初恋の姫君は、竜の神殿にいる 18
「ねぇ、何だか、礼拝の列がすごくない? 聖堂から溢れそう。今日、何かある日?」
パン屋の娘のアンは、レーヴェ神殿の門前で不思議がる。
「何もないんだけど、ここのところ、婚姻の沐浴の儀のあと、フェリス王弟殿下がレティシア姫とレーヴェ神殿にいらして、時折、フェリス王弟殿下が皆の為に祈りの書を読まれたりなさるから……」
時計屋の娘のティナが答える。
「ああ、王弟殿下めあてで人が増えてるの。確かにそれは聞きたいわね!」
「ね。竜王陛下そっくりのフェリス様が、祈りの書を読んで下さったら、寿命が延びそうでしょ」
「延びる延びるっ。いいこともありそう! フェリス様は神殿に長くいらっしゃるのかしら?」
「そうねぇ。何だったっけ? お茶会で、イージス卿とかいう人が、レティシア姫のこと何か仰ったから、レーヴェ様の神殿でしばらくは二人で身をお浄めになるって……」
「身をお浄めって、レティシア姫とっても小さいんでしょ? 穢れようがない気がするわ。イージス卿っておかしなじいさんね。遠くから一人で来た小さいお姫様にさっそく文句言うなんて」
爺さんではないぞ、とマクシミリアンは不満を訴えたいところだが、そもそもパン屋のアンはマクシミリアンを知らなかった。
レティシアがガレリアの魔導士に攫われたこともまるで知らず、純粋に、遠くから一人で来た小さい花嫁を悪く言うなんて、これだからうるさ方の貴族なんてものはろくでもないのよ、と怒っている。
午前の礼拝の行われる聖堂には、ディアナの者と遠方から巡礼に来た者達が集う。
その人数がいつにも増して多く、神官が人々の列の整理に追われている。
「うーん。こないだフェリス様が、リリア僧が悪いことしてたの懲らしめたから、遠くからリリア僧に呪いでもかけられないか、御心配もあるのかしら?」
「まあ! フェリス様の花嫁に呪いをかけるなんて、いくらリリアの僧だってそんな恐ろしいことしないわよ。竜王陛下の罰があたるわ」
竜王陛下のお守りがありますように! とアンは、遠い祭壇のレーヴェに向かって印を切る。
二人は、礼拝の始まりそうな時間に来たので、だいぶ後ろの方の席しかあいていない。
前列のお年寄りなどは、うんと朝早くから来ているのだ。
「そうよねぇ。それにしても、リリア僧、迷惑ねぇ。国王陛下、もう、リリア僧、みんな追い出してくれればいいのに」
「竜王陛下の教えに従って、異教の信徒にも、陛下は寛容なのよ。……でも竜王陛下と国王陛下の名をけがそうとしたんだから、寛容にしてやらなくていい気がするんだけど!」
二人で仲良く座席につきながら、アンとティナは憤懣やる方ない。
「………しっ。二人とも、黙って! 見て! 可愛い!」
先に着席していた花屋の娘シェリーが、二人の袖を引く。
聖堂では静かに、が基本なので、確かにぶつぶつ怒っていてはいけない。
「え……? まあ、なんて可愛い……!」
折よく、神官の居並ぶ大祭壇に、レーヴェ神殿の神官服に身を包んだ金髪のフェリスと手を繋いで、神官服姿の小さなサリアの王女レティシアが、緊張した面持ちで、そっと入場してきたところだった。
密かに礼拝へのフェリスの登場を楽しみにしていた参拝客達は、可愛らしい小さな花嫁の登壇への驚きと喜びの吐息を漏らした。
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