第317話 なんとアナウンサーだったみたいです
評価やブックマーク等、応援して下さった全ての方、ありがとうございました。
僕は朝目が覚めると、何時もの光景に顔が赤くなる。
それでも視線を切る事が出来ずにキョロキョロしていると、近くに居たカンナさんと目が合ってしまった。
「おはようございます、ヨウ様」
「おはようさんですー」
「・・・ひょっとして見ちゃいました?」
「うふふ、これは見ちゃいますよね?」
「そうです、仕方ないんです!」
「シーツ掛けときましょうか?」
「えっ・・・」
「では、そのままに」
「あー、試しましたね?」
「そんな事ありませんわ」
「お仕置きですー、カンナさんのシーツ取り上げの刑です」
「お、お待ちください、こんなに明るいとこで・・・」
「えっ!」
カンナさんは自分が羽織っていたシーツを硬く握りしめていたが、僕がシーツを掴み<虚空界>に収納すると、慌てて僕のシーツに潜り込んで来た。
顔を真っ赤にして慌てているカンナさんが、とても可愛らしかった。
「ヨウ様、意地悪です」
「あはは、何時も落ち着いているカンナさんが慌てるとこ可愛かったですよ?」
「や、止めて下さい、照れてしまいますので」
「日課で許して上げますよ?」
「私からですか?」
「ウエルカムです!」
「はい」
カンナさんは照れながら僕に日課であるキスをしてくれ、更に顔を赤くしていた。
あんまりにも可愛かったので、そのまま抱き締めイチャイチャしていると、起きて来た皆に見られてしまい僕まで照れることになった。
その場に居る全員と日課を済まし、リビングへ行くとお風呂上りなのか、サッパリとした湯楽さんがソファーに座っていた。
「早いですね~ 湯楽さん、朝風呂ですか?」
「ああ、ちょっとジョギングして汗掻いたからシャワーだけな」
「なるなる。優雅ですね~」
「こんなに良い環境に居るんだから、使わないと勿体ないだろ?」
「確かに、僕も結構勿体ない事してますね」
「僕も、ちょっと朝食まで泳いで来ようかな」
「アヤメさん達もどうですか?」
「良いわね、付き合うわよ」
「うん、湯楽も行こっか」
「私は走ってきたんだが?」
「そんなの良いじゃない、行こ行こ」
「ヨウ君、ヨウ君」
「なんですかナギサさん?」
「水着着る?」
「ブッ!? 着ます。着ないと泳げなくなるでしょ?」
「にしし、裸で泳ぐのも、気持ち良さそうじゃない?」
「ナギサだけ裸で泳いだら良いじゃない?」
「私だけは嫌~」
「いや、本当に泳げなくなりますからね?」
「そんなに照れなくても、さっきまで見てたじゃない?」
「それでも駄目なんですー」
「フフ、では全員で行きましょうか」
「フフ~ ほらメイドさん達も行こ」
「わ、私達は朝食の用意が?」
「そんなの後後、行くぞ~」
結局朝食の用意をしてくれていたメイドさん達や、コーヒーを飲んでいたセツナさん達を全員巻き込みプールへ飛び込んだ。
皆を追い掛けるように泳ぎ回り、サッパリした後に朝食にすることにした。
「あ~ 何か朝から泳ぐのって贅沢気分~」×イスズ
「朝から泳ぐのなんて子供の頃以来ですね」×ナタリー
「たまには、こんなのも良いかもね」×シュアン
「ヨウ君、魚より早いんじゃないかな?」×セツナ
「あはは、水中戦闘も訓練しましたからね」
「全く・・・陸海空どこでも逃げられねえな」×ミナミ
「なんか苦手な事ってないのかよ?」
「ん~ 女性と喋るのは苦手でしたね?」
「そんなの、完璧以上に克服してんだろ?」
「そんな事ないですよー、今でも初対面の女性ならキョドりますから?」
「そうだっけ?」
「アヤメさん達が居ると、大丈夫なんですよ?」
