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第328話 中国でも職人さん達は逞しいですね


 僕達はラージオーガの群れを倒し終わってから、タケノコ狩りをすることになった。


 タケノコは大きく育ち過ぎた物は駄目で、小さいのを探していく。


 特にまだ地面から出ていない物が良いらしく、少し土が盛り上がっているところを探していくらしい。


 こういうことは勘の鋭いノノさんが大得意なので、次々に最高のタケノコを見つけてくれた。



「・・・全然、分からないんだけど?」


「フフ~ いっぱいあるよー、ほらそことか、そこもー」


「あった! 流石ノノだね」


「また、シオに良いお土産が出来たわね」


「あはは、いっぱい採って行かないとですね」


「それにしても、こんなに良いタケノコは初めて見るな」×ウェイ


「今まで誰も、此処には取りに来れませんでしたからね」×クゥシン


「そうなんだ? なんか得した気分ですね」


「フフ、竹も取っていきますか、ヨウ様?」


「そうでした。竹も凄く価値があるんでしたね。ツドイさん、根元から斬って貰って良いですか?」


「良いよ、僕にお任せ!」



 ツドイさんは薙刀を横一線に振るってくれると、数百本の竹が扇形に倒れていった。


 ウェイさん達はもちろんシュアンさん達まで、その光景に驚いていた。



「流石ツドイさん。綺麗に切れてますね」


「ヨウ君に褒められちゃった♪」


「んふふ、竹林が無くならなくて良かったわ」


「がーん、がーん! 僕の評価が下がったままなんだけど?」


「あはははは♪」×アヤメ達


「・・・なー、ひょっとして竹を気にしなかったら、すぐ終わってたのか?」


「そうね、ツドイなら一撃だったんじゃない?」


「あー、また僕の評価を下げるんだから、誰がやっても一撃だろー」


「アヤメがやってたら、竹なんて残らないけどね」


「ヨウ君じゃないんだから、魔法でも上手くやりますー」


「また、僕に飛び火したじゃないですかー」


「・・・・・・・・・・」×ウェイ達


「あまり気にしちゃ駄目ですよ? ヨウ君達は違う世界の人達ですから」×シュアン


「んふふ、シュアン。肩が凝ってそうね?」×アヤメ


「あっ! 冗談です。失言です! ご、ごめんなさい。許して下さい」


「だ~め♪」×アヤメ達


「あはは! だ、駄目ー、擽ったいー♪」


「うひゃ! わ、私は何も言ってないだろー」×ソヒョン


「連帯責任だよ?」


「シュ、シュアンが余計な事言うからー」×フィ


「あは、あはは! ひぃー、擽ったいーーー」×テユン



 しばらくの間、シュアンさん達はアヤメさん達に擽りまくられ、グッタリとしてしまった。



「はーはー、エライ目にあったわ」×ギュリ


「もー、シュアンのせいなんだからね?」×ソンイ


「ごめんなさい。ふぅ~ 呼吸が出来なくて死ぬかと思ったわ」


「これぐらいで参ってたら、ヨウ君を揶揄えないよ?」


「ヨウ君を揶揄ったりしませんからね?」


「懲りずにヨウ君を揶揄うのは、ツドイぐらいよ?」


「む~ つい、言っちゃうんだよね、皆も分かるだろ?」


「ヨウ君のやる事に、イチイチ突っ込んでたらキリが無いでしょ?」


「んふふ、まあね」


「アヤメさん達だって、もう僕と同類なんですからねー」


「他の人から見たらそうかもね」


「そだっ! 兄貴さん、兄貴さん」


「ん?」


「兄貴さん達も、竹要りますよね?」


「何時も頼まれるんだけどよ、かさ張るから持って帰れねえんだわ。それにしても、この竹も見た事ねえぐらい上物だぞ」


「じゃ、尚更持って帰らないとですね~ 欲しいだけ言って下さい。一緒に持って帰りますから」


「そういや、<虚空庫>持ちなんだよな、悪いが頼んで良いか?」


「はい」


「職人達が喜ぶぜ」



 僕達は欲しいだけ<虚空界>に収納し、先に進む事にした。


 兄貴さん達の戦闘も見せて貰ったけど、流石地元なだけあり危なげなく倒している。


 でも、一撃で倒せる訳では無いので、複数の魔物の対処は難しいのが分かる。


 ステータスは兎も角、もっとスキルがあったら楽に倒せるのに勿体ない。



