ただいま
気づけば翌朝になっていた。
珍しくルミは俺より早起きだった。
「おはよう」
「おはよう!」
「さて、そろそろ行くか」
「うん!」
ルミは手を差し出した。
俺たちは手を繋ぎ、レイア村へと向かった。
こんな近かったのかと思うほど、すぐに辿り着いた。
「自分家わかるか?」
「わかるよ。こっち」
ルミはゆっくり歩きながら俺の手を強く握り締めた。
村の中腹を抜けると、質素な家に辿り着く。
「ここか?」
「……うん」
なぜかルミは俺の後ろに隠れた。
俺は扉を二回叩くと、若い女性が出た。
「はい」
「ルミを届けに来た。ほら、ルミ」
俺の陰からゆっくり前に出る。
「ただいま……お母さん」
「ルミ……!」
母親は目に涙を浮かべ、ルミを抱きしめる。
ルミも抱き締め返し、安心したのか声を上げて泣いた。
母親も大粒の涙を流していた。
しばらく二人で抱き合うと母親はまだ涙を浮かべたまま俺に頭を何度も下げた。
「本当に……なんと、お礼を言ったらいいか……!」
「この子との約束を守っただけです」
「おじちゃん、ほんとに、ありがと……」
ルミは俺に抱きついた。
俺は頭を撫で、よかったなとだけ言った。
ルミは俺を離すと
「おじちゃん、ニホンに帰っちゃうの?」
俺は少し空を見上げた。
「いや……さっきの空き小屋にしばらく住まわせてもらおうかな」
「しばらくってどれぐらい?」
「わからないな。ずっとかもしれない」
「ほんと?」
「遊びに行ってもいい?」
「たまにならな」




