第216話 やっぱり冒険者の告白はダンジョンですよね
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「ところで、シャドースパイダーからドロップしたスキルは何だったんだ?」
「あっ! 忘れてたや」
「おいおい、豪儀な奴だな?」
「あはは、えっと<気配遮断>スキルですね」
「ほほ~ 納得のスキルだな、コウタが先だぞ?」
「分かりましたけど、未取得スキルは順番にしますからね?」
「ふふ、わあったよ♪」
俺は<気配遮断>のスキルを習得した事で、更に<気配感知>に意識を集中出来るようになった。
なるほど。気配を消すって事は、気配を感知する事と似てるようで全く違うんだ・・・
「おっ! 今<気配遮断>使っただろ? かなり気配が希薄になったぞ?」
「やっぱり分かりますか? これ<気配感知>スキルが無かったら、気付かれずに動けるかもです」
「なるほどな~ <気配感知>スキルの有用性ってのが、少し分かったかもしれねえぞ?」
「うはっ! 流石レイさん」
「まあ、試してみないと、まだ断言出来ねえけどな」
「俺も自分なりに考えてみます」
「ふふ、何か楽しいよな?」
「同感です♪」
俺達はシャドースパイダーを倒しまくり、次の地下8階に辿りついた。
しかし、そろそろ時間も遅くなってきたので、転送クリスタルに触ってから今日は帰る事にした。
結局、指弾の勝敗はレイさんに適う筈もなく、俺の負けとなった。
ギルドへ戻ってドロップ品を売りに行くと、今日はイツミさんが居たのでお願いすることにした。
俺はテーブルの上に素材を置いていくと、今日は時間が長かったせいか結構な量になる。
「うわ~ 頑張りましたね~♪ 受付嬢としては嬉しい限りです。
ええっ! これ魔糸玉じゃないですか? それも、こんなに・・・」
「えっと、今日は頑張りました!」
「ふあ~ 凄いですね~ ちょっと、待ってて下さいね」
しばらく待っていると、イツミさんの査定が終わり、金額を聞いて驚くことになった。
「ひゃ、100万円?」
「うふふ、はい! 魔糸玉だけで100個程ありましたからね、ギルドとしても大助かりです」
「あ~ そっか。1個9000円で売れるって言ってたもんな、凄いな~ 初級ダンジョンでも儲かるんですね~」
「馬鹿! 魔物がシャドースパイダーなら、普通なら割に合わねーよ」
「なるほど。訓練がてらに沢山倒しましたからね~」
「うふふ、高く買い取る素材には、それなりの理由があるんですよ」
「勉強になりました」
買取り代金はレイさんと山分けにし、ギルドカードへ入金して貰った。
スライムボールの時の10倍の稼ぎになったのには驚きだ。
ギルドから外へ出ると、もう辺りはスッカリ暗くなっていた。
今日は少し長めに潜ってたからな・・・こりゃ、買物は次回に持ち越しだな。
「なあコウタ? 今日は少し遅くなっちまったから、泊まって来るって言っといたらどうだ?」
「でも、俺ビジネスホテルとか言った事無いんですけど?」
「どうせ、明日もダンジョンに行くんだから、ウチに泊まれば良いじゃねえか?」
「ええっ? 良いんですか?」
「同じパーティメンツなんだから良いさ、でもクランには内緒だぞ? リーダーとか喜んで揶揄いにくるからな」
「で、でも、俺男ですよ?」
「あはは、襲ってきたら返り討ちにしてやるさ♪」
「・・・断る理由がないですね」
「だろ? 今日はゆっくり飲めるな♪」
「あ~ レイさん。飲み相手が欲しかっただけじゃないでしょうね?」
「ふふ、バレたか! 良いじゃねえか付き合えよ?」
「もちろん。付き合いますよ♪」
こうして、今日はレイさんと2人で焼肉を食べに行き、遅くまで飲み明かす事になった。
レイさんの部屋に来るのは2回目だけど、やはり凄く緊張してキョロキョロと周りを見てしまう。
「なんだよ、珍しいもんでもあるのか?」
「俺には女性の部屋自体が珍しいんですよ?」
「ふふ、あんま見んなよ、恥ずかしいだろ?」
「努力します!」
レイさんとダンジョンの話をしながら飲むお酒が美味しすぎて、今日も飲みすぎてしまう事になる。
翌朝、目が覚めると俺はベッドに寝ているようだった。
あ~ 俺、また酔い潰れちゃったのか・・・
んん~ でも、楽しいお酒だったな。レイさんと飲む様になってから俺もスッカリお酒が好きになったもんだ。
しかし、レイさんのベッドは、良い匂いがするし、柔らかいし最高だな~♪
んっ? 柔らかい? うわっ! わわわっ!