「フフ、次の候補は『力拳』ですか?」


「うはー、リラさんには、何時も驚かされますね?」


「唯の勘ですから」


「やっぱり、リラさんも勿体ないと思いますか?」


「そうですね。これだけ大型の魔物が多いと、攻撃力か防御貫通のスキルが欲しいところですね」


「そうなんですよー、怪我人も多くなるでしょうし」


「フフ、もう決めておられるのでしょう?」


「とりあえず、今日帰るまでには決めようかと思ってます」


「んふふ、ファンだしね」



 それから、数時間かけて地下11階を探索し、少し早いけど今日は帰る事にした。


 流石に、兄貴さん達を<念動力>スキルで移動さす訳にはいかないからね。


 地下12階に下りて、転送クリスタルでダンジョンの外へ出た。


 すると、1人の男性が僕の前に来たかと思ったら、いきなり土下座しだした。



「お願いします。どうかオーガの角を売ってください」


「ええっ?」


「お願いします。1本でも良いんです、どうかどうかお願いします」


「分かりましたから、土下座は止めて下さい」


「本当ですか? や、やったー♪」


「んふふ、そんなにオーガの角って人気あるのかな?」


「ああ、俺等でも1日掛かりで数個しか手に入らねえからな」


「大概オークションに掛けるし、高額になるからな」


「それより、長い事此処に居たら囲まれるぞ?」


「えええっ!」


「逃げるわよ。ヨウ君」


「はい、えっと、ギルドまで着いて来て貰っても良いですか?」


「もちろんです。売って貰えるなら、どこへだって行きますよ」



 僕は急いでツドイさんにマイクロバスを出して貰い、全員車でギルドへ向かう事にした。


 ついでに男性にも乗って貰い、一緒にギルドへ行くことになった。



「うわ~ あっぶないとこだったわね、商人さんみたいな人達が群がってるわよ?」


「わはは、彼奴等も必死だからな」


「そうなんですよ。僕は今日ラッキーでした」


「有名なSSランクさんなんだから絶対に持ってると思って、ずっとダンジョンの出口で張り付いてたんです」


「フフ、見たところ若そうに見えますが、職人さんなのですか?」


「はい、まだ見習いなんですけど、ダンジョン素材専門の工芸士になりたいんです」


「へえ~ どんなの作ってるのかな?」


「結構なんでも作りますよ? アクセサリーみたいな小物から、防具とか竹細工の置物とかも作ります」


「ふむふむ。なら竹も欲しいですか?」


「うはっ! 竹も取ってきたんですか? あっ、でも細い竹だったり?」


「フフ~ ちゃんと太い立派な竹だよ?」


「ほ、欲しいです! 是非、是非、欲しいですー、ああ、でも僕そんなにお金持ってないから・・・


ローンで、い、いえ、僕の持ってるの売りにだして直ぐにお金を作ります。


銀行でも借りれるかな・・・と、とりあえずお金は直ぐに」


「あはは、落ち着いて。ダンジョン素材はシュアンさん達がお世話になっているギルドに卸そうと思ってたんですけど、いくつかお譲りしますから」


「ありがとうございます」



 僕は見るからに嬉しそうにしている工芸士の男性に気分を良くし、一緒にギルドへ入って行った。


 僕達がギルドへ入ると、直ぐにヤン部長が来てくれ個室へ案内してくれた。



「部長さん自らなんて、ありがとうございます」


「いえ、三日月さん達には、私が担当しますので、お気にせず」


「わはは! 今日は大人しいじゃねえか?」


「揶揄わないでくれ。分かるだろ?」


「ああ、それで正解だよ」


「えっと、じゃあ、とりあえず兄貴さん達の素材を出していきますね~」



 僕はラージオーガのドロップ品と採集品の竹を、ドカドカと個室へ出していった。



「・・・・・・・」×ギルド職員


「お、おい、これは多すぎだろ?」×ウェイ


「でも、ちゃんと3等分しないとだから?」


「俺等が取った分だけで良いからよ」


「じゃ、これぐらいにしときますね」



 竹は大き過ぎてテーブルに乗らなかったので、床に積み上げていき小山の様になっていた。



「これでも多すぎだぞ?」


「まあ、沢山ありますから、遠慮せずどぞどぞ」


「それにしても、<虚空庫>ってな反則だよな」


