第276話 お金のためならキモイとか言ってられないんです
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僕達は武蔵の才能に驚きながらも、地下7階に辿り着いた。
「さて、ここからが本番なんですが、魔物の気配が分かりますか?」
「ああ、薄っすらとだが、なんとか分かるよ。悪い、もっと訓練しないとだよな」
「んふふ、薄っすらとでも分かるのが凄いんだよ?」×ナギサ
「えっ! なんでだ?」
「ここの魔物はホワイトサーペント程では無いですけど、気配が分かり難い魔物なんですよ?」
「なるほどな。一応合格点は貰えてるってわけか?」
「そーいうこと! でも、喜ぶには早いんだけどね~」×アヤメ
「まだ何かあるのか? 不安になるんだが?」
「ククッ! 見たら分かるよ」
とりあえず武蔵は、魔物が居る場所まで歩を進めると、シャドースパイダーを目視し固まっていた。
「な、なんだありゃ? デカすぎねえか? 凄えワサワサしそうなんだが?」
「泣き言は言わない約束ですよね?」
「だ、だってよ、幾ら何でも・・・って、やるしかねえよな。うおっ! サブいぼ、立ってきたーーー」
「がんばれ~♪」×全員
「ち、ちくしょー、や、やってやるさ。
う、うおおおおおおおおおおおおおおお!!!
ぎゃああああああああああああああああ!!!」
武蔵の武器はバトルスタッフなので、シャドースパイダーの腹部に攻撃すると弾力があり気持ち悪いのか、叫びながら攻撃していた。
叫びたくなる気持ちが良く分かるので、僕達は苦笑しながら武蔵を見ていた。
それでも何とか倒し終わると、幸いなことに魔糸玉がドロップしていた。
「ハァーハァー、き、きちい・・・足がワサワサしてやがる」
「あはは、お見事さんです♪ この調子で全滅を目指して下さい!」
「全滅? お、鬼かよーーー」
「フフ~ でも武蔵君。この魔糸玉って1つ9000円で売れるんだよー?」×ノノ
「マ、マジか? これが9000円・・・10個で9万か。
キモイなんて言ってる場合じゃねえよな、一週間も休んじまったから稼がねえと!
くそう、やってやる、やってやるぞぉ~~~~~~」
やはり、生活が掛かってる男は強いのか武蔵は、なり振り構わずシャドースパイダーを倒し続けた。
ガムシャラになりつつも自身の気配を消し、奇襲から戦闘に入り反撃も気配を読み躱している。
僕達から見たら、マダマダ弱いとはいえ、将来絶対強く成る確信が持てる戦闘だった。
途中から<気配遮断>スキルオーブも見事にゲットし、更に奇襲の精度が上がったためか、戦闘時間が短くなっていく。
今では、奇襲攻撃で頭部を粉砕し、見事に一撃で仕留めている。
「フゥ~ よし、またドロップした。<幸運>スキルって凄いよな~」
「武蔵君も凄いわよ? もう一撃で倒せる様になったじゃない」×ナギサ
「まあ、<気配遮断>スキルのお陰だけどな?」
「スキルを使い熟すのも、強さの内ですよ?」
「師匠に褒められると、何か怖いんだが?」
「あはは、でも、かなり慣れてきたみたいですね、お見事です♪」
「ありがとな、魔糸玉集めるのに必死で、キモさも忘れてたよ。
皆が色々とアドバイスしてくれるのもメッチャ助かる。
スキルの効果って凄いよな~ 難しいけどよ」
「武蔵君センスあるよ、ドンドンスキル使って慣れていくべき」×ツドイ
「分かった。頑張って使い熟さないとな」
「フフ、でも今日は、そろそろ終わる時間ですね」×リラ
「フフ~ 魔糸玉も結構集まったんじゃない?」×ノノ
「もう、そんな時間か・・・もっと稼ぎたかったけど、弟妹達が腹を空かせて待ってるからな。今日も、ありがとうございました」
「いえいえ♪」×全員
武蔵はダンジョンから出ると、急いで素材を換金しに行った。
