第277話 どこにでも嫌な奴が居るもんですね
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<若宮鈴 視点>
「おはよー、鈴」×ユキ
「おはよう、有紀」×スズ
私は沈んだ気分を隠すように、元気をだして親友である河野有紀に朝の挨拶をした。
「もう鈴。昨日の事なんて、気にしなくても良いよ?」
「う、うん・・・」
「あの馬鹿女は、自分が可愛いとか勘違いして、調子に乗ってるだけだからさ?」
「あはは、まあ、あの子が言う通り、私は地味だからさ?」
「そんな事ないって? 鈴は、とお~~~っても、可愛いくて全然地味じゃないよ?
あの、馬鹿女に比べたら100倍可愛いんだから♪」
「ありがとね有紀。そういう有紀こそ、スポーツマンだしモテるでしょ?」
「あはは、私は唯の運動馬鹿だしさ、全然モテないよ? あっ! 自分で言ってて落ち込んで来た・・・」
「私が男の子なら絶対、有紀はほっとかないよ?」
「逆よ逆? 鈴みたいな大人しくて可愛い子がモテるんだからね?」
「うふふ、何時も私を気に掛けてくれて、ありがとね、有紀」
「そんなの当然でしょ? 親友なんだからさ」
「でも、あんまり私と喋ってたら、有紀まで目を付けられるよ?」
「上等じゃない? 隙があったら掛かって来いって。叩きのめしてやるわ」
「うふふ、有紀が居ると頼もしいわ」
「あっ! 噂をすれば馬鹿女が来たわ。鈴、無視して良いからね?」
「う、うん」
有紀が馬鹿女と呼ぶ高藤純粋は、今日も取り巻きを連れて私に絡んでくるようだ。
呼んでもいないのに近寄って来る。
「相変わらず仲が良さそうね? オタクとスポーツ馬鹿で、お似合いだわ♪」×ピュア
「この馬鹿女! 嫌味を言わないと呼吸出来ないの?」×ユキ
「金魚の糞を引き連れて迷惑だから、どっか行ったら?」
「ちょっと、誰に言ってるか分かってるの?」
「馬鹿女に決まってるだろ?」
「貴方の方がずっと馬鹿じゃない?」
「高藤さんは、学年でも成績はトップクラスなのよ?」
「成績なんか良くても、馬鹿は馬鹿なのが分からない? 糞共は黙ってたらどう?」
「こいつ・・・」
「うふふ、育ちが悪いと、口も悪くなるんだからしょうがないわ。貴女が何を言っても私の耳には届かないしね」
「ところで鈴さん? 昨日も言ったけど制服が破れたら繕うんじゃなくて、買い替えるって教えて上げたでしょ? まさか、制服も買えない程、貧乏なの?」
私は思わず、以前引っかけて破れてしまった右袖の繕った跡を隠した。
昨日も、これを言われてから落ち込んでしまった。
何故なら、お金がなくて一生懸命働いてるお兄ちゃんに、制服の袖が破れたぐらいで買ってくれとは、とても言えなかったからだ。
「うふふ、何も言い返さないって事は、本当に貧乏なのね」
「こんなの全然目立たないだろ? こんなので買い直す馬鹿はお前ぐらいだよ?」
「ごめんなさい。貧乏人は普通そうなのね、分からなかったわ♪
私なら恥ずかしくて、とても学校に来れないから、教えて差し上げたつもりだったのよ?
あっ! 地味で目立たないから、誰にも気付かれないのかしら?
