白い法衣の集団
こちらはナイフと包丁。
槍相手にするのは不利だ。
「あいつが生贄か?」
法衣の先頭がこちらに気づいた。
俺は牽制のため包丁を投げた。
包丁が壁に刺さり、集団は混乱しながら槍を構えたが、通路が狭いので壁につかえたりしている。
素人だ。
「ルミ、五、六人だ。……縛れたか?」
「う、うん、多分」
俺は婆さんを掴み、引き摺って部屋から出る。
「お婆さんどうするの?」
「人質にする」
「悪者だ……」
槍を構えた集団が部屋に近づいてきた。
「道を開けろ」
俺は婆さんにナイフを当てて先頭の男に言った。
しかし、白い法衣の集団は止まらなかった。
人質がいても構わず槍で突いて来た。
「うおっ!」
「おじちゃん!」
辛うじて部屋の中に逃れ、躱したが、婆さんは串刺しになった。
(厄介だな……素人だが躊躇がない)
足で扉を閉める。
「おじちゃん!どうするの?」
「窓から飛び降りる」
窓から下を見ると、下には藁が敷き詰めてあった。
「え!無理だよ!」
「大丈夫だ。俺が着地したら受け止めるから飛べ」
俺は窓から飛び降りた。
地面に落ちる瞬間、転がり受け身を取る。
ほとんど藁が吸収してくれたが……
「ルミ!飛べ」
ルミは意を決して目をつぶって叫びながら窓から飛び降りた。
俺は下で受け止めた。
「ルミ!大丈夫か?!」
「う、うん……」
「逃げるぞ!」
「でも、帽子!あと、おじちゃんのテッポウも!」
「そんなのは逃げてからだ!」
そう言って逃げようとしたが、周りにも白い法衣を着ている者だらけだった。
街全体が敵なのか?
何か武器は?
藁置き場の近くに草叉が立て掛けてあった。
――草叉は藁を運ぶ為の大きなフォークだ。
……ないよりはマシだ。
落下した時の物音を聞きつけ三人こちらに向かってきた。
「いたぞ!」
「ルミ、隠れてろ」
「う、うん」
俺は草叉を握りしめ、迫る集団に駆け出した。




