第283話 遂に有名人になっちゃいましたね
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僕達はインタビューを終え、歩いて練馬区上級ダンジョンに向かう事にした。
インタビューを聞いていたギャラリー達も、皆スマホを構えて僕達に付いてくる。
もう隠し撮りってレベルでもないので、僕達も手を振りながら笑顔で対応するしかなかった。
「んふふ、流石に遠慮なくスマホで撮影してくるわね?」×アヤメ
「あはは、人気芸能人になったみたいね」×ナギサ
「あっ! またヒカリから電話が掛かって来るかも・・・」
「そう言えば、動物園に行ったときもニュースに出たんだったね」×ツドイ
「フフ、テレビの影響力は凄いですね」×リラ
「でも放映まで時間が掛かるから、まだ大丈夫だよ?」×ノノ
「そかそか、生放送じゃないですもんね」
「それにしても流石に落ち着かないわ、早くダンジョンに入りましょうか」
「ヤー♪」×クレセントメンバー
僕達は今日も地下10階からスタートし、ボス戦に向かった。
ボス部屋に着くと、今日も結構な人数が順番待ちをしている。
どうやら『YORISIRO』の皆さんは居ないようだ。
たぶん、初級ダンジョンでスキル集めしているのだろう。
僕達はボス戦は後回しする事にし、転送クリスタルまで戻って地下11階の攻略をすることにした。
来た道を戻っていると、知った顔の人達に出会った。
確か以前、このダンジョンで会った格好良い防護服で統一された女性のパーティだ。
「フフ~ また会いましたね」×ノノ
「ええ、以前はすまなかった。魔物を倒して貰って助かったよ」
「貴女達なら大丈夫かと思ったけど、念のためにね?」
「いや、しばらく動けなかったよ?」
「あれっ? ちょっとやり過ぎちゃったかな・・・」
「あはは、それは良いんだ。まさかSSランクのパーティだったとは驚いたよ?」
「あはは、私達のインタビュー聞いてたんだ?」
「ああ、驚いたけど納得したよ。世の中には凄い冒険者がいたもんだ」
「んふふ、貴方達もきっと強くなるわよ?」×アヤメ
「クレセントの方に、そう言って貰えると嬉しいな」
「私はパーティ『酔い桜』のリーダー、桜井 蘭だ。良かったら、覚えておいて欲しい」
「僕はパーティ『クレセント』のリーダーをしている。三日月陽です」
「そうか、三日月さんって言うんだな、でも私達に名乗っても良かったのか?」
「はい、すぐに知れ渡ると思いますので」
「それもそうか・・・そ、それで・・・あの」
「リーダー、頑張ってー」
「わ、分かってるよ。照れ臭いんだぞ?」
「すまない。もし良かったら、握手して貰えないだろうか?」
「リーダー、写真も頼んでくれるって言ったじゃないですかー」
「う、うるさいぞ?」
「あはは、別に良いですよ?」
「キャーーー♪」
「あ、あの、女性の皆さんも良いですか?」
「んふふ、良いわよ?」×アヤメ
「ありがとうございます♪」
『酔い桜』の皆さんは僕達と握手すると、とても喜んでくれ、全員で写真を撮る事になった。
とっても喜んでくれるので、僕も嬉しくなってしまう。
「おい! いい加減にしないと迷惑だぞ?」×ラン
「はい」
「時間を取らせてすまなかった。此奴等が煩くてな・・・」
「あはは、良いですよ。桜井さん達はクランには入ってないんですか?」
「ああ、私達は、パーティだけで活動してるんだ」
「なるほど・・・えっとですね、チーム『YORISIRO』って御存知ですか?」
「もちろん知ってるぞ? 有名なチームだからな」
「今度ですねー、その『YORISIRO』さんがクランを立ち上げるんですよ。
もし良かったら『酔い桜』さん達も入りませんか?」
「私達が『YORISIRO』に?」
