初恋の姫君は、竜の神殿にいる 42
遠い!
走っていって盾になってあげたいのに、壇上のフェリス様がとっても遠い!
よくフェリス様が移動で使われる転移の魔法を、いまここでレティシアも使えるようになりたい!
(レティシア。フェリスはあのくらいなら大丈夫……)
「いいえ、精霊さん、大丈夫ではありません! フェリス様とて射られたら痛いのです!」
精霊さんの声に、思わず、力いっぱいお返事してしまった。
フェリス様はとっても強いけど。
なんか飛んで来たら危ないし、嫌なこと言われたら傷つくし、別に不死身でも万能でもないのよ!
イメージして!
フェリス様のところに行きたい!
二人で、フェリス宮から、夜食のお菓子を取り出そうって魔法の練習をしたわ。
原理はきっとあれと同じよ。
食べ物をフェリス宮から神殿へと移動させたみたい、レティシアの身体をフェリス様の隣へ……!
(ほんっと、ちっちゃいのに、同じこと言うよなあ、うちの奥さんと)
一生懸命、フェリス様のところへ移動したいとレティシアが念じていたら、とっても優しく、切ないくらいに優しく、精霊さんが笑う気配がした。
「……? 精霊さんって、奥様いらしたのですね……」
いまそこじゃないけど、なんとなく精霊さんに奥様のイメージがなかった。
(いるよ。世界で一番可愛い、愛しい后が)
精霊さんの優しい優しい気配に、何故か、泣きそうなリリア神様の貌を思い出した。
レティシアの顔で、フェリス様に向かって泣きそうだったリリア神様の……。
「邪神よ、ほろべ……!」
ダメダメ、悪者からフェリス様を守らなきゃ!
精神統一! フェリス様の隣に移動を……!
(レティシアみたいに、うちの奥さんは可愛いぞー)
精霊さんの声とともに、レティシアの身体か浮いた。よしっ、できた、転移の魔法っ!?
「レティシア姫、お待ちを……!」
困惑したレイが止めようとするけど、レティシアの身体は光に包まれ、移動し始めた。
「フェリスさま……!」
フェリス様のところへ!
場所間違えて変なところに出ないように、必ず、我が大事な推し、フェリス様のところへ! と念じる。
フェリス様をお守りしたいの!
「レティシア?」
火事場の馬鹿力で、フェリスのもとへの転移魔法に成功したレティシアは、フェリスの腕に抱き上げられる。
「フェリスさま……! 大丈夫ですか!」
やった! できた! 転移の魔法! 精霊さん手伝ってくれたのかな?
さっき、精霊さんの優しい気配に包まれてるみたいだった。
「うん。ありがとう。僕は大丈夫だよ。レティシアこそ、怪我はない? 大丈夫だった?」
フェリスは、突然出現したレティシアに驚きつつも、レティシアの安否を確認してくれる。
『五歳で、竜の王弟殿下の花嫁になりました』六巻と七巻の刊行が決定しました。
皆様がお迎え下さったおかげです!
五巻を待っていて下さった方々、初めて出会って下さった方々、コミカライズから読んで下さった方々、本当にありがとうございます!
これから書籍化作業始めるところですが、五歳6巻は『レティシアの花嫁道具のつもり』の紅玉石あたりまでになるかな~と。振り返り読書がてらの誤字脱字報告等もお待ちしてます。なろうの皆様の校正とってもハイクォリティなので!
ご希望の特典SSネタなどもありましたら聞かせて下さい!
そして昨日5/1五歳@COMIC17話、シーモアにて先行配信スタートしました!
王太后によって謹慎されたフェリスとレティシアの運命やいかに…!回です。ぜひ読んで下さい!





コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載