徐々に意識が覚醒して行くに連れ、俺の顔が柔らかい物に包まれているのが分かってきた。
こ、これって・・・やっぱり、俺今レイさんの豊満な胸に抱き抱えられてる・・・
俺は何とか脱出しようと手を動かすと、レイさんの腰に触ってしまったようだ。
「ひゃ! 誰だよ? 擽ってえだろ・・・んんっ?」
俺は目を覚ましたレイさんに抱き抱えられたまま、上目遣いで朝の挨拶をすることになる。
「お、おはようございます」
「・・・なんで、コウタが私の胸に埋まってるんだよ?」
「わ、分かりません」
「・・・あ~ 昨日潰れちまったコウタをベッドに放り投げて、私もそのまま寝ちまったのか。
あはは、またやっちまったな♪ おっと、サービス終了だ」
レイさんは俺と離れ、猫の様に伸びをしている。
「ふふ、馬鹿野郎! そんなに残念そうな顔するなよな♪」
「・・・顔に出てましたか?」
「素直に認めるなよな~ 照れるだろ?」
「そんな事言ったって、仕方ないですよ~」
「あはは、さっ、朝飯食ってダンジョン行くぞ」
「はい」
そして、ドキドキしたレイさんとの朝も終わり、今日も初級ダンジョンの地下1階からスタートした。
あわよくば、レイさんに<虚空庫>スキルオーブをと期待したが、流石にドロップしなかった。
しかし、<追加攻撃><敏捷強化><気配感知><腕力強化><気配遮断>と次々にスキルオーブをゲットしていき今日も絶好調だ♪
レイさんに<気配遮断>を習得して貰い、俺達は地下8階に辿り着いた。
「あ~ コウタのドロップ運には、当分慣れそうにねえな・・・」
「あはは、絶好調です♪」
「だから、そんなレベルじゃねーんだって、あ~ 頭いて。
しかし、荷物がねえと探索も楽だよな~」
「ですよね~ ドロップ品も全部持って帰れるのが良いですよね~」
「ステータスも上がって、<敏捷強化>スキルまであったら移動も楽なんてもんじゃねえな。
まだ、昼過ぎなのに地下8階まで来れるんだからよ?」
「あはは、今日は地下10階まで行けそうですね?」
「簡単に言いやがって、非常識な奴だ。ところで、ダブったスキルは、どうするんだ?」
「そうですね~ 今んところパーティメンツを増やす予定もありませんし、売っちゃいましょうか?」
「おいおい、分かってるのか? とんでもねえ金額になるんだぞ?」
「あ~ 何となく分かるんですが、ちょっと纏まったお金も欲しいんですよね」
「なんだ? 何か欲しい物でもあんのかよ?」
「えっと、俺もレイさんみたいに、1人暮らししようかと思ってたりします」
「何時もレイさんの部屋ばかり行くのも悪いかなと?」
「ふふ、そんな事気にしなくても良いんだが、コウタの部屋に行くのも悪く無いな」
「大金が手に入ったら、セキュリティーの高いとこの方が良いしな」
「そ、それならレイさんも、今よりセキュリティーの高いとこに引っ越した方が良いんじゃないですか?」
「ん? そうだな。スキルオーブをオークションに掛けるなら桁違いの金額になりそうだしな・・・」
「も、もし、レイさんが嫌じゃなかったら隣り同しの部屋とか、ど、どうでしょう?」
「ふふ、なんだコウタ? 私とお隣さんになりたいってか?」
「だ、だって、その方がダンジョンに行くのも便利でしょうし・・・」
「あはは、それならコウタ。いっそ、私と一緒に住むか?」
「ええっ!」
「そんなに驚くなよ。シェアハウスってやつだよ、同じパーティなら珍しい事じゃないしな」
「レイさんは、俺と2人暮らしになっても良いんですか?」
「ん? そんなの良いに決まってんだろ? 合わねえ奴と同じパーティに入るかよ」
「でも、俺も男なんですよ? 何時まで自制出来るか分かりませんよ?」
「あはは、私より強く成ったら襲われてやんよ♪」
「言いましたね? 言質取りましたからね?」
「ふふ、冗談はさて置きコウタは、私みたいなガサツなやつを女扱いしてくれるんだな?」
ガクッ! 「冗談だったんですか? 言っときますけどレイさんは、本来俺なんて近寄る事すら出来ない様な、メチャクチャ綺麗な女性なんですよ?」
「馬鹿野郎・・・ほ、褒めすぎだろ? 私より綺麗な女性なんて幾らでもいんだろうが?」
「確かに最近凄く綺麗な女性を多く見かけますが、俺にはレイさんが1番綺麗な女性だと思います」
「なっ!」
レイさんは俺が言った言葉に照れたのか、顔が真っ赤になっている。
ああ、レイさんって、本当に綺麗だし可愛いな♪
「おい・・・そりゃ告白か?」
「違いますよ?
