開戦
「おい!このままだと、村長が死んじまうぞ」
「悔しいけど、私らは無力さ」
「やめろ!」
一人の男の子がカールに向かって叫んだ。
護衛の一人が男の子に近づく。
男の子は怯えている。
カールは護衛の殴る手を止め、男の子につかつかと近づく。
「勇気のある子だ。名を申せ」
カールは品定めをするように少年を眺めた。
「ハンスだ……!」
「気に入った。連れていけ」
護衛は少年を担ぐ。
俺は家の中でその様子を見て女に向かって言った。
「おい!連れてかれちまうぞ!」
女は唇を噛み締めた。
「悪いがもう我慢の限界だ……!」
「やめとくれ!あいつの思うツボだよ!」
俺は立ち上がり、歩兵銃を装填したが、女は俺にしがみついて止めた。
「……くそ!」
ハンスは泣き喚きながら連れていかれた。
ルミは立ち上がり、家から飛び出した。
「ルミ!」
「お嬢ちゃん!」
「まて!」
ルミはカールに向かって震えた声で叫んだ。
「なんだ、やはりいるではないか」
カールは、にやりと嫌な笑みを浮かべた。
「わ、わたしが行くから、その子を離して!」
カールは軽く手を挙げ、合図を送ると、護衛は乱暴にハンスを下ろした。
「運べ」
カールが命令すると護衛はルミに手を伸ばした。
――ダァン!
護衛は頭から血を吹き出し倒れた。
「な、なんだ?!」
「お前さん!今のなんだい?魔法?!」
「鉄砲だ」
俺は照準器を覗いた。
護衛達はカールを守った。
「あそこからだ!」
護衛の死体の状態からどこからの攻撃か割り出したようだ。
護衛は盾を構えこちらに向かってきた。