死に物狂いで頑張ったお陰か、魔糸玉が50個以上ドロップしており、買い取り総額が60万円程になった。
「うはー! 何時もの4倍かよ」
「あはは、良かったですね~」
「ああ、キモかったけど、頑張った甲斐があったよ。ありがとな、じゃ俺は買い物してから帰るよ」
武蔵は僕達に丁寧なお辞儀をして帰って行った。
喋り方は兎も角、結構礼儀正しいところがあるのが好感が持てる。
「そう言えば、『グランドクロス』と『メイデンガーデン』の皆さんに会いませんでしたね」
「かち合わないように、事前に連絡を入れておきましたので」×リラ
「流石リラさん。僕、スッカリ忘れてました」
「フフ、ありがとうございます」
「流石、僕のお嫁さん」×ツドイ
「せめて、彼女って言ってよ?」×ナギサ
「フフ~ どっちも、お嫁さんだもんね」×ノノ
「頭が変になりそうな会話をしないでよ?」×アヤメ
「ちゃんと、皆さんにも尽くしますよ?」×リラ
「惚れるわ~♪」×アヤメ達
「あはは、何か面白いですね~」
「こうなったのは、半分ヨウ君のせいなんだからね?」×アヤメ
「そうかもですが、僕はこれで良かったんじゃないかと思うんですけど?」
「にしし、流石にヨウ君でも、皆を同時に相手出来ないもんね」×ナギサ
「ナギサの言い方が卑猥だね?」×ツドイ
「キス魔が何を言ってるのかな?」
「ここじゃ怒られるから帰ってからね?」
「催促してるわけじゃないわよ?」
「もう止めなさいって。ヨウ君が喜んでるでしょ?」×アヤメ
「何か飛び火しました」
「あはははは♪」×アヤメ達
僕達はクレセント本部に戻り、何時もの様に外国勢メンバーを迎えに行った。
国内に住んでいる人はアヤメさん達が迎えに行ってくれるので、直ぐに全員集合出来るようになってきた。
その内、全員に<転移魔法>を習得して貰って、国内なら迎えに行かなくてもよくなるだろう。
まあ、流石に外国まで転移するのは、僕にしか出来そうにないけどね。
「あっ! シュアンさん達も頑張ってますか?」
「ええ、凄い勢いでスキルが集まってるわよ?」×シュアン
「全く、<激運>スキルとゴールドスライムの効果がとんでもないよな?」×ソヒョン
「あはは、僕もゴールドスライムの効果には驚いちゃいますね」
「そう言えば、ナギサに採集ハサミでフルーツ採ってきたわよ?」×アリーシャ
「きゃああああああ! アリーシャ大好きーーー♪」×ナギサ
「わわっ!」
ナギサさんは、直ぐにアリーシャさんに飛びつき、顔中にキスをしていた。
「ぷはっ! ちょ、ちょっと、口にまでキスすることないでしょ?」
「んふふ、感謝の印だよ♪」
「そだそだ! 他のメンバーにもお礼しないとだね?」
「えっ?」×アリーシャ達
この後、ケリーさん達もキス攻撃を受けて揉みくちゃにされていた。
「もうナギサ。それぐらいにしなさい?」×アヤメ
「んふふ、じゃ、続きは夜にしよっか」×ナギサ
「も、もう良いから、十分お礼の気持ちは分かったって」×ケリー
「でも、これだけ喜んでくれると、採ってきた甲斐があるわね」×スーザン
「確かに♪」×モニカ
最近はこうやって皆が各地で色々と素材や採集物、スキルオーブを取ってきてくれるので大変助かっている。
特に有用なスキルは、メンバー全員が集めてきてくれるので、メチャクチャ効率が良くなった。
僕じゃないと取れないスキルもあるけど、<転移魔法>とゴールドスライムのお陰でサクサクと集めていけるので問題なかった。
「そう言えばヨウ様。予想していた通りエスケープクリスタルの普及について全国から、かなりの反響があったようです」×リラ
「へえ~ やっぱりボス戦の危険度が下がるからかな?」
「はい、ボス戦の死亡率が一番高かったですから、ダンジョン攻略部隊に全国から感謝状が届いている様です」
