第324話 中国に遊びに来ちゃいました
翌日、昨日中国のダンジョン話しを聞いたせいか、とっても行きたくなり朝食の時にシュアンさん達に付いて行って良いか聞いてみる事にした。
「えっと、シュアンさん。今日ちょっとだけ覗きに行っても良いですか?」
「ええっ! まだ、ギルドに何も言ってないんだけど?」
「良いんじゃない、飛び込みで行ってもさ。元々連絡してから行くとこでもないし?」
「そりゃそうだけど。ヨウ君は、普通の冒険者じゃないから」
「ちょっと待ってください! 僕、普通の新人冒険者ですよ?」
「あはは、新人だけど普通じゃないかな?」×テユン
「そういや、新人なんだよな~ 信じられねえけど」×ソヒョン
「見た目は、ずっと新人(ぼそっ」×ツドイ
「ツードーイーさ~~~ん? 何か言いました?」
「僕、何も言ってないかな」
「あはは、聞こえちゃいましたー、30時間こちょこちょコース!」
「ひぃぃ! 僕、死んじゃうーーー! 許してええええええええええ!」
「だーめーでーすー!」
「うひゃああああああああああああああ!」
「んふふ、いい加減、懲りなさいよね」
それから僕は、ツドイさんを追い掛け回し、呼吸が出来ない程、擽りまくって10分程で許してあげた。
「ヒーハー、ヒーハー、死ぬかと思った」
「余計な事言うからでしょ?」
「何て言ったっけ、僕?」
「何言わせようとしてるのよ、そんな手に乗る訳ないでしょ?」
「んふふ、無駄よ。ツドイ」
「ん~ ミナミー、さっき僕何て言ったっけ?」
「ば、馬鹿野郎! こっちに振るんじゃねえ」
「道連れは無理か~ 残念!」
「怖い事考えてるんじゃねえ、本気で止めろよな~」
「ミナミは、もう慣れてるんじゃない?」
「一度味わってみろよ? あれに慣れるなんて不可能だからよ」
「知ってるわよ。私達も何度か口を滑らせてるし」
「でも、メイドさん達は、まだなんじゃない?」
「な、なんて恐ろしい事を言うんですか。ナギサ様」×カンナ
「ちょっとは興味あるんじゃない?」
「そうなんですか?」
「だ、駄目です! ヨウ様。私達なら本当に呼吸が止まりますから」
「あはは、大袈裟ですよ?」
「一度は体験しといても良いんじゃない?」
「だ、駄目ですーーー!」
「あはははは♪」
「カンナさん可愛いですね~」
「そんな、ヨウ様・・・照れますから」
カンナさんは、皆からも可愛いと言われ照れまくっていた。
僕は朝から楽しい気分になり、御機嫌だ!
「ところで、シュアン達が行ってるのって、北京上級ダンジョンかな?」
「そうよ。今は地下12階を探索中かな」
「シュアンさん達でも、あんまり進んでないって事は何がそんなに厳しいんですか?」
「ん~ 日本と比べたら、魔物が大きくてやり難いかな?」
「でも、最近まで初級・中級ダンジョンで、スキルや魔法スクロール集めしてたのよね」
「なるほど。ちゃんと、安全第一でやってくれてるんですね」
「うふふ、それもあるけど、ポンポンドロップするから楽しいのよ」
「あはは、それ分かる」
「でも、大型の魔物が多いのか~ 楽しそうですね?」
「フフ、大型の魔物は、倒し甲斐がありますからね」
「そんな事が言えるのは、ヨウ君達だけだと思うんだけど?」×テユン
「んふふ、シュアン達も慣れたら、楽しくなると思うわよ?」
「今でも、人間離れしていってると思うんだが?」×ソヒョン
「フフ~ 私達から見たら、マダマダだから頑張ってね」
「嬉しいんだか、怖いんだか分からなくなる~」×ソンイ
「とりあえず、今日は北京上級ダンジョンを覗きに行きましょか」