うふふ、地味な人は服装を気にしなくて良いから、良いわね♪」
「それ以上言ったら、自称可愛い顔を蹴飛ばしてやるわ・・・」
「うふふ、脳筋は野蛮だから嫌だわ♪」
もう、私も馬鹿女と呼ぶことにしよう・・・
馬鹿女は言いたい事を言い終わると、自分の席に戻っていった。
「あんな性格の悪い奴、見た事無いわ」×ユキ
「ありがとね有紀、言い返してくれて」
「鈴も言い返せば良いのに、あの馬鹿女が調子に乗るだけよ?」
「うん、でも、私が貧乏なのは本当だからさ・・・」
「私もお小遣い多い方じゃないけど、困ってたら言ってね?」
「ありがとう。でも大丈夫だよ、私もバイトして頑張るから」
「バイトは、お兄さんに反対されてたんでしょ?」
「うん。でも、社会勉強だって言ったら、許してくれると思うから」
「うふふ、お兄さん過保護だもんね~ 生活が厳しいのにスマホも買ってくれるもんね?」
「ふふ、お兄ちゃん、私にとっても優しいから♪ でも、スマホって便利だよね吃驚しちゃった」
「あ~ん。もう、健気なんだから、普通は中学から持ってて当然なんだよ?」
「そんな無理、言えないよ~ 私が中学の時はお兄ちゃんバイト三昧だったし、18歳になってからは、私達のために危険な冒険者になって頑張って稼いでくれてるんだもん」
「偉いよね~ 鈴のお兄さんって」
「うん、でもね、最近凄い冒険者の弟子になって、一杯稼げるようになって喜んでたわ」
「そうなんだ? 良かったわね」
「凄い冒険者って、高ランクの人なのかな?」
「うん」
あ~ん! 世界でたった1人のSSランク冒険者だって言いたいけど、そんな事言ったら大変な事になっちゃうから言えないよ~
でも有紀にも、とっても可愛い少年だって事ぐらいなら、言っても良いかな?
そんな事言っても、信じてくれないか・・・
とんでもない美人のお姉さん達も、口ではとても表現出来ないし・・・
うふふ、有紀のお陰で、沈んでた気分も回復しちゃった。
本当にありがとね有紀。貴女は私の一番大事な親友よ♪
「どしたの? 急にニコニコしちゃって?」
「何でも無いわ♪」
それから授業が始まり、休憩時間は有紀が馬鹿女と会わない様にしてくれた。
放課後になり、有紀は部活があるのに馬鹿女に絡まれない様に校門まで着いて来てくれた。
本当に優し過ぎて泣けてきちゃう。今度、絶対に何かでお礼しなきゃね。
有紀と校門まで来ると人だかりが出来ており、なんだろうと覗き込むと、凄い高級車が停めてある。
どこか見覚えがあるような気がして、何となく見ていた。
「うわ~ こんな高級車に乗る人って、どれだけお金持ちなんだろね?」×ユキ
「本当ね、私とは住む世界が違い過ぎるわ」
「同感ね」
有紀とそんな会話をしていると、高級車から誰かが下りて来たようだ。
何故か人だかりの人達が皆、驚いている?
私と有紀も目をやると、そこには凄い美人の女性達が居た。
「うわっ! うわ~ な、なに、あの綺麗な女性達は?」×ユキ
「えっ! う、嘘・・・アヤメさん?」
「ええっ! 鈴、知ってる人なの?」
私がメチャクチャ驚いていると、アヤメさん達は私に気付いたのか近づいてきて挨拶してくれた。
「こんにちわ、鈴ちゃん」×アヤメ
「こ、こ、こんにちわ、アヤメさん」
「んふふ、ニワトリみたいになってるよ?」×ナギサ
「高校生って皆、初々しいね?」×ツドイ
「ツドイ。犯罪になるから駄目だよ?」×ノノ
「僕なんか、誤解されてないかい?」
「フフ、ごめんなさい鈴さん。行き成り来て驚かせてしまったわね」×リラ
「い、いえ。そ、そんな」
っと、言いつつ超絶美人5人に私と有紀が囲まれて、アワアワしてしまう。
「す、鈴・・・い、一体誰なの?」
「うん、お兄ちゃんの師匠さんと、同じパーティを組んでる人達、って言えば良いのかな?」
「ええっ! って、事は冒険者なの?」
「んふふ、そうよ。貴女は鈴ちゃんのお友達かな?」×アヤメ
「は、はい、そうです」
「ごめんね~ ちょっと、鈴ちゃん借りても良いかな?」×ナギサ