コホンッ! 俺はレイさんが大好きです! 俺はこれからメチャクチャ頑張ってレイさんに並び立つぐらい強くなりますから、お、俺と付き合って欲しいです!
・・・今のが、告白です!」
「馬鹿野郎・・・ダンジョンの中で告白かよ?」
「すみません、で、でも本心です!」
「ふふ、まさか、私が告白される日が来るなんてな♪」
「嘘でしょ?」
「女からなら幾らでもあんだけどな?」
「あっ! 何か分かるような気がします」
「ほっとけよ♪」
「なあコウタ。私は喋り方もこんなだし、ガサツで男っぽいだろ?
コウタなら、これから、幾らでも女の子らしい可愛い子が寄って来ると思うぞ?」
「自慢じゃ無いですが、綺麗な女性は結構見ましたよ? でも好きになったのはレイさんだけです。
それに、レイさんはガサツじゃなくて恰好良いって言うんですよ?」
「ふふ、ありがとな。私も好きだよ! コウタの事が」
「本当ですか?」
「・・・今だから言うけどな、昨日の夜だってキスするのギリギリ我慢したんだからな?」
「ええっ? そんな、WELCOMEなのに?」
「あはは、そりゃ、惜しい事をしたな♪」
「あ、あの、本当に俺なんかで良いんですか?」
「自信持てよ! コウタは、私を堕としたんだからな?」
「ん~ やったあああああああああ!!!!!」
「あはは、止めろよ。抱き締めたくなるだろ?」
「ダンジョン内ですけど、良いんですか?」
「良く考えたら、冒険者なら良いんじゃないか?」
「それで、行きましょう♪」
俺は震える手でレイさんを、そっと抱きしめると、レイさんは目を瞑ってくれたので優しくキスをした。
心臓はバクバクし滝の様な汗を掻きながら、俺はレイさんの柔らかい唇の感触に感動し涙まで流れてきた。
レイさんは、そんな俺を抱き締め続けてくれた。
「こんな私を、好きになってくれてありがとな、冒険者になって良かったよ」
「俺もダンジョンに感謝します」
「ふふ、誰も来なくて良かったな? ダンジョンでイチャついてたら怒られそうだ」
「確かに。でも、冒険者なら有りですよね?」
「あはは、それで行こう♪」
俺はレイさんと微笑み合い、探索を再開することにした。
地下8階の魔物はクロウラーでメチャクチャ硬い魔物だけど、<追加攻撃>スキルを持っている俺達には楽勝だった。
なにせ、パチンコ玉による指弾4発で倒せるんだから、レイさんと2人で撃ちまくって倒して行く。
そして、またスキルオーブをドロップしたので確認してみると<追加防御>スキルだった。
これはレイさんに是非、欲しいスキルだったので、メチャクチャ喜びレイさんに習得して貰った。
「お~ これは確かに有用なスキルだな、私達は2人だから防御力が上がるのは正直嬉しい」
「そうですよね。回復用ポーションは持ってますけど、怪我しないに越した事はないですから」
「しかし、初級ダンジョンの魔物からドロップするスキルオーブが、こんなに有用なものばかりとは思わなかったな」
「普通なら絶対ドロップしないんだぞ?」
「あはは、そこは、ほらっラッキーって事で?」
「ふふ、このラッキーボーイめ♪」
「あ~ 俺の事、子供扱いしましたね?」
「そんな事ねーよ、彼氏様だしな?」
「て、照れますね・・・」
「・・・自分で言ってて照れちまったじゃねーか」
「「あはは♪」」
俺達は気分良く歩を進め、地下9階のゴブリンから<身体強化>スキルをゲットし、地下10階のオークでまた<身体強化>スキルを手に入れた。
「なるほどな・・・」
「どうしたんです、レイさん?」
「ああ、<気配感知>スキルの有用性ってのが、分かったかもしんねえぞ?」
「うはっ! 流石レイさん」
「煽てんなよ。正解かどうか分かんねえしな、いいか良く聞いとけよ?」
「はい」
「私達は<気配感知>スキルを使って、魔物や人の位置をマップに映し出すように使ってるじゃねえか?」
「はい、不意打ちが防げて便利ですよね」
