用心棒
薬屋に入ると知的そうな男がいらっしゃいませと声をかけた。
「火薬は置いてるか?」
「火薬かぁ、どこかにあったと思うので、ちょっとまってくださいね」
「それと、足の痛みに効くものあるか?」
「ああ、それならその棚にあるよ」
「これか?」
「そうそう」
「火薬はそこまで量ないけど、これでいいかい?そんな上等なものじゃないけどね」
「ああ、全部貰う」
「足の痛みの薬?」
ルミが聞いてくる。
「さっき痛いと言ってたろ?」
「……ありがとう」
会計を済ませ戻るところ、先程のゴロツキが待ち伏せていた。
しつこい奴らだ。
「さっきはよくもやってくれたな。先生!お願いします」
奥から先生と呼ばれた男が現れた。
身の丈は五尺七寸(約170cm)で痩躯、おそらく用心棒なのだろう。
「ルミ、薬屋でちょっと待ってろ」
「う、うん」
「こいつにやられたのか?」
「変な武器使うんで気をつけてくだせぇ!」
用心棒はロングソードを腰から抜いた。
俺は銃剣をつけた歩兵銃を構えた。
ジリジリと距離を詰め合う。
ガッ!
「うっ!」
用心棒の仲間のひとりが石をぶつけてきた。
俺が怯んだ隙に用心棒は距離を詰め、剣を素早く振り下ろした。
俺は間一髪躱し、喉元に突きを放った。
用心棒は首を横に傾けギリギリで躱した。
俺の突きを躱したか……並の反射神経ではない。
用心棒は流れるような動きで俺の手を蹴りで払った。
俺の手から銃剣が離れ地面を転がる。
丸腰になった俺に向かって用心棒は勝ち誇った。
「まだやるか?」
先程俺がゴロツキに放った言葉を用心棒に言われた。
「先生!やっちまえ!」
「見逃してやりたいところだが、こちらにも怪我人がでてる。腕1本もらうぞ」
用心棒は腕を目掛けて剣を振り下ろす。
その瞬間、俺は用心棒の手首を掴み、その勢いで背中に担いで用心棒を放り投げた。
用心棒は驚き、受け身も取れず、地面に叩きつけられた。
「ぐはっ」
手応えはあり――しかし、用心棒は呼吸を乱しながら俺の脚を絡め取る。
俺も地面に転がった。
その瞬間に用心棒は俺の顔へ向け、突きを放った。
俺は皮一枚で躱し腕を絡め取り、用心棒の腕をへし折った。
ゴキッ!!
「ぐ、あああ!」
「せ、先生!この野郎!」
取り巻きの一人が俺の銃剣を拾い。
突進してきた。
俺は銃先を掴み取り、相手の足を外側から刈り取り、そのまま地面に叩きつけた。
取り巻きは頭をぶつけた為か、痙攣して泡を吹いている。
「待て!」
用心棒は腕を押さえ立ち上がった。
俺は歩兵銃を拾い。
「まだやるか?」
ゴロツキ達の方は負けを悟ると、まだ闘志が折れてない眼で睨みつける用心棒を引っ張り、逃げ出した。
「ルミ、終わったぞ」
ルミは薬屋の陰から出てきた。
「おじさんって小さいのにすっごく強いね!」
「小さいは余計だ」
俺とルミは手を繋いで宿屋に戻った。
宿屋に戻ると女将が「おかえんなさーい!」と元気よく迎えてくれた。
「おじちゃんね!悪そうな人全部倒しちゃったんだよ!」
ルミは女将に先程あったことを興奮気味に話した。
女将はうんうん、とルミの話を聞いていた。
「ルミ、部屋に戻るぞ」
「うん!」
夕飯も硬いパンだったが、ルミが心を開いてきてくれてるのを感じ、さっきより美味しく感じた。




