魔法使いの弟子 2
「ディアナは国としてガレリアとの輸出入に制限をかけているわけではありませんが、国に寄っては、かなり大胆に制限をかけているところもあるそうで……、ガレリアの民が怒るのも致し方ないかと………」
「それは罪なきガレリアの商人たちには気の毒な話だ。……でもうちでも、今回のようなことがあると、兄上にもう少し厳しいリリア僧などの出入国制限も進言すべきか? となるよね……ディアナの民の安全が最優先だ」
結界をはっているからといって、何もかもを拒めるわけではない。
レティシアも、私たちのことで、罪なきガレリアの商人が被害を被るのは避けたいのですが、ディアナの方に危険が及ぶのは……と悩んでいた。
「こちらの警戒を強めるだけで、どうにも、益がない行動に想えるんだが……何だろう? 僕が邪神の代わりに負傷でもしたら、レーヴェ嫌いのリリアの枢機卿には嬉しかったんだろうか?」
私の名前にレーヴェ嫌いをつけないで、とリリア神様に怒られそうな話ではあるが。
「そうですねぇ。ディアナ王弟に後れをとらぬ魔導士を、とガレリアからは相変わらず募集がでてるようですよ。フェリス様に怯えて、なかなか応募が少ないようですね」
にこにことマーロウ師が解説してくれる。
「……マーロウ先生、僕は魔導士を怯えさせるようなことはしておりません」
笑いを堪えているレイを、フェリスは目の隅に確認する。
「そうですかの? 昨今、フェリス様は何やら御力を増されてるように思いますが」
「……そんなことはありませんよ。レティシアに時渡りの魔法をかけるだけで、全力です」
「なるほど。先ほど、セフォラと検分して参りましたが、……レーヴェ神殿には、フェリス様の魔力とともに、レティシア姫の癒しの魔力が満ちておりましたな」
「……うん。僕がそう言っても、レティシア、信じないんだけどね。こんど、マーロウ先生から言ってあげてほしいよ」
「おや。……無意識で発動されてるのですか? それはなかなか……」
ふむ、とマーロウ師は自慢の顎鬚を触る。
「フェリス様の御力と、レティシア姫の御力が和して、御二人とも、御自分で思っておられる以上に、力を増されてます。ディアナにとっても心強いことです」
セフォラが瞼を閉じたまま、目の前のフェリスからレティシアの力の残り香を辿るように、言葉を綴る。
「御一人ではできぬようなことも、きっと御二人ならばできるようになると……」
「それは嬉しいな」
夢見のセフォラの言葉に、フェリスは素直に喜びを表した。
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