「えっ! 私は部活があるから、お気にせず?」
「フフ、では行きましょうか、鈴さん?」×リラ
「えっ! えええっ! ゆ、有紀~」
「また、明日にでも話を聞かせてね~♪」
有紀は少しパニックになりながらも、超絶美人達に囲まれ、連れられて行く私に手を振っていた。
車内に入るとアヤメさん達の匂いだろうか、とても良い匂いがし、女の私でもクラクラきちゃう。
「あの、アヤメさん達が、私になんの用事なのでしょうか?」×スズ
「ん~ 遠回しに言っても仕方ないし、正直に言うわね」×アヤメ
アヤメさん達は、私が落ち込んでいた事に、お兄ちゃんが心配していることを教えられた。
ひょっとしたら、私が学校で虐められてるんじゃないかと思っているらしい。
そこで、アヤメさん達が相談に乗ってくれる事になり。今日、私に会いに来てくれたことを教えてくれた。
「そうだったんですか。私の為にありがとうございます」
「良いのよ。そう言う訳だからさ、私達に相談してくれたら、きっと力になるわよ?」×アヤメ
「言っとくけど、隠し事なんて無しよ?」
私は何時もと同じ様に明るくしてたつもりだったけど、お兄ちゃんにはシッカリとバレていたらしい。
お兄ちゃんに心配させたことに深く反省し、アヤメさん達の好意に甘え相談してみることにした。
私はアヤメさん達に全てを話し、いつも親友の有紀に守られている事を伝えた。
「なにそれ? 未だにそんな嫌な事言う子が存在するの?」×ナギサ
「どこにでも居るんだよね、人を見下す奴は」×ツドイ
「貧乏の何が悪いって言うのよ? 私もリラ姉と2人で貧乏だったけど頑張ってきたんだから」×ノノ
「私も両親を亡くし貧乏な生活を送ってきましたから、その気持ちは良く分かります。
もう高校生なのに、心無い言葉が過ぎますね?」×リラ
「学校の先生とか、クラスメイトは何も言わないのかな?」
「先生の前では常に優等生なんです。その子はクラスでもカースト上位だからクラスメイトも何も言わなくて・・・
逆らうと皆からハブられたりしますから。でも、それなのに有紀だけは私をずっと守ってくれて・・・
そのせいで、有紀まで孤立しちゃって・・・私、申し訳なくて」
「その有紀ちゃんて、とっても良い子なんだね~ 中々出来る事じゃないわ」×アヤメ
「漢だよね、あれ女なのか・・・」×ツドイ
「もう、何言ってるのよツドイは?」×ナギサ
「僕、その子、気に入ったかも?」
「高校生に手を出しちゃ駄目よ?」×アヤメ
「そんな事言ってると、混ぜて上げないよ?」
「んふふ、駄目よ! だって、私も気に入ったんだもの」
「フフ、そんな友達は、大事にしないといけませんね?」×リラ
「はい、私の大親友ですから」×スズ
「さーて、じゃあ、どうしてくれようかな?」×ノノ
「んふふ、とりあえず、鈴ちゃんを地味なんて、間違っても言えなくして上げましょうか」×アヤメ
「ねーねー、それだけじゃなくてさ、こんなのはどう?」×ナギサ
「ククッ! ナギサって、悪い事考え付くよね?」×ツドイ
「にしし、リアルで『ぎゃふん』って言わせてやるわ♪」
「フフ、それだけでは足りませんね。続いて、こういうのはどうでしょうか?」×リラ
「うわ~ リラ姉、悪~い♪」×ノノ
「僕はこういうのが、良いと思うんですけど?」
「うはーーー!」×全員
「ツドイが、一番悪いわね?」×アヤメ
「うんうん」×全員
「そんな事ないと思うんだけど?」
「あはは♪」
「んふふ、さって、じゃあ早速行動に移しましょうか」×アヤメ
「楽しい事になりそうね、頑張っちゃうぞ~」×ナギサ
「僕、ヨウ君と学校に行って来よっかな」
「フフ、私とノノは別行動になりますね」
「じゃ、鈴ちゃんは、私とナギサに任せて貰おうかな」
「武蔵君には連絡を入れてあるから、少し遅くなっても大丈夫よ?」
「は、はい。あの、一体どこへ行くのでしょうか?」
「んふふ、とっても良い所よ?」
前略! お兄ちゃん。何か、とんでもないことになりそうです。
一体私は、これからどうなるのでしょうか?
