命の火
流れが強い、しかも深い……。
激流に飲み込まれ、上も下もなくなっていた。
俺はルミを抱え、水面に向かって足掻いた。
「ぷはぁ!!」
ルミは呼吸できたようだ。
再び水に飲み込まれる。
肺の空気が限界に達すると水が口の中に強制的に入ってきた。
溺れる……!
ルミだけは呼吸を……。
俺は水面下でルミを水上に押し上げた。
するとルミは対岸の草に掴まり、俺を一生懸命引っ張った。
俺は小さな手を頼りに水面から顔を出した。
「ぶあっ!!げほっ!げほっ!」
「はぁ!はぁ!おじちゃん、大丈夫?」
「助かったぞ……!」
無事に対岸に辿り着けた。
「とりあえず上がれ、もう少し離れよう」
川から出て、しばらく歩くと洞窟があった。
「ここで、とりあえず休もう……」
「う、うん」
寒い……凍えそうだ。
ルミも寒そうだ。
「今火を起こすからな……」
周りの木を集めて一箇所にまとめた。
火を起こさねば……
マッチは湿気っていた。
木を擦り合わせるが、なかなか火はつかない。
街で買った火薬を箱から出すと中央の火薬はまだ使えそうだった。
木の葉の上に少量の火薬を盛り、俺は銃口を近づけ、発砲炎で火薬に着火した。
火薬が燃え上がり、枯葉に火が移った。
「テッポウの音大丈夫だったかな?」
「随分離れたし大丈夫だ。バレた時はその時さ」
「おじちゃん、大丈夫?顔色悪いよ?」
「ああ、大丈夫だ。だが少し休ませてもらう」
正直、意識を保ってるのが限界だった。
俺は横になると、あっという間に意識を失った。




