?」


「本当は、もっと渡したかったんですけど、あんまり高額にすると怪しまれるかなって思ったんですよ」


「なるほどね、確かにそれはあるかも?」


「フフ、あれでも、かなり高額だと思いますよ?」


「まあ1つ5万円だもんね、小さな宝石買えちゃうわ」


「効果を考えると5万円でも安いでしょ?」


「あはは、そうね。私なら絶対買っちゃうわ」


「犬とか鳥をモチーフにして作って貰ったら、同じ効果が付くのかな?」


「それは、要検証ですね」


「ピンバッチじゃなくて、指輪とかネックレスで作って貰っても良いわね」


「僕はキーホルダーが良いな、スマホに付ける様なストラップでも良いけど」


「んふふ、可愛いの作って貰えたら、全部買っちゃいそう」


「あの癒し効果付きの竹細工もリビングに置いときたいですしね」


「フフ~ 良い職人さん見つけちゃったね」


「女の子なら、クレセントメンバー入りだったのに?」


「胸の大きな女の子だったらでしょ?」


「確かに♪」×全員


「誤解ですー、大きな誤解してますからー」


「あはははは♪」×全員





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