「あはは、便利なスキルなんで重宝してます」


「・・・これだけ大量に取って来れたってことは、あの魔物もかなり倒されたのですね?」


「かなりなんてもんじゃねーぞ、300体ぐらいの群れを壊滅させてたからな」


「はい?」


「あ、あの魔物を300体? まさか?」


「わはは! 言葉が素に戻ってんぞ」


「お、お前が、変な冗談を言うからだろう?」


「冗談なんかじゃねえよ? ラージオーガの巣を殲滅しちまったよ。モンスターエリアって言うらしいがな」


「な、なんだと? そう言えば、見た事もないような立派な竹だと・・・」


「おう、そこで採ってきた竹だ。あそこのタケノコも凄かったぞ」


「そだそだ。兄貴さん達の分のタケノコも出していきますね~」



 僕がテーブルの上にタケノコも出していくと、クゥシンさんは目を見開いて驚いていた。



「これは・・・もちろん。卸してくれるんだよな?」


「ああ、俺達の分はな」


「ま、まさか?」


「ごめんなさい。僕は食材は売らないんですよ。でもシュアンさん達がお世話になっているギルドだし、食材以外なら卸しますね」



 僕達は適当に残しつつ、今日手に入れたダンジョン素材を<虚空界>から出していった。



「ちょ、ちょっと待ってください。スキルオーブや魔法スクロールまであるではないですか」


「はい、全部卸しちゃいますね」


「ラージオーガの素材まで、こんなにも・・・」


「あはは、いっぱい倒しましたから」


「ヨウ君、ボス素材も卸しても良いですか?」×シュアン


「良いですよー」


「では、私達が手に入れた素材も下ろしますね」



 シュアンさん達も、タケノコ以外の素材を全部<虚空庫>から出していった。



「お前等も<虚空庫>持ってんのかよ?」


「うふふ、私達も頑張ってるのよ?」


「これは、地下10階のボス素材・・・いえ、まさかレアボスを倒されたのですか?」


「うふふ、流石ヤン部長。分かる?」×ギュリ


「私達で倒して来たんだよー」×テユン


「・・・驚きました。レアボスの素材を持ち込まれたのは初めてです」



 これで全員が出し終わると個室が、素材で溢れかえっていた。


 ヤン部長の笑顔が、引き吊っているように見えるのは気のせいだろう・・・



「あっ! そうそう。工芸士さんにもラージオーガの角を渡しときますね」


「ありがとうございます。僕、メチャクチャ嬉しいです♪


あの、この角僕が知っている物より大きいんですけど、幾らぐらいになるのでしょうか?」


「あ~ 僕にも分からないんですよね、ヤン部長これって幾らぐらいですか?」


「オークションには掛けないのですか?」


「はい、全部ギルドに卸しちゃいます」


「オーブやスクロールもありますし、オークションに掛けた方が高額になるのは御存知ですよね?」


「はい、でも別に良いですよ?」


「ありがとうございます。精一杯頑張らせて貰います。


それにしても立派な角ですね・・・これなら過去最高の値が付くと思います。


15万元を下回る事は無いでしょう」


「ええええっ! そ、そんなに高いんですか・・・」


「日本円で言ったら、どれぐらいなんですか?」


「大体300万円ぐらいでしょうか」


「なるほど。結構高いんですね、幾らぐらいなら払えます?」


「・・・ごめんなさい。頑張っても5万元ぐらいしか」


「ふむふむ。じゃあ、それで1本譲ります。でも、その代わり出来た製品を1つ僕にくれませんか?」


「そ、そんなので良いんですか?」


「はい、どんな物が出来るのか、僕も興味がありますし」


「でも、僕が作る物に10万元の価値は無いんですけど・・・」


「ちょっと興味が湧いたので、お試しと言う事で貰っておいて下さい」


「ありがとうございます。僕、頑張って良い物を作ります」


「竹もサービスで付けちゃいますね」


「うわー、うわー、僕、絶対に頑張りますね。早速、持って帰って何を作るか考えます」



 一応、見習い工芸士である男性の名前と、連絡先を聞いておいた。


 名前は『ツァイ・ルイ』さんと言うらしい、ルイさんと呼ぶことにしよう。


 年齢は僕と同い年の18歳で、小柄で活発な職人さんだ。


