初恋の姫君は、竜の神殿にいる 43
「私は大丈夫です! フェリス様をお守りしなければと思って……!」
皆の前で抱っこは恥ずかしいけど、フェリス様の腕の中にいれば、とりあえず、フェリス様の心臓をレティシアのちっちゃなボディで庇えるわ。背中にも分身の術でガードに廻りたいところだわ……。
「僕の小さな騎士様。僕は見かけより丈夫な男だから、レティシアはいつも誰よりも安全なところにいてくれなくてはいけないよ?」
フェリス様が神々しく微笑んで囁く。
「そんな訳にはいきません! 私はフェリス様を守る者ですから!」
ふんすっ! とレティシアは辺りを見回す。
邪神め! と叫んでいた男がフェリス様に向けて投げた何かどうなったんだろう?
「……フェリス様のとこに綺麗な子が……」
「レティシア姫」
「あれが、レティシア姫? フェリス様の御妃になる」
「何と御二人して天の御使いのようだな」
ざわざわとざわめきが広がる。
いけない、何だか、騒ぎを大きくしてしまったわ。
「フェリス様、曲者は……」
「ああ、少し昨夜の酒が過ぎる者がいるようだね」
「邪神め……!」
「神官さん、あいつ、様子が変だよ……!」
さっきの男の人だけじゃなくて、他にも何人か男の人が立ち上がってる。
それこそお酒にでも酔っているような、
何と言うか、ちょっと様子がおかしい……。
転移の魔法できてよかった! 精霊さんありがとう!
足でまといにしかならないかもだけど、フェリス様の傍にいたい!
「レーヴェの花が……!」
「花が降って来る……!」
広場でリリア僧が騒いでた時のように、天井から白い花が降って来る。
レーヴェ神殿の天井には、大きな竜の姿の竜王陛下とアリシア妃がいらっしゃるから、御二人が礼拝堂に花を降らせてるみたい……。
あがる声によると、今回は、リリアの花でなく、レーヴェの花らしい。
フェリス様とお夜食時に飲んでたレーヴェの御茶のお花なのかな……?
「暗闇で迷える子らを導かん。我らが愛しき父なる竜の神よ。……あなたの子らを救いたまえ」
レティシアを抱えたまま、フェリス様が祈りの書の朗読を続ける。
まるで何も起こってないみたいに。
「何処の闇に迷おうとも、我らが竜王陛下のもとに帰り来たれ、愛しきディアナの子らよ」
フェリス様がそう朗読して、騒いでいた男たちを碧い碧い眸で見下ろす。
それこそまるで竜王陛下が降臨されたような御姿で、フェリス様に見つめられると、男たちが声を詰まらせる。
「……じゃ、じゃしん……、りゅ、りゅうおうへいか……」
「……レーヴェさま……たすけ……て…くださ……」
「邪神……ちが……フェリスさま……!」
礼拝堂のあちこちで立ち上がって、短剣のようなものをかまえかけた数名の男たちが、剣をとりおとして、頭を抱えて震えている。
「フェリス様」
「あの者達を保護して。僕は朗読を続けるから、参拝客で怯えた者や気分が悪くなった者は介抱してあげて」
フェリス様が神官達に指示している。
「フェリス様、私、重いのでは」
たぶんフェリス様が降らせてる魔法の白い花が降りそそぎ、危険に見えた男たちが床に頽れていったので、レティシアは、フェリスの腕から降りた方がいいのでは? と尋ねる。
まだ危険そうならぴったりくっついてお守りするけど、当座の危険が去ったなら、レティシアは地上に降りて自分の足で立った方がいいのでは?
「オレの神殿で争いは禁止!」(from竜王陛下)
昨日5/1五歳@COMIC17話、シーモアにて先行配信スタートしました!
王太后によって謹慎されたフェリスとレティシアの運命やいかに…!回です。ぜひ読んで下さい!





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載