おにぎりと姫君
「おにぎり、美味しくできたっ!」
レティシアは与えられた室に戻り、竜王陛下の肖像画の前に、おにぎりを供えてご機嫌である。
「ラップがないから、乾燥しそう……。昔の時代劇みたいに、竹の皮とかで巻くといいのかな……、
ディアナに竹あるかな?」
サリアでは竹は見たことないが、ディアナではあるだろうか? あったら拝借したいが、なければ、何の葉でまくと乾燥しにくいか、いろいろ実験してみなければ……。
「フェリス宮に戻ったら、ラムゼイたちにたくさん御礼言わなきゃ!」
きっと、みんな、フェリス様とレティシア姫は神殿のごはんちゃんと食べてるかな? と白ごはん開発に励んでくれたに違いない。あんな上手じゃないレティシアの説明で、こんなに美味しい御飯を炊いてくれるなんて、フェリス宮の厨房のみんな、神……!
「くまちゃん、くまちゃんもおにぎり食べる? 美味しいんだよ。フェリス様がレティシアのおにぎり、他の人にあげたくないって言ってたけど、竜王陛下とくまちゃんなら大丈夫だと思うの!」
くまちゃんは、でも、フェリス様、圧が凄いからね……と言いたげだ。
「それにしても、パン屋さんたちは、誰に術をかけられたのかわからないって仰ってたし、犯人が見つからないのは困るわね……」
(フェリスが一人で犯人捕まえにいっちゃいそうで心配だし?)
「あ、精霊さん、そうなのです……!」
響いてきた声に、レティシアはうんうんと首を振って頷く。レティシアが首を振ると、長い金の髪がさらさら動く。
「精霊さん、おにぎり食べて下さいね!」
(おに、ぎり?)
「はいっ。私の故郷の料理ですっ。とってもおいしいのですっ」
竜王陛下におにぎりお供えしていいですか? と言ったら、きっと喜ぶよ、ってフェリス様は笑ってた。
「竜王陛下、二個あるので、精霊さんにも一個お分けください」
肖像画の竜王陛下に許可をとる。いやもちろん竜王陛下は了承して下さると思うが……。
「は。王太后様にも、いつか、おにぎり、差し入れてみようかな?」
ことり、とレティシアは小首を傾げる。
王太后様は何をお好きなのかしら? お米、お嫌いじゃないかしら?
(……やさしい子だなあ、レティシアは)
ふんわり、頭を撫でられているような感触。
「優しくないです。王太后様がフェリス様に意地悪すると、王太后様、だいきらいっ……! とか思っちゃいますし」
でも、高すぎる氷の山とはいえ、歩み寄りは大事よね。
シュヴァリエの美味しいものとか、おにぎりとかで、王太后様を少しでも懐柔したい。
「どっちもオレだから、オレがぜんぶいただくぞー。お父さんは、レティシアはオレの分を忘れたりしないって知ってたぞ!」(from竜王陛下)
本日、24時10分前のシンデレラ更新です…!(笑)
7/1、椎名先生の5歳コミカライズ18話シーモア先行配信しました!
マリウス陛下に謹慎解除の御礼に行く二人の回です! マリウスもイケメン!





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載