初恋の姫君は、竜の神殿にいる 22
(可愛い子だな。……王族の娘なんだろうか? 僕と同い年くらいに見えるが……? まさか父の……? 僕の異母妹だったり……?)
また、声になってない声が聞こえる。
可愛いってフェリス様に言って(思って)もらった!
でもフェリス様、ご心配なく、レティシアはフェリス様の異母妹ではありません……!
お父様、濡れ衣です……。
まさか父の……? のあたりは暗い気配に満ちていて、小さなフェリス様があんまりお父様をよく思ってないことが伝わってくる。
フェリス様は実のお父様の話はなさらない……。
いつもお父様みたいにそっくりな竜王陛下のお話を、親し気にしてらっしゃるから、竜王陛下がフェリス様のお父様みたいって思ってた……。
「君は……」
「あのっあのっ、わたしはっ、遠い国から来てて……この神官のお洋服は、お借りしたのです……」
フェリス様からお借りしてますが……。
「そうなのか。ディアナの子ではないのか」
「は、はいっ」
よしっ。誤解は解けたっ。
フェリス様のお父様、身に覚えのない隠し子疑惑で疑われたら可哀想……。
というか、そんな疑惑抱えたら、ちいさいフェリス様の心が傷つく。
「レーヴェ神殿は初めて?」
「は、はいっ」
う、嘘じゃないもんっ。初めて来たもんっ!
「こんな小さな君を迷わせた者を叱らないといけないね。神殿は広いから、迷子はあぶない」
「ち、小さくありませんっ。おっきいですっ」
「おっきいかな? 大きくはないんじゃ……」
ふふっとフェリス様が笑う。あ、笑ったかんじはおんなじだ……!
「お、おっきいから、わたしは一人でも平気なのです……!」
う、嘘だけど。
でも、フェリス様に案内されて、レーヴェ神殿の神官たちのもとへ連れて行かれても、どうにも身元の証し用が……。
フェリス様が五歳くらいってことは、サリアのレティシアは生まれてない気が……。
「そう? でも放っとけないよ」
わたわたしてたら、フェリスに手を差し伸べられ、拒みようがなくて、レティシアはフェリスの手に手を添える。
「……え……?」
フェリスの手がレティシアに触れると、青い光が生まれて、二人と、辺り一面を照らした。
(見つけた)
(竜の仔が見つけた)
(レーヴェの子が、竜の乙女を見つけた)
(おや、でも、どうしたことか。この娘はまだここにいない……)
(この娘は、まだ、生まれてない)
(可哀想なフェリス。……まだ暫く時がかかるわ……)
「……生まれて、ない娘……? どういう意味だ?」
眩い青い光とともに、珍しがるような声たちが聞こえてきて、それは、小さなフェリス様にも聞こえてるみたい。
うわーん。そうなの、私はここにはまだいないレティシアなの。
神殿の精霊さんたち(?)、ちいさいフェリス様、怪しすぎる者でごめんなさいー!
「フェリスさま……」
「……誰かの魔力が、干渉してきてる……、君、僕に捕まって!」
フェリスの指に触れたからなのかどうなのか、レティシアの身体が半分透けてきてる。
あ……、この気配……、いつものフェリスさま……。もしかして、おおきいフェリス様のところに帰れるのかな?
でも、何といっても、レティシアが消えかかってるので、目の前の小さいフェリス様に、めちゃくちゃ心配をおかけしている……! たいへん申し訳ない!
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コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載