「おー♪」×アヤメ達
「だ、大丈夫かな~」×フィ
「間違いなく、皆驚くでしょうね」×ギュリ
僕達は朝食を食べ終わると、早速シュアンさん達と一緒に中国へ飛んだ。
僕達は周りをキョロキョロと見ながら、シュアンさん達に付いて行く。
「・・・やっぱり、思いっ切り注目を集めてるわね?」×シュアン
「そりゃそうだよー、アヤメさん達って目立ち過ぎるんだもの」×テユン
「んふふ、私達をそんなに褒めても何にもでないわよ」
「シュアン達も可愛いよ?」
ゾクゾクッ! ×シュアン達
「ひゃあ! やめてー、ツドイさんに言われると、変な気分になっちゃうから」×ギュリ
「ツドイ。こんなに人が多いとこで駄目よ?」
「あれれ? 僕、話しかけただけなんだけど?」
「あはは、アヤメ達だけじゃなく、ヨウ君もさっきから何度も指を挿されてるな」×ソヒョン
「流石SSランク、有名人だね?」×ソンイ
「あはは、照れますね」
僕達は初めて行くダンジョンなので、北京ギルド本部に手続きをするために立ち寄った。
ギルドに入ると予想通り、僕達は注目を集め全ての人の足を止めた。
「お、おい、あれって?」
「間違いない。SSランク、三日月陽だ」
「なんで、そんな大物が此処に居るんだよ?」
「分からねえけど、シュアン達が連れて来たみたいだな」
「あいつら、日本に行ってたけど、あんな大物と知り合ってたのかよ?」
「それにしても、実際に見ると本当に少年みたいだな」
「ああ、それに、女性達も綺麗過ぎるだろ?」
「あの、美しいシュアン達が普通に見えるぐらいにな」
「か、可愛い~♪」
「キャーーー! 手を振ったら、振り返してくれたんだけど?」
「なにあの可愛い生物は? 持って帰りたいんだけど」
「声、掛けちゃ駄目かな?」
「あのシュアンさん達のガードを潜り抜けれる?」
「・・・あはは、無理そう」
「あ、あの・・・シュアン様?」×受付嬢
「ごめんなさいね騒がせちゃって。とりあえず、警備員を付けてくれたら嬉しいんだけど」
「はい、直ぐに手配します」
「それと言い難いんですが、上司と会って貰っても良いですか?」
「手続きだけして、直ぐにダンジョンへ行くわけにはいかない?」
「そこを何とか・・・このまま帰したら、私が怒られちゃいます」
「フゥ~ 何時もお世話になってるしね、それに此処に居るより目立たなくて良いか・・・良いわ、個室へ案内して」
「はい、ありがとうございます」
僕達はシュアンさん達と一緒に、豪華な部屋に通され、コーヒーまで淹れてくれた。
「ごめんなさいヨウ君。やっぱり、素通りはさせてくれなかったわ」×シュアン
「あはは、別に良いですよ。コーヒーまで淹れてくれましたし」
「幸い社長は居ないみたいだから、部長さんにだけ挨拶に来るみたいなのよ」
「んふふ、さぞかし慌てたでしょうね」
僕達は、しばらくコーヒーを飲みながら待っていると、先ほどの受付嬢さんが慌てて部屋に入ってきた。
「良かった。ちゃんと待っててくれたんですね」×受付嬢
「コーヒーまで淹れてくれたんだから、逃げる訳にはいかないでしょ?」
「ありがとうございます。では、部長さんをお通しいたしますね」
「ええ」
受付嬢さんがドアを開けると、そこには見るからに仕事ができそうな美しい女性が立っていた。
年は30代前半ぐらいだろうか、怒ったら怖そうな人だけど引き込まれそうな魅力がある。
こういう人を女王様タイプと言うのだろうか・・・視線に気をつけないと怒られそうだ。
しかし、彼女も僕達を見て目を見開いて驚いて居るようだ。
ん? 良く見るとアヤメさん達を凝視しているのかな?
