初恋の姫君は、竜の神殿にいる 23
「……退け、異界の力よ! 我が神殿の娘に触れるな!」
小さなフェリス様が叫ぶと、レティシアの身体が透けていってたのが、少し呼び戻される。
うう、小さいフェリス様も優しいから、見知らぬ娘を助けようとしてくれて……でも、これたぶん、おっきいフェリス様が、レティシアを呼んでくれてる気がする……。
いつもの、大切で仕方ないものに触れるような、フェリス様の気配を感じるから……。
「僕に捕まって! 遮断するから!」
「……フェリスさま」
ぎゅっと引き寄せられて、小さなフェリス様の腕の中にいた。
小さいフェリス様の身体が冷たい気がして、レティシアは気にかかる。
いまは冬なのかな? それとも……?
でもどちらにしても、あまり時間がなさそうだし、小さなフェリス様にお伝えしたいことを、お伝えしておきたい……。
「フェリスさま、大丈夫です! わたし、私の場所に戻るので……でも、あのっ、だいぶ、だいぶさきですが、わたし、フェリス様のところに来ます! ここに来ます!」
ぎゅうっとフェリス様を抱きしめた。
五歳のレティシアと同じくらいの少年。
冷たい肌の、言葉を失うくらい美しい、孤独な少年。
「わたし、かならず、フェリス様と美味しいごはんをいっしょに食べるために、フェリス様のところにくるので……、竜王陛下みたいに、竜になって、何処かへ行ってしまわないでください……!」
「え……? え………?」
フェリス様が困惑してる。
それはそうだわ。何言ってるんだ、この怪しい女の子、だわ。
でも、フェリス様を抱きしめたくて。
何処にも居場所がない、と啼く、このレティシアに似た子を抱きしめたくて。
「フェリス様の場所はここです! この美しい宮殿は、このディアナは、あなたの家です! フェリス様はずーっとずーっと私の大事な推しで、世界でいちばん愛され王弟殿下ですから……!」
「あ、愛され……? おし……?」
レティシアにぎゅっと抱きしめられて、小さなフェリス様が赤面して困惑しまくると、防御の魔力に隙ができたのか、たぶん大きなフェリス様がレティシアを連れ帰ろうとしてる力が強くなった。
レティシアの身体が、どんどん透けてく……!
「きみ、待っ……!」
「大好きです、フェリス様! この服、あったかいです! フェリス様もあったかくしててください……! わたし、ぜったい、おそばに来ますから……! ちゃんとごはんをたべて……!」
言いたいことが、ぜんぜん、言えてない! と思いながら、小さなフェリス様に、ありったけの力で、大好きです! 生き延びて! ずっと味方です! の抱擁を贈った。
五歳五巻&コミック三巻、3/1発売日まであと二日♪ カウントダウン♪
三月一日に五歳五巻とコミック三巻が発売になります!
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コミック三巻表紙❤
五歳で、竜コミック連載