「んふふ、初めて会った時のヨウ君を思い出すわね」
「そう言えば、報道記者の古賀さんみたいだったわね」
「へえ~♪」×全員
「う~ 何も言い返せないじゃないですか~」
「んふふ、とっても可愛かったわよ?」
「照れますよ?」
「そう言えば古賀紗奈恵さん、あれから連絡無いわね?」
「おそらく気を使っているのでしょう、他のテレビ局からの出演依頼は沢山来ておりますから」
「あ~ そんな事も言ってましたね~」
「ヨウ君はダンジョンで忙しいものね」
「それもありますけど、以前の様に路上でインタビューを受けるのとはわけが違うじゃないですか?」
「まあね、私も緊張しちゃうわ」
「ヨウ様が気にされているのでしたら、食事にでも誘ってみますか?」
「食事ぐらい良いかもですね、クラン本部は人数が多いから緊張しそうだし僕達だけで外食にしましょうか」
「畏まりました。きっと喜ばれると思いますよ」
「ヨウ君って応援するのが好きだもんね~」
「やっぱり、頑張ってる人を見たら応援したくなるじゃないですか」
「んふふ、分かるわオドオドして可愛かったし」
「でもインタビューをしてる時は、しっかりしてたよね」
「若いのに仕事ができる人って感じがしたわね」
「結構、皆さんの評価が高いですね?」
「フフ、それはヨウ様も、そうなのでは?」
「あはは、確かに、ちょっと応援しちゃいましょうか」
「今日のダンジョン帰りに連絡を入れて見ますね」
「はい、用事があったら後日でも良いですしね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
<古賀視点 その日の夕方>
「三日月陽には、まだ連絡してないのか?」×プロデューサー
「こちらから連絡なんて出来ませんよ」×サナエ
「連絡先を聞いたって、言って無かったか?」
「聞きましたけど、冒険者活動が忙しいみたいですし、敬遠されたくないんですよ」
「それなら、なおのこと連絡なんてくれないんじゃないのか?」
「それはそうですけど・・・」
「せっかく偶然とはいえ、今世界中を賑わせているSSランクの冒険者と繋がりができたんだ、我が社にとってもチャンスなんだぞ?」
「でも、本当にたまたまインタビューを受けてくれただけなんですよ?」
「良いか? 言っとくが三日月陽は各社からオファーを受けてるらしいが、全て断られてるんだぞ?
連絡先を聞けたって事は、間違いなく気に入られたって事だ。
そうじゃなきゃ、世界一の冒険者様が、連絡先なんて教えてくれる訳無いだろ?」
「三日月さんって凄く優しい方だったから、新人の私に気を使ってくれただけと思うんですよ」
「まあ、そうだろうが、それなら一度連絡を取ったぐらいで、機嫌を害する事はないんじゃないか?」
「う~ 分かりました。一度電話してみます」
「あ~ 言っとくが、ちょっとでも嫌な素振りを感じたら直ぐに引けよ?」
「はい、あっ!」
私は自分のスマホを手に取ると、丁度どこかから電話が掛かって来たのか、スマホのバイブが震えていた。
何気にスマホ画面を見てみると、三日月さんのパーティ面子であるリラさんからの電話だった。
「ええっ! 三日月さんから電話が入りました」
「早く出ろって」
「は、はい」
『もしもし、古賀です』
『お仕事中でしたら申し訳ありません。私は天満リラです。
今、お時間宜しいでしょうか?』
『は、はい、もちろんです』
『ありがとうございます。本日、三日月が古賀様を食事に誘いたいと仰られておられるのですが、御都合如何でしょうか?』
『えっ! 今日、食事ですか・・・今日はまだ幾つか仕事が・・・』
「馬鹿野郎! そんなの良いから、OKしろ!」
「はい」
『すみません。大丈夫です』
