初恋の姫君は、竜の神殿にいる 14
「竜王剣!」
「本当ですね。フェリス様とレティシア姫のレーヴェ神殿への訪れを喜ばれて、眠れる竜王剣が歌ったのですから、何も怖れることはありませんね」
「レティシア様、竜王剣の間は厳かでしたか? 静謐でしたか?」
「……んとね、竜王剣さん、楽しそうだった」
レティシアは竜王剣の間を思い出してみる。
神殿内の奥まった部屋で、豪奢な箱に展示された竜王剣は、静かに眠る風情だったけど、実際にお話してみると、竜王剣さんはいかにも竜王陛下な剣というかんじの陽気な方だった。
「た、楽しそうであられましたか」
「うん。キラキラ光って……やんちゃそうで……」
竜王剣は、竜王陛下の代理人、ディアナの王を選ぶ、て聞いた。
おまえならオレを使えるはずだ、とフェリス様にじゃれついてらした竜王剣様。
以前、マグダレーナ(王太后様)を泣かせたからな、て言ってた。
あれはどういう意味だったんだろう?
どちらにしろ、とっても内緒な話だ。
こんなの知られたら、ガレリアの王様が、ほれ見ろ、マリウスは偽の王で、フェリスこそディアナの王ではないか、とか騒ぎそうでダメ。
解釈違いのフェリス様の推し友ならぬ推し敵が、騒ぎ出しちゃう。
神話の竜王剣さんにどんな意図があるにせよ、ガレリアの王様がそれを把握してるとは思えない。
ヴォイド王はたぶん、フェリス様の煌めきを利用したいだけだろうから……。
「明るくて、優しくて、一緒にいるだけで癒されそうで、竜王陛下の剣だなーって感じがした、竜王剣様は」
一緒にいるだけで癒される、という意味では、フェリス様も、似てる。
フェリス様が、ただそこにいてくださるだけで、レティシアも、自信を持てる。
レティシアの小さな身体の中からも、何処にこんな気持ちが、こんな力があったんだろう? て気持ちが静かに湧いてくる。
「ディアナの商人が、私の噂もあって、ガレリアとの交易を控えている、というのが心配だわ……」
「まあ、レティシア様。……悪いことばかりするガレリアとなど、商売したくないと思う者がいても当然ですわ」
「でも、ガレリアの商人が私を攫ったわけでも、マリウス陛下の悪い噂を撒いたわけでもないわ」
「それはそうですが、人の気持ちというのは、そううまく分けられませんから……それに、安全面でも。善良なガレリア商人か、悪いことを企むリリア僧の化けた者かを見分けるのは難しいですから、いっせいに拒むほうが安心、ということもあります」
「……ああっ、安全面の不安もあるのね………」
なるほど。商品だけが街道を動くわけではないから、どうしても、貿易を続けるということは、人が両国を出入りするし、その人が安全かどうかは判断しかねるのか……。
「でも、そんな風に、レティシア姫の民を想う優しいお気持ちも、きっとディアナの民に伝わりますわ。フェリス様もオリヴィエ大神官様もそう思われたと思いますよ」
「そうかな。私の考え、浅かったかも。フェリス様ともよくお話してみる。……ありがとう、サキ、リタ」
にこっと微笑んだレティシアに、二人の女官もレティシアの髪やドレスを直しながら、愛し気な微笑みを返した。
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