「うふふ、その分、かなり忙しくなっているみたいですけどね」×リッカ
「部隊総動員で、エスケープクリスタルを作ってるみたいだからね」×マイ
「今までマイナーだったダンジョン攻略部隊に、これから国としても力を入れるとか?」×ナナエ
「ほほ~ 思ったより大事になってるんですね~」
「そりゃそうよ。制作がとても追いつかないから、制作方法も各国に開示してるみたいだしね」×シノブ
「あはは、本郷幕僚長も、これからヨウ君に頭が上がらないだろうな」×アズサ
「入隊希望者も激増してるみたいよ?」×キョウコ
「んふふ、その内ダンジョン攻略部隊の養成学校が出来たりして?」×ナギサ
「あ~ そんな話しも、持ち上がってるみたいですよ?」×リッカ
「ふえっ? 本当に?」
「なんでも、国から直接要望されてるとか?」
「うわ~ ヨウ君。エスケープクリスタルをダンジョン攻略部隊に丸投げして良かったわね?」×アヤメ
「危ないとこでしたね~」
「ダンジョンに行く暇が無くなっちゃうとこだったね」×ツドイ
「そんな恐ろしい事になったら、逃げちゃいますよ?」
「あはは、ヨウ様はダンジョン命だからね」×ノノ
「はい、もっとダンジョンが増えて欲しいぐらいですから。特に上級と特級ダンジョンの間ぐらいのレベルで、ダンジョンが欲しいですね」
「分かる~ 上級から特級でレベルが上がり過ぎだもんね~」×ナギサ
「フフ、ヨウ様が言うと、本当に出現しそうですね」×リラ
「あっ!」×アヤメ達
「フ、フラグじゃないですからね?」
「ありえるね?」×ツドイ
「ヨウ君のフラグは、スケールが大き過ぎて見逃すとこだったわ」×アヤメ
「だから、違いますからね?」
「んふふ、まさかね~」×ナギサ
「まさかって思う事を、実現しちゃうとこがヨウ様だったりして?」×ノノ
「・・・否定は出来ませんね」×リラ
「リラさんまで止めて下さいよ~」
「あはははは♪」×全員
そして、更に翌日から武蔵のSPオーブを集めつつ、地下8階のクロウラーを倒して素材を集めて行く。
「か、硬え・・・なんで、こんな芋虫がこんなに硬いんだよ?」
「あはは、この魔物はスキルで防御幕を張ってますからね、物理攻撃で倒すのは大変なんですよ」
「んふふ、頑張りなさい! この魔物が落とす素材は、虹糸って言って7000円で売れるんだよ?」×アヤメ
「うはー、ここもお得魔物じゃねえか、こりゃがんばらねえとな」
「でも、虹糸と昨日の魔糸玉で武蔵君の装備作るからね?」
「あー、そうだったな。全部売る訳にはいかねえのか、ところで金は幾らぐらい掛かるんだろ? あんまり高えと厳しいんだが?」
「フフ、素材持ち込みと、少し優遇するとして100万円ぐらいでしょうか?」×リラ
「さ、100万円? た、高えよ、俺そんなに払えねえって」
「防具はケチっちゃ駄目だよ? 大怪我してからじゃ遅いんだからね?」×ノノ
「そだよ、真面に買ったらもっと高いんだし、お得だよ?」×ツドイ
「お師匠さんにプレゼントして貰いたいですか?」
「い、入らねえって、これ以上世話になれるかよ100万円って言っても、かなり値引きしてくれてんだろ?」
「ん~ どだろ。リラさん頑張っちゃいました?」
「フフ、9割引きと言ったところでしょうか」
「ぐはっ! た、高え・・・でも、それはちょっと値引きしすぎじゃねえか?」
「私達の専属裁縫師さんは一流だからね~ そりゃ高いわよ」×ナギサ
「ヨウ君の弟子って言ったら、お金なんか取ってくれないけど、それじゃ嫌でしょ?」×アヤメ
「分かった。頑張って稼ぐ、値引きもありがとな、意地なんて張ってらんねえから甘えるぞ?」
「強く成るのが恩返しと思って下さい」
「それが一番怖えよ?」