 ルイさんは僕達に何度も頭を下げてくれ、笑顔で帰って行った。


 あれだけ喜んでくれると僕も嬉しくなる。


 ヤン部長は査定に時間が掛かると言うので、僕達は別室で待つ事になった。


 お菓子や飲み物まで用意してくれ、サービス満点だ。



「なあ、そろそろ教えちゃくれねえか?」


「ん? なんのことですか?」


「惚けんなって? なんか目的があって、俺達をダンジョンに誘ったんだろ?」


「あはは、目的って言うか、もう少し兄貴さんと一緒に居たかったんですよ」


「って事は、なんか試されたって事か?」


「フフ、豪快な方なのに、聡明さも持ち合わせておられるのですね」


「んふふ、流石は中国のトップクランリーダーね」


「やっぱり、なんかあったんじゃねえか?」


「ん~ そこまで聞くなら言っちゃいますけど。ちょっと、お願い事をしたかったんですよ」


「・・・ちょっと待て。簡単に言えない様な頼み事って事か?」


「うわ~ 本当に理解が早いわね」


「なんか、嫌な予感がしてきやがったぞ?」


「ククッ! 勘も良いね?」


「ちょっと、質問しても良いですか。兄貴さん?」


「・・・ああ」


「もしですよ? 誰かにバレたら命の危険もある秘密があったとします。


その秘密をクランメンバーが誰かに喋っちゃったら、その人を始末出来ますか?」


「んあ? 始末って、そういう意味だよな?」


「そういう意味ですね」


「なんて、質問しやがるんだよ・・・」


「ぶっちゃけて言いますと、兄貴さんには無理なんじゃないかと思ってます。


僕の勘なんですけど、どうですか?」


「・・・おっしゃる通り、リーダーにはそんな事できないと思います」×クゥシン


「おい?」


「そんな時がくれば私が動くでしょう」


「フフ、予想通りの返答ですね。ヨウ様」


「はい、クゥシンさんだけじゃなくて、此処に居るパーティの誰もがそうすると思います」


「なんで、そんな事がお前に分かるんだよ?」


「ごめんなさい。実は皆さんも色々と試させて貰ったんですよ。


その結果、此処に居る皆さんは兄貴さんの事を、心の底から慕っていると判断しました。


兄貴さんの底抜けの優しさは最大の長所ですが、短所でもあると思います。


本当はクランメンバー全員へ、お願いしたかったんですけど無理そうなので、此処に居る皆さんにお願いしてみる事にしました。


皆さんなら秘密を守れると思うんですけど、兄貴さん此処にいる皆さんを信用できますか?」


「嫌な言い方しやがるな・・・信用出来るに決まってんだろが?」


「良かった。でも、お願いって言ったらお願いなんですけど、決して損なお願いじゃ無いですよ?」


「私からも一言だけ言わせて貰うけど、ヨウ君は誰にでもお願いするわけじゃないのよ? これを断ったら一生後悔するのだけは保証するわ」


「なんて、気になる言い方をしやがるんだよ?」


「あはは、此処からの話しは内緒でお願いしますね」


「待てって、俺だけで聞くからよ」


「駄目ですよ兄貴。もちろん、俺達も一緒に聞きますから」


「馬鹿野郎! こいつの言う事は、聞くだけでもヤバいぐらい分かるだろ?」


「大丈夫ですよリーダー! 誰にも言わなければ良いだけですから」


「流石、兄貴さんのパーティだけあって、皆良い人ですね」


「じゃ、言いますね~」


「・・・馬鹿野郎共が、本気で誰にも言うんじゃねーぞ?」


「分かってますって」


「えっとですね~ 僕は幾つかのクランに冒険者の底上げを、お願いしてるんですよ?」


「ああ? 底上げってどういうこった?」


「簡単に言うと、魔物のドロップ率が跳ね上がるスキルオーブがあったりします」


「はあああああああああ!!!!!」×兄貴さん達



 僕は何時もと同じ様に<激運>スキルの説明をし、習得して貰えるようお願いした。


 本当ならゴールドスライムもクランに設置して欲しかったんだけど、兄貴さんの性格なら負担になりそうだから止めておいた。


 此処に居る6人だけでも<激運>スキルを習得して貰えれば、『力拳』クラン自体のレベルも跳ね上がるだろう。




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