黒騎士
護衛は全身鉄甲冑だ。
全員面を下ろし、盾まで構えている。
俺は裏手から家の外に出た。
そして、表に回り、物陰に隠れてもう一発。
――ダァン!
俺はもう一人を撃ったが
チュィン!
ちょうど顔の方向を変えた為、鉄甲冑の兜を滑った。
「ちっ!」
頭に血が上っていて焦ったか
「あそこだ!」
護衛は二人がかりでこちらへ近づいてきた。
照準器に集中し、兜の隙間を狙った。
――ダァンッ!
「ぐあっ!」
――命中。
もう一人を狙ってる暇はなかった。
護衛は剣を構え襲ってきた。
が、鉄甲冑のせいか動きは遅い。
俺は鎧の隙間から銃剣で首を突き刺した。
護衛はこれで最後のクッキーと呼ばれる黒騎士一人となった。
俺はつかつかとカールに近づく。
俺はカールに狙いを定め、引き金を絞り込んだ。
――カァン!
だが、黒騎士クッキーが分厚い盾で銃弾を弾いた。
クッキーは分厚い漆黒の鎧を身にまとい、槍と紋章の入った盾を持っていた。
俺は照準器に目を移した。
しかし、クッキーが消えた――
――いや、地を這うように俺に接近していた。
そして槍で突いてきた。首を傾け躱したが、俺は戦慄した。
鋭い……!もの凄い風切り音。間合いの詰め方。
只者じゃないな……
クッキーは再び踏み込み鋭い突きを放つ。
俺の頬を掠め、耳まで裂け血が吹き出す。
俺は銃床で兜の面をカチ上げた。
面は吹き飛び、素顔が見える。
金髪の精悍な顔をしており、顔には無数の傷跡があった。
クッキーは気にすることなく槍で叩きつけてきたが、銃剣でいなし、突きで応戦するが槍で弾かれる。
(速いだけではない……重い!)
カールは馬車にルミを押し込み、御者に走れと命じた。
「おじちゃぁん!!」
「ルミー!!」
その隙をつき、剛槍が飛んでくる。
「くっ!」
すんでのところで槍を防いだ。
(こいつは名のある軍人だ……!)
無視のできない相手だった。
相手は全身甲冑。
近接では不利だ。




