強敵
再び、クッキーは鋭い突きを放った。
銃剣で辛うじて払ったが、分厚い盾を叩きつけられた。
「ぐおっ!」
俺は紙切れのように吹き飛び、転がった。
(しめた!距離が出来た!)
しかし、照準器を覗いた時……景色が二重に重なって見えた。
(しまった……効いてる)
気づけば脚に力が入らない。
クッキーが深く踏み込むのが見えた。
俺は横に転がり、必死で剛槍を避けたが、盾の追撃で吹き飛ばされた。
立ち上がろうとするが……手足が痺れ、感覚がない。
「げぇえ!」
俺は吐き気を覚え、その場で胃の中の物をぶち撒けた。
「終わりだな、小僧」
「……くそ!」
一歩一歩、クッキーは近づく。
槍が飛んでくる……と思ったら蹴りが飛んできた。
十五貫(約56kg)の身体は宙を舞う。
再び、盾で殴りつけられる。
(こいつ、遊んでやがる……)
「ぐはっ!」
俺はマッチを擦り、街を出る時に作った爆弾に火をつけた。そのままクッキーの胸に体当たりする……。だが倒れない。
(なんて体幹の強さだ……!)
即座に倒すことを諦め、俺は気づかれないよう鎧の窪みに爆弾を引っ掛けた。
クッキーに蹴りで吹き飛ばされるが、そのまま背中を向けて転びながら離れた。
「貴様!逃げるのか!」
俺は慌てて石造りの家に窓から滑り込むと、爆弾は激しい音を立てて爆発した。
――ドォォォォン!!
家の中の窓から顔を上げるとクッキーは爆弾に吹き飛ばされ鎧は大きく破損し、血塗れで動かなくなっていた。
俺はヨロヨロと立ち上がると馬小屋を探した。
何度も膝を着きながら走っていると、村長に止められた。
「おい、まさか追うつもりか?」
「村長、馬を貸せ……」
「そんな身体じゃ無理だ!落馬するぞ」
「盗んででも行くぞ」
「わかった……。手を貸そう、肩につかまれ」
(ルミ、待ってろよ……)




