初恋の姫君は、竜の神殿にいる 44
「でも何かあったら怖いから、レティシアを離せないよ」
真面目な貌して仰ってるけど、怖がってるようにはまったく見えません、フェリス様……。
「フェリス様、お嫁様可愛くて羨ましいですな!」
参拝客の五十代位の陽気そうな男が声を投げて、ば、ばか、不敬だろ、と隣の男に口を押えられてる。
「本当に天の御使いのようなお美しい御二人! 寿命が延びます!」
他の席からも明るい声があがる。『邪神!』の叫びにざわついてた礼拝堂にお祝いムードが満ちてくる。
「僕の勇敢な姫君を、ディアナの皆に紹介しよう。我が姫レティシアは、何処にいても、常に僕を守ろうとしてくれるんだよ。不肖の僕も、もっとレティシアやディアナの皆を守れるように、腕を磨かねば」
フェリス様がそう言うと、礼拝堂の人々に和やかな笑いが起きた。
そ、そんな紹介はどうでしょう、フェリス様……とレティシアはだんだん恥ずかしくて、フェリスの腕の中で真っ赤になる。
(何の役にも立たないちびの癖に邪魔だ)
実家の従姉妹のアレクならそう言うところだけど、うちの推しのフェリス様はね……、攻撃力が追いついてなくても、まず心意気を買ってくださる方なので……。
「皆様、お、お祈りの邪魔をして、申し訳なく……」
赤面しながら、レティシアはフェリスの腕の中から、聴衆へと詫びる。
「可愛い、レティシア姫っ!」
小さな子の声が上がる。
「可愛い!」
「御強い旦那様を一人で放っとけないなんて、アリシア妃みたいだ、レティシア姫!」
無敵の竜王陛下の奥様のアリシア姫も、やっぱり竜王陛下をほっとけなかったのかしら?
そうよね。神様の竜王陛下だって、矢とか剣とか悪い魔法とか当たったら痛いわよね。
それにやっぱりどんなに強くても、推しのことはいつも心配よね。
あれ? 似たような会話をさっき精霊さんとしたような気が……?
だって心配だもん、いつもフェリス様。
何か、いつものように、ごくごく冷静に、無茶なことをなさりそうなとこが……。
「レティシアは今日が初めてのレーヴェ神殿での礼拝になる。レーヴェの新しい娘、そして、まだまだ頼りない僕達二人を、ディアナの子らよ、光さす道へと導きたまえ」
フェリス様がそう仰ると、参拝客の皆が、やんやと湧いた。
「フェリス様、どんなことも奥様に従うのが夫婦円満の秘訣です!」
「なるほど。それは正しい。では常に、僕は、我が姫レティシアに従おう」
「フェ、フェリスさま……」
恥ずかしさのあまり、レティシアの顔は発火しそうに真っ赤になった。
でも、すごい。
邪神騒ぎを起こした人なんて、まるでいなかったみたいな和やかな雰囲気に……。
「レティシア、ここのページをめくってくれる?」
フェリス様が仕事を下さったので、レティシアは慎重に、神殿の祈りの書のページを捲った。
「……愛しい娘、では、そなたの為に生きよう、と、我らが竜の神は仰られた。我らはいまも、竜の神のその永遠の愛に守られている。我らは誇り高き愛の国の民……」
愛しい娘、そなたの為に生きよう、の一節で、何故かばっちりフェリスと目が合ってしまい、レティシアはさらにさらに真っ赤になった。
たくさんの6巻7巻お祝いの御言葉と、SSネタの希望ありがとうございます!
うまくSSにできたらSSにしますし、もしSSにできなくても、現在進行形の本編でいれられたらいれてみますので、何かご希望あればどんどん書いておいてください~
5/1五歳@COMIC17話、シーモアにて先行配信スタートしました!
王太后によって謹慎されたフェリスとレティシアの運命やいかに…!回です。ぜひ読んで下さい!
五歳五巻&コミカライズ三巻発売中です~♪





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載