初恋の姫君は、竜の神殿にいる 19
「フェリス様、私、どちらかというと、こっそり礼拝聞きたいです。フェリス様が一番よく見える場所でこそっと……!」
フェリスの部屋へと移動しながら、レティシアは提案する。
「それもいいけど、レティシアの姿を一目見られたら、みんなきっと喜ぶよ。結婚式のときは、馬車で王都を巡るけど、誰もが一番前に並べるわけでもないし……。危険があるようなら、ちょっと予定より、人々と僕たちの馬車を離すか、いっそ巡るのをやめてバルコニーからの御手ふりだけにするかって案も出てるし」
「……結婚式のフェリス様が見れないと、皆様、悲しまれます……!」
なんてことなの、とレティシアは真顔になった。
罪深いわ、リリア僧も、ガレリアの王様も。
ディアナの皆さんが大好きなフェリス様の結婚式の御姿を見れないとか許されないでしょ!
結婚式といえば花嫁だが、もし私がディアナの街娘だったら、フェリス様の結婚式、遠くから眺めるのとっても楽しみにするもの、きっと!
「守護の魔法、たくさんかけて頂いて、馬車で巡れるようにしてほしいです!」
「レティシア、王都を馬車で巡るの楽しみなの?」
「いえ、フェリス様推しの方々が楽しみにしてらっしゃるだろうと……!」
レティシアはとても真剣に話してるのだが、フェリスが、僕推しの人々……? と不思議がっている。
フェリス様はもうちょっと愛され王弟殿下の自覚が必要だと思うわー。
「う……ん? そんなに僕推しの人がレティシア以外にいるかな? だけど、みんな、サリアから来た可愛い僕のお嫁さんを見たいだろうね」
「フェリス様、どうなさいました?」
レティシアの手を引いて戻ってきた神官姿のフェリスに、レイが問いかける。
「ああ、レイ。レティシアにも一緒に朝の礼拝のお手伝いしてもらおうと思うんだけど、レティシアのサイズの神官の装束はすぐ手に入るかな?」
「こちらの方にお願いしてみましょうか? 聖歌隊の子達用の衣装もあるでしょうから、レティシア姫のサイズもごさいますでしょうし……、あるいは、フェリス宮にも、我が母が手放しかねてるフェリス様のお小さい頃の神官服がございますが……」
「ああ。そうだね。神官服は男女変わらないから、僕の小さい頃の衣装でもいいかな、レティシア? それなら、すぐ取り出せるよ」
「フェリス様の子供の頃の……!」
レティシアの琥珀の瞳がきらきらと輝きだす。
なんというレアアイテム!
「フェリス様は、誰か小さい子に下賜したらどうかと仰ってたのですが、うちの母が思い出を手放しがたく……」
「とっても見たいです、フェリス様の小さい頃のお衣装!」
「見せるのではなく、レティシアに着せたいのだけど」
フェリスが白い手を一振りすると、金色の竜の紋章も麗しい、子供のサイズの白い神官の装束が現れた。
侍女たちが毎日手入れしてくれているドレスなどと違って、神官服には、基本的に、男女の区別はない。
「レティシア、これ着れそう? たぶんサキのことだから、ずっと手入れしてるだろうし……」
「……もったいないですけど、着てみたいです!」
「まったくもったいなくはないよね、僕の古着でごめんね」
「私の推しの幼いみぎりの衣装です! この上もなく、もったいないです!」
「……? よくわからないけど、レティシアが嬉しそうなので、僕も嬉しいよ……」
ふんわり、レーヴェの樹の優しい匂いがする、フェリスの子供時代のものという神官服に、レティシアはすっかり魅了されてしまった。
両国の貿易の均衡も憂いつつ、推し活もちゃん満喫中(笑)
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