「おまたせ致しました。私は当ギルドで部長をしているイー・ヤンと申します。
世界でたった1人であるSSランクの方に、お越しいただけるなんて光栄です」
「あはは、そんなに大した者じゃないですよ?」
「うふふ、テレビでお見受けした通り、謙虚な方なのですね。
シュアンさんも人が悪いですね。こんな有名人とお知り合いになっていたとは驚きました。
事前に言って下されば、職員一同でお出迎え致しましたのに」
「三日月さんの事を言わなかったのは、私の親切心だと思って下さい」
「えっ?」
「此処に来る前に事前連絡も、しようとは思ったんですけどね」
「すみません。僕が急にお願いしちゃったんですよ」
「そうでしたか。今日は、北京上級ダンジョン目的でしょうか?」
「はい、後は中華料理ですね」
「うふふ、もし宜しければ、私達が接待させていただきますが?」
「いえいえ、シュアンさん達にお願いしてるので大丈夫です」
「分かりました。もし、何かご要望がありましたら何でもお伝え下さい。出来る限りの事はギルドでさせていただきますので」
「大サービスですね?」
「SSランクの方と知己になれるのでしたら、当ギルドにとっても喜ばしいことですので」
「そこまで言って貰えたら、サービスしたくなっちゃうじゃないですか?」
「もちろん、ドロップ品の査定は全力で頑張らせて貰います」
「あはは、あまり期待しないで下さいね」
部長さんは気の強そうな方だったけど、流石に偉くなるだけあり喋り易く、こんな子供みたいな僕に対して、礼儀を尽くしてくれるのが感心するほどだった。
僕も出来る限り礼儀を尽くし、手続きが終わってからギルドを後にした。
「流石に偉くなる人は違うわね?」
「私達もお世話になっている人だからね」×シュアン
「にしし、ヨウ君の守備範囲に入ってるのかな?」
「ブッ!? 怖い事言わないで下さいよー、僕が手当たり次第に物色してるみたいじゃないですか?」
「あはは、ヨウ君は、あんなタイプもいけるのかなと思ってさ」
「・・・まあ、魅力的な人でしたけど?」
「年上キラー(ぼそっ」
「何か言いました、ツドイさん?」
「何も言って無いよ、僕は・・・」
「んふふ、でも確かにヨウ君は、年上の女性には無敵かもね」
「もう、アヤメさんまでー」
「モテるのは悪い事じゃないでしょ?」
「それは、そうですけど」
「僕、助かっちゃった? アヤメありがと」
「ツドイもいい加減凝りなさいよ?」
「つい、本心をポロっと言っちゃうんだよね」
「そー言うとこよ?」
「あっ!」
「ツードーイーさーん」
「し、失言だったかな、許してヨウ君」
「だーめーでーすーーー」
「あはは、そこは駄目ーーー! こ、呼吸出来ないからーーー」
「もう、ツドイは死んでも治らないわね♪」
「フフ、それよりヨウ様。お気付きですよね?」
「はい、ギルドを出てから尾行されてますね」
「ええっ?」×シュアン
「・・・駄目。私には全然分かりません」
「凄いな~ 私にも全く分からないや」×テユン
「ごめんなさいヨウ君。余計な事をするなって、釘を刺しておくべきでした」
「いえいえ 別に良いですよ。僕達の行動を把握しときたかったんでしょ」
「今日中に、警告しておきますね」
「ありがとです」
北京上級ダンジョンはギルドから近いそうなので、僕達は歩いて向かう事にした。
相変わらず注目を集めているが、僕達は気にせず中国の街並みを見ながら歩いていく。
やはり、外国は見る物全てが新鮮で、楽しくなってくる。
そんな楽しい時間を過ごしていると、男達が数人ニヤニヤしながら僕達に近づいてきた。
見るからに感じの悪そうな男達で、どうやらシュアンさん達も知っているようだ。
明らかに、男達を蔑んだ目になっている。
「よー、シュアン♪」
「・・・また、嫌な奴等に会ったわね」
「そんなに嫌う事ねえだろ? 俺達は一生懸命シュアン達を勧誘してんだからよ」
「何回も断ってるでしょ? いい加減にしたら」
「あ~ 分かった、分かった。だが、今日はお前達が目的じゃねーんだわ。なあ、そこのガキみてえなSSランク様よ」
「なっ! 三日月さんは、貴方達に構ってるほど暇じゃ無いのよ」
「うっとおしい奴等だな、早くどっか行けよ」×ソヒョン
「そう睨むなよ、せっかく弱そうなSSランク様に会ったんだ。稽古でもつけて貰おうと思ってるだけなんだからよ」
「この大馬鹿野郎ども。一体誰に言ってるのか分かってんのか?」
「もちろん分かってるさ、そこのラッキーボーイにだよ」
「あはは、それ最高だな」
「ピッタリじゃねえか? 運でSSランクになったとしか思えねえもんな」
「お前等、いい加減にしろ」
「フフ、フフフフフ、どうやら教育が必要なようですね」×リラ
「フフフ、リラ姉、私にやらせて」
「まーまー、皆さん。落ち着いて」
「すみません。直ぐに追い払います」
「良いから、良いから♪ ところで、僕に稽古を付けて貰いたいんですか?
おっさんが今更頑張っても無駄じゃないですか?」
「ぷっ! あははははは♪」×アヤメ達
「な、なんだと、このクソガキが」
「僕が弱そうに見えたから絡んで来たんでしょ?
おっさん連中には理解出来ないかもしれませんけど、見た目と強さなんて何の関係も無いんですよ?」
「・・・面白いじゃないか、そこまで言うなら模擬戦で分からしてやんよ」
「あ~ 困ったな。頭も悪いのか・・・どう説明したら分かって貰えるかな~」
「なんだと・・・」
「えっと、分かり易く言うとですね。僕に何のメリットも無いんですよ?
