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15万部突破【書籍⑤巻&COMIC③巻3/1発売】五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました  作者: あや


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リリア神殿にて 2


「ディアナで布教に従事するリリア僧達は、昨今の深刻なリリア教迫害のもとで、疲弊しております。……どうか、猊下、……」


「僧達の苦難は承知しておる!  それもこれもあの男のせいではないか! フェリスさえいなければ、リリアの僧たちは、幸福な布教活動ができる! さればこそ、憎き邪神レーヴェめの申し子への人々からの信頼を挫くべくだな……!」


「いえ、猊下。……ことは、ディアナだけのことではありませんから、暫くはただリリア様への信仰へと帰るべきかと……、フェリス殿下は御婚姻の御式や挨拶などで多忙でしょうから、猊下をお悩ませになることも少ないかと……」


「そんなことがあるものか! あやつの輸出規制のせいで、ガレリアの民は苦しみ、あ、あろうことか、この私の馬車を襲ったのだぞ!? 常にガレリアの民の為に日夜働く私が襲われて、あんな邪神レーヴェの使いが神子のごとく崇められているのは許せぬ!」


「……それは生まれついての御性分と申しますか、……ああいう強い神気を纏った方は何処に在っても、人々に求められる定めかと……、」


悪い方にもいい方にも、すべてにおいて勘違いされすぎです、とフェリスがこの話を聞いていたら、呆れただろう。そもそもカルロの馬車が襲われたことと、フェリスは全く無関係である。


「ガレリアの民を安らがせる為には、猊下の清廉なる祈りの御姿と、少々、各国からの輸入規制が緩められることが第一です。ですので、猊下、謀り事は暫しお控えくださったほうが……」


「祈ることだけですべてが叶うなら、ディアナの民も、リリアの神様のもとに帰依しているはずだ! ……我らの祈りは何故届かぬのだ!? 邪神レーヴェが邪魔しているからか!?」


「リリア神様が、ディアナとの争いごとをお望みでないのかもしれません。……リリア神殿のピアノが鳴り響いているのですが、それがひどく悲し気な音だと皆が申していて……、あのピアノは、昔、リリア神殿にフェリス殿下がいらしたときにだけ、ひとりでに鳴ったことがあります。その折は、春が訪れたような、楽し気な音だったと私は記憶しています」


「……愚かなことを! リリア神様が、邪神レーヴェ似の王子などに心を動かす訳がない!」


「……されど、リリア様は慈愛の女神です。ガレリアの民が、各国からの輸出入規制に苦しんでいることを、お嘆きなのでは、と……」


これで首が飛ぶかも知れぬな、と思いながら、タウ枢機卿は進言した。


実際、ガレリアの民はリリア神殿の現在の振る舞いを芳しく思っていない。だからカルロは襲われたのだ。いま、カルロ大司教がすべきなのは、ディアナとの融和工作であって、フェリス殿下を襲わせる工作ではない。ヴォイド陛下のディアナへの野心もあろうが、神殿としては民に寄りそうべきではないだろうか、とタウ枢機卿は考えていた。


「……慈悲深きリリア様は、もちろんガレリアの民を苦しめることなど望まぬ! だが悪しき邪神レーヴェを倒すことはお望みのはずだ!」


そんなこと望んでないわ、おまえ如き卑小な存在が、あの偉大な美しい竜をひとかけらも傷つけられる訳がないけど、とリリア神としては、言いたいところだろう。


残念なことに、リリアの大司教を務めてはいても、カルロには、リリア神の声を聴く力はまったくない。


そしてカルロが都合よく私欲の為にリリアの神の名を使っているだけかというと、そうでもなく、カルロ本人としては、心からリリア神を崇拝して、リリア神の時代を望んでいるところが、どうにも救いようがなかった。

「邪神邪神うるせーよ(笑)善良なる竜だぞ、オレ様は。あと、やっとの初恋に浮かれてるうちの子を苛めんな」(from竜王陛下)


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― 新着の感想 ―
も〜!カルロしつこい……。 リリア様に怒られちゃえばいいのに……。 同じように、リリア神の民に改心勧めたって、そうそうしないと思いますよね。
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