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15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻3/1発売】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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ディアナの竜の恋の歌


どれほどの人々の崇拝をえようと、各地に神殿が建立されようと、どこの国の神となろうと、そんなことが何だというのだろう?


だれの崇拝も、だれの憧れも、だれの想いも、リリアを癒すことはない。


リリアを崇拝する人々は、リリアのことを、何も知らない。


『慈愛深きリリアの神』は、『正義』と『平等』と『愛』と『慈愛』と『叡智』と共にある。


そのどれひとつすら、レーヴェの心を惹くことはない。


レーヴェは生まれついての我儘な竜なので、別段、『正義』にも『平等』にもこだわりがない。


ディアナの守護神となる、とレーヴェが決めたとき、あまりいいことだとは思えない、と幾柱かの神々がレーヴェを止めようとした。


『豊穣の竜』が一つの国に留まり、ディアナにレーヴェの情けをかけることは、この世界にとって平等とは言えないのではないか? と。


「……じゃあ、あの地の水源が枯れて、大地が干からび、生きものが飢え、ディアナが滅んでいくことは、誰かにとって平等なのか? 無駄だよ。オレはもう、ディアナを愛した。オレが何処にいようと、あの地は、オレの加護のもとにある」


「人間の娘と、レーヴェが婚姻など……、人の血の脈のなかに、貴方のかけらが散逸して、やがて消えていくのですよ? 到底、人の子の娘がレーヴェに似た子を産めるはずも……」


「オレに似てなくてもいいんじゃないか、アリシアに似てれば? そもそも器が人で、オレに似た子が生まれたら、それなりに窮屈で大変そうだ」


神々は、いつもレーヴェの気紛れに困りつつ、レーヴェをとても愛していたから、豊穣の竜を人の娘に与えることを惜しんだ。


あのとき憂えた神々ですら、まさか百年も生きなかったアリシアが、その後、千年もディアナにレーヴェを繋ぎとめるとは想像もしていなかった。


みなが、ほんのいっときのレーヴェの気紛れ、と思っていたのに、いまだに、レーヴェはディアナと共にある。


ガレリア王ヴォイドの野心も、リリアの大司教カルロの野心も、決してリリアがそうさせたものではないが、あの人の子らがディアナを望むのは、もしや、リリアの何かに知らずに呼応してるのだろうか?


もっともリリアは、レーヴェをこの地上に縛り付けるディアナなど、まるで欲しくない。


千年もディアナに繋がれた、誰より優しい、誰より自由な育て親の美しい竜を、ただ、解き放ってほしい。


レーヴェがディアナの鎖から解き放たれたところで、リリアのものになるわけではないが、それでも、

何かが誰かが、ずっと、あの美しい竜に干渉しているのが嫌だ。


『見よ、あの豊かなディアナの地を。レーヴェ神はいまもアリシア妃を愛してやまない』


フローレンス大陸中で謡われるレーヴェのお伽話を耳にするのも疎ましく、せめても、レーヴェを自由にしてほしい。


千年も、如何なる見返りも求めずに、レーヴェはあの人の子の娘に尽くしたではないか?


誰のものでもなかったレーヴェを返してほしい。


天の竜を、天に返して欲しい……。



「いまも昔も、何もかも、オレの意志でやってるぞ?」(from竜王陛下)


今週、コミカライズの原稿頂いてお戻ししたのですが、可愛いシーンがいっぱいありました!

お楽しみに!


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― 新着の感想 ―
あ〜、なるほど、リリア神の心の奥の願いが、彼らに影響していると……。 リリア神の心を解き放つ素敵な神様が現れないかな〜? レーヴェの兄弟竜とか(^^)
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