どうして、只でおっさんの相手をして貰えると思えるんです? 馬鹿過ぎでしょ」
「こ、このクソガキ」
「待て待て! どうせ理由つけて逃げたいだけだろ?」
「ガキの考えそうな事だ。稽古代として有り金全部払ってやるよ。それで文句ねえだろうが?」
「はぁ~ 貧乏そうな、おっさん連中の有り金って、冗談でしょ?」
「スキルオーブ10個分も無いでしょ?」
「・・・あるわけないだろうが。言っとくが、そんな事で逃げれるなんて思うなよ?」
「はぁ~ 逃げるの意味が分かんないんですが、まあ良いですよ。
付き合ってあげようじゃないですか。ただし、おっさん達のクラン本部に連れてって下さい。それが条件です」
「くはは、馬鹿かお前は? 自殺志願者だったのかよ」
「俺達のクランは誰もが恐れる『ドーシー』だぜ」
「おっさん達じゃ、模擬戦にもなんないですからね~ どうせゴミクランなんでしょ? ゴミ掃除もしてあげますよ」
「こ、こいつ、肩書だけのくせに舐めやがって・・・」
「ククク! まあ良いじゃねえか、思い上がったガキに、世の中ってやつを教えてやろうぜ」
「もう、後悔しても遅いからな」
「良いのヨウ君? こんな奴等に時間使っても」×アヤメ
「はい、シュアンさん達にたかって来るハエなら、潰しといた方が良いかなと思ったんですよ」
「あはは、なるほどね~」
「ごめんね、ヨウ君」×シュアン
「良いですから」
「こ、此奴等・・・」
「今のうちに言わせておけ、どうせクランに着いたら何も言えなくなるんだからよ」
「チッ! 着いて来い」
「お前等って、本物の馬鹿だよ・・・」×ソヒョン
僕達は歩いて男達に付いて行くと、ドーム型の建物の前で止まった。
どうやら、此処が此奴等のクラン本部の様だ。
ゴミクランのくせに建物は中々立派で、少し腹が立ってきた。
「さあ入れよ。それとも、今更ビビったんじゃねえだろうな?」
「ゴミにしては建物は立派ですけど、なんか臭そうですね~」
「あはははは♪」×アヤメ達
「・・・無事で帰れると思うなよ」
僕達が建物の中に入ると、広い空間になっており模擬戦場やトレーニング設備が充実していた。
こんなゴミの様な者達には、実に勿体ない。
クランメンバーも結構居るみたいで、全員僕達に注目しているようだ。
先程の男達と幾つか言葉を交わすと、皆ニヤニヤしながら僕を見ている。
どうせ、弱そうだと思ってるんだろうけど、馬鹿は死ななきゃ治らないしね。
「じゃ、早速、稽古を付けて貰おうか。
だが、唯の稽古じゃつまらねえだろ? どうせなら賭けをしようじゃねえか。
さっきの口ぶりじゃ、スキルオーブを持ってるんだろ?」
「貧乏そうなおっさん達よりは、持ってると思いますよ?」
「ククッ! 俺達が模擬戦で勝ったら、それを貰おうか」
「僕が勝ったら何をくれるんですか?」
「あはは、そんときゃ何でもくれてやるさ」
「ぎゃははははは! 馬鹿だ此奴。勝てる気でいやがる♪」
「あはははははは♪」×おっさん達
「なら、僕が勝ったら、このクランの全財産を貰っちゃおうかな~ あっ! 言っときますけど、クランメンバー全員の財産もですからね?」
「分かった、分かった。何でもくれてやるよ」
「だが、本当にスキルオーブを持ってんだろうな?」
「馬鹿のくせに疑り深いですね~ ほら、これでどうです<鑑定>スキルオーブですよ」
僕は<鑑定>スキルオーブを<虚空界>から取り出し見せてあげた。
「か、<鑑定>スキルオーブだと?」
「おお~~~! 本当に凄えスキルオーブ持ってやがった」
「ハハ、SSランクってのは伊達じゃなかったようだな、これで俺も大金持ちだ」
「本当に、救いようがない馬鹿だな・・・」×シュアン
「こんなクランの全財産では、到底釣り合わないよね?」×テユン
「このガキをボコボコにしたら、次はお前達だからな?」
「ひゃははははは! 楽しみだな~ おい」
「・・・はぁ~ 本当に馬鹿なんだから」×アヤメ