「フフ~ 貴女達なら、団結力がありそうだから良いかもね」×ノノ
「リーダー君は良い感してるから、このまま埋もれるのは勿体ないしね」×ツドイ
「・・・私達を入れてくれるとは思えないのですが?」
「僕の名前を出してくれたら、きっと入れてくれますから。それにクランに入るだけで、今まで通りパーティで活動して良いですからね」
「言っておきますが、ヨウ様は好意でこの話しをされております。決して悪い話しではありませんが、この話は秘密にされる事をお勧め致します」×リラ
「んふふ、ここが貴方達の人生で、幾度しかないターニングポイントよ?」×ナギサ
「どうするかは貴女達次第、よく考えて決めたら良いわ。
あっ! そうそう、行くことになったら忙しくなるから頑張ってね」×アヤメ
「では皆さん、僕達はそろそろ行きますね、また直ぐに会う事になるかもしれませんけどね」
僕は『酔い桜』の皆さんに手をブンブンと振り、別れの挨拶をした。
「・・・リーダー?」
「ああ、流石SSランクパーティだよな、ミステリアス過ぎるだろ?」×ラン
「ターニングポイントって分岐点って事ですよね? 行けば私達の運命が変わるのかしら?」
「そう思って、間違いないだろうな・・・」
「あはは、何か怖いですね~」
「や、止めてよ、本当に怖いんだから?」
「でも、好意で言ってくれてるって、言ってたわよね?」
「悪い話しじゃないとも言ってたけど、人生が変わる程の良い事があるっていうのが恐ろしいじゃない?」
「遥か雲の上の人達だもんね~ 言葉にも重みがあるわ」
「私達は、リーダーの決定に従うだけよ?」
「そうね、リーダーどうするの?」
「私の勘では、行かないと一生後悔するような気がするんだよな・・・でも、言って話を聞いたら、もう絶対に断れない気もする」
「なら決定だね! うふふ、さーって、鬼が出るか蛇が出るか楽しみだね」
「あはは、良い心臓してやがんな? 最後に何か気になる事を言ってたが、行ってみるか」
「あいさー♪」×全員
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
僕達は蘭さん達と別れて、地下11階からスタートした。
地下11階からは森林エリアとなっており、また虫系の魔物が多いようだった。
しかし、ドロップ素材やスキルオーブに、これと言った物は無く、サクサクと歩を進めて行く。
流石に数々のダンジョンを制覇してきたので、新たなスキルを発見するのは難しくなってきたようだ。
それでも、サクサクと魔物を倒し、素材やオーブを集めていく。
魔物が虫系ばかりなので魔法スクロールがドロップしないのも、このダンジョンの特徴のようだ。
そして、地下15階の樹木にいる、変わった魔物を発見した。
虹黄金虫と言うみたいだ。名前の通り緑掛かった虹色をしている。
親指程度の小さな虫なんだけど、鑑定によると魔物のようだ。
木漏れ日に反射して綺麗に輝いており、まるで宝石のようだった。
これには、虫に拒否感があるアヤメさん達も魅入っている。
「うわ~ あんなに綺麗な虫の魔物も居るんだ」
「確かに綺麗よね、素敵な色合いだわ」
「何か良い物ドロップしそうな気がしますね~ 早速倒してみましょうか」
「これだけ小さいと、倒し難そうだよね」
「ですね~ とりあえず、短剣で切ってみます」
僕は短剣を振り被ると虹黄金虫は、まるで空気に溶け込むように消えていった。
「えっ?」×全員
「消えた?・・・駄目。私じゃ気配も感じ取れないわ」
「ヨウ君は?」
「僕にも感じ取れません。完全に消えちゃったみたいです」
「まさか、ヨウ様にも分からないとは・・・」
「嘘? 信じられない。ヨウ様から逃げ押せた魔物なんて初めてかも?」
