サリアのレーヴェ神殿にて
「ねぇ、レティシア姫とフェリス様の新しい絵姿は?」
「はい。こちらでございます」
サリアのレーヴェ神殿は、いまだかつてない賑わいを迎えていた。
レティシア姫がディアナにお輿入れになる。
とのことで、もともと以前よりは参拝客が増えていたのだが、フェリス殿下が、レティシア姫の病気の愛馬を迎えに御自らサリア宮殿を訪れ、その御姿がレーヴェ神に瓜二つだとサリア王都に伝わって以来、連日の参拝客は増えるばかりだ。
「レティシア姫可愛い! こっちも買っちゃおうかな~」
「本当に、フェリス殿下、麗しいわねぇ。……ディアナの殿方は、みなさん、こんなに見目麗しいの?」
「い、いえ、私も詳しくは存じませんが……、フェリス殿下は特別にお美しいほうかと……」
レーヴェ神殿の神官は、返答に困っている。
時ならぬ満員御礼に、ずっとひっそり運営されていたサリアのレーヴェ神殿はおののいているのだ。
しかも、フェリス殿下とレティシア姫の絵姿を求めて、毎日、民がやって来る。
近頃では、二人の図案のお守りなどほしい、と求められて、それもデザインしている。
フェリス殿下とレーヴェ神が瓜二つということもあって、サリアでのレーヴェ神への信仰心も向上している。
(まさに、レティシアの国の人だよな~。レティシアの婚約者のフェリスに似てるから、オレも有り難く拝んどこうなんて)
盛況のサリア王都のレーヴェ神殿を見下ろしながら、レーヴェはおもしろがっている。
「それはそうよ。こんな美しい殿方がたくさんいらしたら、みんなディアナに行きたくなっちゃうわ」
「そうね。フェリス殿下は、レーヴェ神様の血をひかれて、特別お美しいのよ。でもこんなに似てるなんて、神話の時代の方のようね」
サリアのレーヴェ神殿に飾られているレーヴェの肖像画は、穏やかで慈愛に満ちたものが多い。
総本山のディアナでは、多彩な表情で描かれる竜王陛下だが、サリアの女神の守護する地では、優等生に描かれている。
「ほんとに。レティシア姫はやはりサリアの女神の愛し子よ。サリアの女神がこの上もない婚約相手をお選びになったんだわ」
「あらあら、ここはレーヴェ様の神殿よ。きっとレーヴェ様が、幼くとも聡明なレティシア姫をお選びになったんじゃないかしら」
「そうねっ。レティシア姫はレーヴェ神様に選ばれたのねっ」
異国の謎めいた神様に似た美貌の王子とのレティシア姫の婚約話は、サリアの女性たちの心をときめかせた。
書籍化作業をしていて、更新途切れがちですみません~!
いろいろ皆様に早く共有したいものもチェックさせて頂いてます!
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