「だな、でもな、もっと細かく見るんだよ。オークとの戦闘なら分かりやすいぞ?」
「えっ? 戦闘中に<気配感知>を使うんですか?」
「そうだ。目を瞑ったまま戦闘する様なイメージで使ってみろよ」
「はい」
俺はレイさんの言う通り、オークとの戦闘中に<気配感知>スキルに意識を集中してみた。
・・・なるほど。俺にもレイさんが言ってる事が分かってきた。
オークが次にどんな攻撃をしてくるのか気配で予測出来る! オークの動きが手に取るように分かる。
そうか! <気配感知>スキルって、戦闘にこそ有用なスキルだったんだ。
「どうだ、分かったか?」
「はい、理解しました! 武術の達人って、こんな目線なのかもしれませんね」
「ふふ、分かったみたいだな♪
しかし、ヒントだけとは言え<気配感知>スキルの有用性を教えてくれた冒険者ってのは、絶対普通じゃねえぞ?」
「・・・俺から見たらレイさんも凄いですよ? 俺だけじゃ分かりませんでしたもの」
「ふふ 煽てんなよ♪ せっかく良い事を教えて貰ったんだ、徹底的に訓練して強く成るぞ」
「はい」
「それと言っとくけどな、ボス戦は無しだからな?」
「やっぱり、勝てませんか?」
「いや、おそらく勝てるが、おそらくじゃ駄目なんだよ?」
「分かりました」
うはー、流石レイさん。ボス戦はナギ姉からも禁止されてるんだよな、<激運>スキルがあるとレアボスの出現確立も上がるらしいから。
「だけど、何時かボス戦もやりましょうね?」
「ああ、もっと強くなってからな」
「はい、楽しみにしときます」
「ふふ、私もだ♪」
時間も遅くなってきたので俺達は、そろそろダンジョンを引き揚げる事にした。
何時もの様にギルドへドロップ品を買い取って貰い、スキルオーブは後日にオークションに出品して貰う事にした。
ナギ姉にはスキルオーブも卸して良い許可は貰ってるけど、必ずサワさんかイツミさんに言う様に言われている。
1人暮らしする事も家族に伝えておかないとな、そだナギ姉にセキュリティーの高いマンションを聞いてみるか。
これから色々と忙しくなりそうだけど、俺は楽しいやら嬉しいやらで、気分は最高だった。
今日の素材買取りで、俺のランクもEからDにランクアップした。
レイさんがお祝いしねーとなって言ってくれたが、そんな事よりレイさんと恋人に成れた記念日なので、今日は絶対飲みに行こうと思っていた。
レイさんと2人で街中を歩いているが、今日は何時も見ている景色も違って見える。
自然と口角が上がっていくのを、我慢するのが大変なぐらいだった。
カップルが手を繋いで歩いているのを見て、俺もレイさんと手を繋いで歩いてみたいと思ったが、付き合った初日に手を繋いだら怒られるかな・・・
「なんだよ、チラチラ見て?」
「な、なんでも無いですよ?」
「ふふ、冗談だよ♪」
レイさんは俺の意図を察してくれたのか、俺の腕に手を回し抱き着いてくれた。
俺の腕にレイさんの豊満な胸が押し当てられ、一気に顔が赤くなっていくのが分かる。
「手を繋ぐのは、ちょっと恥ずいからよ。これで良いだろ?」
「さ、最高です♪」
「ふふ、私も彼氏が出来たら、こうやって歩くの憧れてたんだよな♪」
「えっ? レイさん、今まで彼氏作った事無いんですか?」
「・・・恥ずかしながら、コウタが初めてだよ」
「うわっ♪ 何かメチャクチャ嬉しいかも」
「言っとくけど、さっきの私のファーストキスだったんだからな? 感謝しろよ?」
「うわーうわー、メチャクチャ感謝します♪
あれっ? でも結構慣れてそうだったけど・・・あっ! 女性となら経験あるとか?」
「女はノーカンで良いだろ? 何か学生の頃から寄って来やがるんだよ?」
「あはは、何か分かるような気がします♪」
「馬鹿野郎♪ 今まで散々腕組まれたけどよ、やっぱり自分から腕組みする方が良いよな?」
「俺、もう死んでも良いかも?」
「ふふ、今死んだら後悔するぞ?」
「やっぱり、まだまだ死ねません」
「「あはは♪」」