「<気配遮断>とか<隠蔽>じゃないよね?」
「違うと思います。集中しても何も感じませんから」
「じゃ、ヨウ君でも見えない超スピードとか?」
「ちょっと考えられないわね、どんなスピードなのよ?」
「あはは、やっぱりダンジョンは面白いですね。まだこんな不思議な事があるんですから♪」
「そうだけど、気になる~」
「あはは♪」×全員
「他にも居ないか探してみましょうか」
「そうね、次は遠隔攻撃してみましょう」
僕達は全員で虹黄金虫を探すと、アッサリと見つかったが遠隔攻撃でも魔法を撃ってみても同じ様に消えていく。
捕獲じゃないと駄目なのかと思い、素手で捕獲も試みたが同じ様に消えていった。
「うはー、お手上げですね~」
「きっと、何か方法があるんだろうけど、もう何も思いつかないわ」
「フフ、今日は魔物の方が1枚上手だったと言う事でしょう」
「むきー、絶対に捕まえてやるんだから~」
「あはは♪」
僕達は結構な時間を使い、色々と試してみたが万策尽きたので、諦めて先に進むことにした。
アヤメさん達が嫌がる様な虫の魔物も出現したが、遠隔攻撃や魔法で問題なく倒している。
「きーもーいーーー」
「あはは、おっきいムカデは反則ですよね?」
「せめて、蜘蛛ぐらいにしてよね。足が多すぎるって」
「よく言うわ、バコバコ矢を撃って倒してるくせに?」
「私、武器が弓矢で良かったわ」
「アヤメも魔法じゃなくて、武器で倒してみたら?」
「嫌よ! 私の武器はロングメイスなのよ? 何で叩き潰さないといけないのよ」
「武蔵君なら涙目になりながら、特攻するんだろうね?」
「やめてよ? 想像したら可哀想になるじゃない?」
「あはは、武蔵も、そろそろ魔法覚えてるかな~」
「ん~ まだ初級ダンジョンだから、<生活魔法>ぐらいかな?」
「武蔵君は<激運>スキルじゃなくて<幸運>スキルだからね、ドロップもそんなに甘く無いわよ」
「でも武蔵君って、普通に運が良いからさ、簡単にドロップしちゃったりして?」
「そいや、LUKが高いラッキーボーイさんでしたね~」
「フフ~ ヨウ様が、それ言っちゃうんですか?」
「僕は反則みたいなもんじゃないですか?」
「フフ、ヨウ様はゴッドボーイでしょうか?」
「神様扱いは止めて下さいー」
「んふふ、ヨウ君は神に愛された少年だからね~」
「そこは、せめて男って言うとこじゃ無いですか?」
「全ての女性に愛された男とか?」
「ハーレム王じゃないんですよ?」
「あはは、もうハーレム王だよ?」
「僕の事言えます?」
「・・・・・・・」×アヤメ達
「なんで、無言なんですかー」
「・・・あはは、まあ良いじゃない」
「そそ、楽しければオールオッケーだよ?」
「それは、同感だね♪」
「まあ、それは、僕もですけどね?」
「フフ~ それよりヨウ様。そろそろ地下20階のボス部屋ですよ?」
「フフ、良いスキルや宝箱に期待しましょう」
「なんか、誤魔化された様な気もしますけど、頑張りますかー」
「ヤー♪」×アヤメ達
流石に地下20階のボス部屋前には誰も居ない様なので、直ぐにボス部屋の扉を潜る。
するとそこには、とても大きくて毒々しい蜘蛛がいた。
どうやら、キングデススパイダーと言うらしい。アヤメさん達が少し引いているのが面白い♪
「キーモーイーーー」
「あはは、おっきい蜘蛛さんですねー♪」
「大きいだけじゃないわよ、色がありえないんだけど?」
「間違いなく毒持ちだろうね」
「ですが、蜘蛛系の魔物なら、糸に期待出来そうですよ?」
「フミさんの為にも頑張りますか、えっと順番は誰でしたっけ?」
「私だよー♪」
「アヤメか~ 蜘蛛さん可哀想~」
「ちょっと、そこは応援するとこでしょ?」
「<範囲指定>スキルを手に入れてから、凶悪だかんねアヤメは?」
