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白い少女と歩兵銃  作者: Koalaman
第五章 プレッツェル領編
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親父の酒

その夜。

宿屋の親父は部屋に酒を持ってきてくれた。

そのまま部屋飲もうと言う流れになり、俺と親父は酒を酌み交わした。


ルミには牛乳を持ってきてくれた。


「強い酒だ。だがどこか果物のような甘みがある」

「わかるかね?」


「なぜ、俺に酒を?」

「何か訳ありと思ってね。張り詰めてたからうちではリラックスして欲しかったんだよ。それに……一人で飲むのは味気ないからな!」


「……かたじけない」

「お前さんは随分静かに飲むね」


「……口下手でな」

「その子はお前さんの子かい?」


「いや、ここ……こっちの国で初めて会った子だ。故郷に送り届けると約束した」

「通りで似てないはずだ!お前さん珍しい顔立ちしてるからね!」


親父は豪快に笑った。


「親父、レイア村はどんな所だ?」

「静かな村さ、そこも一応プレッツェル伯爵の統治下だから平和だよ」


「そうか……」


俺は少し安心した。


「お前さん故郷はどこかね?」

「日本てところだ。この国の地図にはな

いだろうが……小さな島国だ」


「ニホンか……知らんな。海の向こうかい?」

「そんなところだ」


「長旅だったろう。今夜は旅の疲れを癒してくれ」


そう言うと親父は立ち上がった。


「美味い酒をありがとう」

「いやいや、付き合わせて悪いね。じゃあ、おやすみ。お嬢ちゃんもな」


親父は部屋を出て行った。


「おじちゃん、よかったね」

「ああ。……そろそろ寝るか」


「うん!」


その日は俺もルミもフカフカのベッドで深く眠った。

この旅が始まってから初めての事だった。

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