「頑張れ~♪」×アヤメ達
「ああ、頑張るしかねえしな」
武蔵はクロウラーが吐き出す糸に注意しながら、<追加攻撃>スキルを駆使して次々と倒していく。
突きを3~4回入れて<追加攻撃>だけで倒すのが楽なんだけど、武蔵は戦闘訓練も兼ねて、様々な攻撃を繰り出していた。
無心で戦っているせいかドロップ運も良く、<追加防御>スキルオーブも一発でゲットしていた。
「おめでと~♪」×全員
「うはっ! <幸運>スキルって、本当にヤベエな・・・」
「やっぱり、習得すんだよな?」
「もちろんです! このスキルは防御の要ですからね、早めに慣れておいて下さい」
「俺、このスキル習得には一生慣れないと思う」
「あはは♪」×全員
「うはーーー! なるほどな、防御の要ってのが分かったよ」
「でしょ~ それって、銃弾ぐらいなら弾き返しますからね~」
「はあ? 銃弾ってマジかよ?」
「マジマジ」
「そんなのあったら無敵じゃね?」
「あま~い、ダンジョンの外ならほぼ安心だけど、魔物相手なら簡単に割られるからね?」×ナギサ
「ぐはっ!」
「そそ、割られたら、直ぐに張り直す訓練しといて下さいね」
「・・・俺ソロでやってたら、本当に死んでたのか」
「そだよ。ヨウ君に感謝しなくちゃね」×ツドイ
「師匠ありがとな。俺、感謝が足りなかったよ」
「いえいえ、強く成ってくれたら問題ないですよー」
「だから、それが怖えんだって?」
「あはは♪」×全員
「あー、そだそだ。武蔵に伝えておきたい事があったんですよ?」
「覚悟して聞いた方が良いか?」
「そんなに構えなくても良いですよ?」
「実は武蔵の事をクレセントメンバーに話したら、皆も参加したいらしくて?」
「師匠とアヤメさん達以外の人か?」
「ですです」
「これから、クレセントメンバーが順番に武蔵の訓練しちゃいますね。
僕達だけでやると、独り占めになっちゃうんですよ?」
「俺は玩具じゃないんだが?」
「んふふ、大丈夫よ? 皆武蔵君より1万倍強い人達だからさ」×ナギサ
「1万倍で足りるかな?」×ツドイ
「じゃ、10万倍ぐらい?」
「・・・俺が弱いのは分かったから勘弁してくれよ。師匠より怖いって訳じゃないよな?」
「そうね、ヨウ君は私達の100万倍強いからさ?」×アヤメ
「フフ、比べるのも烏滸がましいですね」×リラ
「フフ~ ヨウ様は、人類最強ですから」×ノノ
「ヨウ君の相手になるのは、火星ぐらいかな?」×ツドイ
「ブッ!? 既に魔物ですらないじゃ無いですか? 惑星相手に比べないで下さい。僕は人類ですからね?」
「ヨウ君なら金星にも住めるよ?」
「僕は人類ですーーーーーーー!」
「あはは♪」×全員
冗談を言いながらも武蔵は今日も頑張り、クロウラーを大量に倒して虹糸を集めていき、良い時間になってきた。
「ん~ とろこで武蔵、今日は朝から変ですよね? 何かあったんですか?」
「・・・何時も通りにしてた筈なんだが?」
「やっぱり?」
「そうなんだ? 私、全然分からなかったわ」×ナギサ
「ヨウ君は、そういうところが怖いんだよね。隠し事が出来ないんだから」×アヤメ
「悩み事なら、素直に言った方が良いよ?」×ツドイ
「あ~ 実は妹の鈴の事なんだが、ひょっとしたら学校で虐められてるんじゃないかと心配してんだよ。
あいつは何にも言わないけど、昨日ちょっと元気が無かったから・・・」
「良かったら私達が聞いてみよっか? 武蔵君には言い難い事かもしれないし?」×ノノ
「女性にしか、分からない悩みかもしれないですね」×リラ
「そっか・・・世話になりっぱなしで悪いんだけど、頼んでも良いかな?
俺んとこ母親がいねえから、そうかもしれないし」
「んふふ、分かったわ。私達に任せなさい」×アヤメ
「ありがとな。恩に着るよ」




