サリアのレーヴェ神殿にて 2
「レティシア姫は可愛らしい方ですから、レーヴェ神様可愛がってあげてくださいね」
煙るような瞳の美貌の古き神の像に、サリアの夫人は手をあわせる。
「あら、何か騒ぎが……」
「ものものしいわね」
サリアの夫人たちが、のんびりとフェリスとレティシアの絵姿を選んでいたら、帯剣した騎士たちが数人、入場してきた。
サリアのレーヴェ神殿は、あまり大がかりな神殿でもないので、護衛兵などもそう見かけない。
白い神官服のレーヴェ神官たちが、穏やかに立ち働いている(もっとも神官たるもの民を守れて初めて神官だ! という一風変わった竜王陛下の御言葉を守り、そこらへんのなまくらな騎士よりは武芸に秀でた神官たちなのだが )。
「お騒がせしております。本日、アドリアナ王女様の参拝予定がございまして……少々、姫の警備の方が……」
「まあ、アドリアナ姫がこちらに」
「アドリアナ姫も、レーヴェ神様を信仰しておいでなの?」
サリアの夫人たちは、少し不思議そうに首を傾げた。こう言ってはなんだが、あまりアドリアナ姫が、従姉妹のレティシア姫に優しくなかった話もちらほら聞こえてきている。
「ほら、アドリアナ姫は、まだ、花嫁交換して、レティシア姫の代わりにフェリス殿下に嫁ぐことを諦めきれないのでは?」
「ええ……、あの話は、フェリス殿下からお断りが来たのでしょう? フェリス殿下はレティシア姫がいいって」
ちょっと意地悪そうに花嫁交換の話を持ち出した夫人に、フェリスとレティシアの微笑みあう絵姿を手にした夫人が、うっとりと否定する。
「そうそう、フェリス殿下は、サリアの姫なら誰でもいい訳ではなくて、この世でただ御一人、レティシア姫を大事にしてらっしゃるのよ」
(……そんな絵巻物の主人公みたいなフェリス、おもしろい。いや確かに、あいつ、ちびちゃんに首ったけだけど)
美しいフェリスの絵姿に見惚れているサリアの女子たちを、レーヴェが愉快そうに、神坐から見下ろしている。
最近、よく、サリアの神殿にも呼ばれる。
(レーヴェ神様、レティシア姫をよろしくお願いします!)
(いとけない姫なので、大人になって、いろいろうまくいろいろやれるようになるまで、御見守りください、レーヴェ神様!)
異国に一人で嫁いだ姫の無事を祈るサリアの女性たち、そして、男たちの祈りは優しい。
(もしかしてうちの国が貧乏だから、ちいさいレティシア姫にご苦労かけたかもなので、どうかどうか、辛いことがありませんように……!)
そういうたくさんの人々の想いが、レティシアを護っている。
「フェリス殿下は、竜王陛下に似て一途な御方ですので、御婦人方、ご安心くださいませ」
レーヴェ神殿の神官はそこは思わず力強く保障してしまった。
先日、病のアドリアナ姫を助ける為にこちらにいらしたフェリス殿下とレティシア姫の大変に仲睦まじい様子を垣間見たところなのだ。
サリアのフェリス×レティシア推しの女子たちでした(笑)
今日、『薔薇の蜂蜜酒』というお酒をちい様からフェリスとレティシアに贈って頂きました!
二人らしい名前のお酒で嬉しかったです~!
(編集部からは食品転送不可なので目録送って頂きました)
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