48/50
明日へ
「おじちゃぁん!」
「ルミ……」
抱きついてきたルミを息も絶え絶えで抱きしめ返す。
「おじちゃん、痣だらけ……」
「ああ、しこたま貰ったからな……」
「大丈夫?」
「いや……ちょっと休ませてくれ」
俺はルミの手を借り空き小屋で休ませてもらった。
「やられちゃうかと思った……」
「ルミが、いなかったら、やられてたよ……ありがとな」
俺はルミを撫でた。
小指が脱臼している事に気づいた。
「おじちゃん!指!」
「ああ、これは大丈夫」
ゴキッ!
俺は小指を無理矢理はめた。
「いってぇ……!」
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
俺は包帯で小指を締め付けた。
「すまん、ちょっと横になる……いてて」
「お水飲む?」
「ああ、もらうよ」
ルミは俺の水筒の蓋を開け飲ませてくれた。
「ルミ……」
「ん?」
「これでもう大丈夫だぞ」
「……うん!」
「お母さんに会ったら何したい?」
「まずは抱きしめたい」
「もうすぐだ……」
「うん……!」
どれぐらい時間が経っただろうか……太陽は傾きかけて来た。
「そろそろ行くか」
「まだだめ!」
「明日になるぞ」
「うん!明日でいい!」
「そっか……助かる」
俺とルミはその晩、宿屋で持たせて貰った食事を二人で食べた。
会話はあまりなかった。
それでも俺がルミを見るたび、ルミは安心したように笑い返してくれた。