『フフ、ありがとうございます。では、車で迎えに上がりますので、着いたら連絡させていただきますね』
『ええっ! そんなの悪いですよ、私から行きますから』
『いえ、今から向かいますから御遠慮なさらず、おそらく15分程で着くかと思いますから』
『分かりました。ありがとうございます』
『では、後ほど』
「・・・三日月さん達から食事の誘いを受けちゃいました」
「よくやった!」
「今日の何時頃なんだ?」
「その15分後ぐらいに此処に迎えに来てくれるそうです」
「なにっ? 馬鹿、早く帰る支度をしろ」
「はい」
「良いか、何でも良いから次のアポ取って来い。
何とかウチに出演してくれるように頑張れ、上手くいったら、大手柄だぞ?」
「はい、頑張ってお願いしてみます」
「ほら、急げ! 時間が無いぞ」
「はい、ありがとうございます」
私は大慌てで帰る支度を済ませロビーに下りて、会社から飛び出た。
メイクを確認する暇もなかったので、ガラスに映った自分を見て大丈夫か見ていると、凄い高級車が会社の前に停車した。
ええっ! ま、まさか・・・
高級車から人が出てきたと思ったら、何度見ても驚く様な、絶世の美女達と三日月さんが下りて来た。
あわわ! 本当に私なんかを迎えにきてくれたんだ。
「古賀さん、お久しぶりです」
「お久しぶりです、すみません。態々迎えにきて貰っちゃって」
「それと、以前はインタビューを受けて下さり、ありがとうございました」
「こっちから誘ったんですから、そんなの気にしなくて良いですよ」
「へええ~ 立派な会社じゃない、ちょっと意外だったわ」
「本当にテレビ局なんですからね?」
「んふふ、大丈夫よ。以前のインタビューのテレビ見たから」
「僕、もっと小さい会社だと思ってたよ。
普通の一軒家ぐらいで、高いアンテナが立ってるみたいな?」
「そんな訳ないじゃないですかー」
「あはははは♪」×全員
私は緊張しながらも三日月さん達と会社の前で喋っていると、会社のロビーに居た人達とか、一般市民が周りに集まってきた。
「うわ~ 凄く綺麗な人達が居るわよ?」
「えっ! あれって、SSランク冒険者の三日月君だよね?」
「嘘っ? 本当に本物じゃない、何でウチの会社の前に居るの?」
「まさか、ウチに出演してくれるのかな?」
「まさかー、ウチになんて出てくんないでしょ?」
「でも、ウチでインタビューしてた職員と話しをしてるみたいだよ?」
「何かトラブルでも起こしたとか?」
「ん~ 楽しそうに会話してるから、そうじゃないみたいだけど分からないわね」
「ひょっとして、知り合いなんじゃない?」
「あの子ってウチの新人さんだよね、なら本当に出演してくれたりして」
「今度、会った時聞いてみよっか」
「そうね」
あっという間に周りに人集りができてしまったので、そろそろ移動することになった。
流石に超有名人は凄いな、一緒に居る私まで有名人気分だわ♪
私は少し優越感に浸っていると、ツドイさんが車のドアを開けてエスコートしてくれた。
「さあ、どうぞ、お嬢さん」
「ありがとうございます」
「ツドイ、それはヨウ君の仕事でしょ?」
「んふふ、ヨウ君がやっても似合わないけどね」
「何も言い返せないじゃないですかー」
「あはは♪」
「つーか、ツドイが似合い過ぎるんだよねー」
「僕は、元々専属運転手だからね」
「人も集まって来たし、そろそろ行きましょうか」
「さっ、乗って乗って」
「はい、ありがとうございます」
私はこんな高級車に乗った事がないので、緊張しながらソファーへ座った。
えっ! そう言えば車だよね、なんでソファーなの?
テーブルまである・・・何故ワイングラスが並んでるの?