私はアヤメさん達に、まるで未来のような場所へ連れて行って貰い、驚愕体験をすることになりました。
家に帰る頃には、驚き過ぎて口から魂がはみ出てたかもしれません。
そして、翌日学校へ行くと、何時もの様に有紀が笑顔で挨拶をしてくれた。
「おっはよー、鈴! あれっ? なんか、何時もと雰囲気が違うんだけど?」×ユキ
「おはよー有紀! 流石、私の大親友ね?」
「やっぱり、何か変えたんだ? 教えてよー」
「うふふ、後でね」
「それよりさ。昨日、あれからどうなったの?」
「なんかもう大変だったわ。まるで、宇宙人に連れていかれたみたい?」
「えーーー! ひょっとして、改造されちゃったとか?」
「うふふ、分かる?」
「あはは、冗談に聞こえないよ? だって、信じられない様な、美人なお姉さん達だったもの」
「だよね~ 世の中には、あんな美人が存在するんだって、驚いちゃった」
「有紀の事も話したんだけど皆、有紀の事、気に入ってたわよ?」
「ええ~ 私の何を話したのよ?」
「うふふ、有紀がとっても優しくて、男前だってこと♪」
「あの~ 私、女なんだけど?」
「そんな、大きな胸をした男の子はいませんよ?」
「むぅ~ 私が女なのは、胸だけみたいじゃないかー」
「あはは、そんな事無いって。有紀はとっても可愛いから♪」
「ホントに、そう思ってる?」
「思ってる、思ってる。彼氏にしたいぐらいよ?」
「思って、ないじゃないかー」
「あはは♪」
有紀と朝の楽しい会話をしていると、馬鹿女が教室に入って直ぐに、私の方に歩いてきた。
どうやら、私を馬鹿にしないと1日が始まらないとでも思っているようだ。
「また、馬鹿女が来たわね、馬鹿みたいに取り巻きつれてさ」
「うふふ、聞こえてますよ?」
「聞こえる様に言ったのよ?」
「あらっ? 鈴さん。ようやく制服を買い替えたのかしら?」
「これは、凄い裁縫師さんに、綺麗に治して貰ったんです」
「あはははは! 流石、貧乏人は物を大事にするのね♪ それとも、地味顔には新品の制服は似合わないからなのかしら?」
「よく毎朝、毎朝、嫌味を言いにこれるわね? 鈴からも、この馬鹿女に言い返してやったら? 馬鹿女に何を言っても理解出来ないだろうけどさ」
「うん。馬鹿女さん? ごめんね。名前は憶えてないの」
「あはは! 鈴、それ良い~~~♪」
「無口だと思ったら、口の悪さを隠してただけなのかしら?」
「そうね。貴女が言うとおり、私はガサツな貧乏人だから口が悪いのかもしれないわ。
ねえ、馬鹿女さん? この制服は、私のお兄ちゃんが一生懸命働いて買ってくれた、大事な制服なの。
袖が少し破れたぐらいで、買い替えるような真似は出来ないのよ。
それに此処は学校だよ? 地味にしてた方が良いと思うんだけど?
貴女の様に、下品な化粧してきた方が良いのかしら?」
「うふふ、言うじゃない? 言っとくけど、地味顔に化粧なんてしても無駄ってものよ?」
「そう? なら、これならどうかしら?」
私は椅子から立ち上がると、眼鏡を取り前髪を後ろへ束ねて、素顔が良く見える様にした。
普段、猫背なんだけど、アヤメさん達に言われた通り胸を張り、堂々と馬鹿女の前に立った。
「ええっ?」×クラス全員