「ツドイと違って、私は制御してるでしょ?」
「がーん、がーん! 僕もあれから頑張って練習してるよ?」
「じゃ、凶悪なのはヨウ君だけ?」
「異議ありですー」
「あはは♪」×全員
「フフ~ 皆、余裕ですね~」
「フフ、ボス戦なんですから、気を引き締めませんと?」
「もう、ナギサのせいで怒られたじゃない?」
「大人しく見てますー」
「そそ、大人しく見てなさい♪ えっと、久しぶりに炎系で行こっかな~」
「<範囲指定>・・・<インフェルノ>!!!!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
アヤメさんが放った火属性魔法<インフェルノ>は、一瞬で大きなキングデススパイダーを業火に包み込んだ。
あまりに一瞬で焼失したためか、光の粒子さえ見えなかった。
「・・・アヤメさん、手加減って言葉を御存知?」
「存じませんね・・・火属性魔法は武器で底上げされちゃうんだよねー」
「もう魔女じゃなくて、魔王で良いんじゃない?」
「なんでよー、可愛くないでしょー」
「あはは♪」×全員
「それにしても、沢山ドロップしてますねー」
「ゴールドスライム様と、ヨウ君のコンボは凶悪だよね?」
「フフ~ ヨウ様。最強です!」
「全て8つ以上ドロップすると壮観ですね?」
「あはは、また儲かっちゃいますね」
「だから、ヨウ君は何時まで経っても軽いんだよー」
僕達はワクワクしながら、ドロップ品の検証をすることにした。
「おお~ 未確認スキルだー! <色彩変化>だって」
「おお~~~」×全員
「これはまた、フミさんが喜びそうなスキルですね~」
「職人さん達なら、全員喜ぶんじゃない?」
「そっか~ 色々使えそうですからね」
「期待どおりに糸もドロップしてるわよ。魔攻糸だって」
「うわ~ フミさんは喜ぶだろうけど、またアヤメが凶悪になりそうね?」
「もう、私に限定しないでよね、全員でしょー」
「フフ、名前からして、魔法攻撃力が上がりそうな素材ですね」
「黒宝箱と金宝箱も、いっぱいだね~」
「黒宝箱から開けてみますね~」
「おっ! 来たーーー、ダンジョンアイテムシリーズだ!」
「えっ! なになに?」
「虫取り網です♪」
「ええ~~~」×アヤメ達
「あれっ? 不評ですね?」
「だって、虫捕ってもさ?」
「フフ、でも<鑑定>すると、良い事が分かりますよ?」
「見てみよっと」
「※虫取り網:ダンジョンアイテムシリーズの1つ(虫限定で必ず捕獲する事ができるようになる。ドロップ数が倍になる効果)」
「ああっ!」×全員
「これで、虹黄金虫が捕れるようになるんじゃない?」
「きっとそうですね~ これは是非、試さないとです」
「ダンジョンって、いっつも必要な物が後になって手に入るんだよねー」
「フフ~ それがダンジョンの仕様ですね~」
「続いて金宝箱行っきまーす! えいっ! えっとクリーンボールですね?」
「なんか、分かんないから<鑑定>するね」
「※クリーンボール:設置すると周囲の空気や水を浄化する」
「おお~~~」×全員
「ダンジョン産の清浄機だね?」
「部屋とかプールに置いとくと、良さそうね?」
「タバコを吸うサラリーマンさんが喜びそうだね」
「なるほど。良いお土産が出来ました」
「えっと、虹黄金虫を探しにいきたいとこだけど、今日は時間を食っちゃったんで地下10階のボス戦して帰りましょうか」
「んふふ、虹黄金虫を探しまくったからね~」
「はい、こんな事ならサッサと諦めるべきでしたよー」
「フフ、探すのも冒険! 見つけるのも冒険! ヨウ様にとっては有意義だったのでは?」
「あはは、リラさんの言う通りです」
僕達は地下10階のボス部屋に行くと、誰も居なかったのでサクッとクリアして今日は帰る事にした。