ああ、駄目、私の常識が崩壊しそうなんだけど・・・
「んふふ、どうしたの、キョロキョロしちゃって?」
「く、車ですよね?」
「あはは、車のドアから入ったでしょ?」
「フフ、何か飲まれますか?」
「ハハ、後で怖いお兄さんが出てきたりしませんよね?」
「あはははは♪」×アヤメ達
「ぼったくりバーじゃないのよ?」
「面白いじゃない。私達4人で接待して上げるわ」
「食事前だから軽めのシャンパンにしとこっか」
「はい、フルーツ盛り合わせだよ。私のお勧め」
「あわわ! あ、ありがとうございます」
私は超絶美人な女性達に囲まれながら、とっても美味しいシャンパンを入れて貰い幸せな気分になった。
男の人が高いお店に飲みに行く気持ちが分かる様なきがした。
そう言えば、どこに食事に行くのか聞いてなかったけど、あんまり高いお店だったらどうしよう。
その不安は的中し、三日月さん達に付いて行ったお店は、ビルの最上階にある高級レストランだった。
「あの、私こんな高そうなお店は、とても払えないですけど?」
「なに言ってるのよ、私達が誘ったんだから奢るに決まってるでしょ?」
「でも、そんな悪いですよ?」
「あはは、まあそんなの気にせず、どぞどぞ」
遠慮しながらも連れて来られた席は、大きな個室でとても6人で入るようなとこじゃなかった。
これって、まさか貸し切りにしたのかな、メチャクチャ景色が良いんだけど。
私は7人掛けの丸テーブルに座ると、直ぐに飲み物を持ってきてくれた。
「古賀さんは何か苦手な食べ物って、ありますか?」
「いえ、大丈夫です」
「良かった。今日はシェフのお勧め料理にしといたんですけど、気に入った料理があったら追加して下さいね」
「はい、ありがとうございます」
「ところでさ、あのインタビューの評判とかどうだったの?」
「はい、お陰様で、すっごくプロデューサーに褒めて貰いました。
2度目の放送の時なんて、凄い視聴率だったみたいなんですよ?」
「なんか照れちゃいますね」
「お手柄だったならさ、ADさんから昇級したりして?」
「えっ! 私はADじゃないですよー」
「えっ?」×ヨウ達
「私は、新人アナウンサーですー」
「そうだったんだー! 新人アナウンサーさんて、どんな仕事してるのかな?」
「えっと、朝は発声練習の後に冷蔵庫の飲み物補充したり、コーヒーメーカーを洗ってからコーヒーを淹れて、後はテーブルを拭いたり、掃除したり・・・」
「ADさんって大変なんだね~」
「違いますー、私はアナウンサーですー」
「んふふ、冗談よ♪ でもアナウンサーって花形職業だと思ってたけど、雑用もするんだね?」
「私はまだ新人ですから、雑用も多いんです。でも、雑用だけじゃなくて色んな事しますよ? インタビューとかスポーツの実況とか中継とか色々です」
「へえ~ 僕達の知らない世界ですね~」
「スケジュールに従って、色々やる感じなのかな?」
「あっ! 会議とかあって、どんな事するのかとかディレクターさんと一緒に考えたりもします。決まったらカメラマンさんの調整して貰って、原稿作ったり編集したりします」
「何でもするんだ?」
「いろーんな事します。忙しい時は、家に帰ってからも予習しとかないとですから」
「なるほど、そうだ。お天気お姉さんとかも、やったりして?」
「お天気ニュースは、まだやらせて貰えないんですよ」
「やっぱり、やってみたいのかな?」
「そりゃー、やってみたいですよー、お天気ニュースは私の憧れですから」
「何時かは番組の司会とかも、やってみたいですけど」
「そういえば、記憶に残ってるアナウンサーって、お天気ニュースや司会が多いわね」
「そうなんです、やっぱり知名度が違いますもの」
「んふふ、その内凄い有名人になっちゃったりして?」
「あはは、夢のまた夢ですね~」
「ゆくゆくは、スポーツ選手と結婚して幸せな家庭に?」
「芸能人と結婚するアナウンサーも多いんじゃない?」
「そんなイメージが強いですよね~」
「やっぱり、お仕事で有名人と出会う機会が多いですから」
「へえ~ そうなんですね~」
「何言ってるのよ、だからヨウ君みたいな超有名人とも、こうして食事に来たんじゃない?」
「あはは、勇気を出して取材に行って良かったです」
「すっごく、オドオドしてたけどね?」
「そ、それは言わないで下さい、オーラが強すぎて近寄れなかったんです」
「あはは♪」×ヨウ達




